当日食べきれなかったマンタは、翌日サトイモと煮たりして食べ続けました。旅先でうっかりマンタを買うと、旅行中ずっとマンタを食べ続けることになるので気をつけましょう。
スーパーにマンタが売られていた理由
ところで、なんで普通のスーパーにマンタが丸ごと売られていたのかが気になる。なぜ一般客に売れるとは思えないマンタ(買ったけど)を仕入れたのか。
ようやくマンタを食べ切った頃に佐渡市の魚市場へ取材に行ったら、たまたまエーコープの仕入れ担当の方がいらしたので、その理由を伺うことができた。
「あのマンタを買ったんですか、それはありがとうございます。残りは切り身で全部売ったみたいですよ。
マンタは俺が仕入れたんじゃないけど、うちはセリの担当が、俺を含めてちょっと変わっているもんで、珍しいというか、めぼしいものがあれば欲しくなる。
俺も前にシュモクザメを仕入れてみましたけど、あれは売れませんでしたね。堅実な人がやっていれば、こんなことにはならないとは思います。でもお客さんがTwitter(現X)とかに上げてくれるから、広告になって人が来てくれるじゃないですか。
目指しているのは小さな水族館なんです。うちの魚売り場を見て、お客さんに佐渡の魚はおもしろいって思ってほしい。地元の人も知らないおいしい魚、珍しい魚がたくさんあるので、いろいろ並べたいんですよ。今日はシマアジが欲しかったけど、競り負けました」
佐渡にはスーパーがいくつかあり、どこも新鮮な魚を並べているが、最近はエーコープに珍しい魚が多いと島の友人から聞いていた。その理由は仕入れ担当者の方針だったのか。
たとえ仕入れ値が安くても、それらを並べることで売れ筋の魚を陳列するスペースが狭くなってしまうというリスクもある。それでも佐渡の海で捕れた魚をいろいろ並べたいという方針、個人的には大賛成である。
なかなか濃密な佐渡旅行一日目だった。この島に何度も訪れているからこそ前のめりに突っ込めたハプニングであり、さすがに初めて訪れた土地だったら、マンタは半身でも買わなかっただろう。
マンタのフルコースもいいけれど、今度はもっといろんな佐渡の魚を食べまくりたいなと思った。あと野菜も食べたい。また来よう。