下調べなんてしない!
こんな日もあるっていうか、少し下調べをすれば全部回避できたような気もするガッカリではありますが、いいんですよ、オンサイト(現場処理)で適当にやってみるのも楽しいものです。
僕らは事前に楽しい場所やおいしいお店を調べ尽くしてしまうことが多々あります。調べた情報を確かめに行くような、そんなレジャー。それはそれで否定はしないけど、分からない状態で突っ込むのも楽しいんじゃないでしょうか。
レビューサイトを捨て、街に出よう。
埼玉県の日高市に巾着田という場所があり、そこは秋になると曼珠沙華(彼岸花、リコリス)が満開になることで有名です。いま、時はまさに10月。きっと曼珠沙華が咲き乱れているはずと思い込んで出かけてみたところ、なんか思ったのと違った光景が広がっていました。
その顛末。
巾着田は周囲をぐるっと川に囲まれた形をしていて、上から見た形はまさに巾着。かつては田んぼが広がっていたそうですが、現在は日高市管理の公園として整備されています。最寄り駅は西武池袋線の高麗駅(こまえき)となります。
この巾着田、秋になるととてもたくさんの曼珠沙華が咲くことで有名で、満開の時期には巾着田曼珠沙華まつりが開催されます。まずは、僕が出かける少し前に友人が撮ってきた写真を御覧ください。
これは、本当にすごいですね。こんなに彼岸花が群生する場所ってなかなか無いのでは。
赤と緑は補色(色相環で反対の色)の関係にあるので、森の緑と花の赤が映えます。すごい。
中には白い彼岸花なんてのもあるんですね。これは是非見たい。
巾着田の曼珠沙華まつりは、台風やコロナ禍の影響で中止が続き今年は3年ぶりの開催となりました。
中止している間は、人が来ないようにわざわざ花を刈り取っていたそうな。今年は待望の開催だったわけです。
10月初旬のある晴れた日、僕は紆余曲折を経て16kmくらい歩いたすえに巾着田に着きました。紆余曲折は後で書くとして、まずは高麗駅スタート。
高麗と書いて「こま」と読みます。どことなく朝鮮半島っぽい雰囲気がありますがその通り。1300年前、朝鮮半島で高句麗(こうくり)、新羅(しらぎ)、百済(くだら)が争っていた三国時代に負けた高句麗の人たちが渡来人としてこの辺に移り住んだのがルーツなのだそうです。歴史の授業で習いましたね。
駅前のトーテムポールは「チャングンピョ(将軍標)」というもので魔除けの意味があるのだそうな。
駅から巾着田までは徒歩で10分ほど。
途中には史跡があって説明の看板も立っています。下の写真は干ばつや水害に悩まされた人たちが建立した水天の碑。今も昔も人は自然災害に悩まれてきたんですな。
道端にはコスモスが咲いていて、すっかり秋の雰囲気。
コスモスの近くで、別の花が終わって枯れていました。咲く花あれば、散る花あり。なんの花か分からないけど。
同じ様に終わった花の茎だけがけっこう生えていました。
そうこうしてるうちに巾着田に着きました。案内板を見ると、地図の赤い部分が曼珠沙華の群生地のようです。高まる期待。
それにしても、この枯れた花の残骸の多いことよ。ずいぶん密集して咲いていたんですね。なんでしょうね。
群生地に向かって巾着田の道を進んでいくと1枚の看板が見えてきました。ん?なになに?
ふむふむ。
へー。
おやおやおや。
ほぉー、こうなるのかー。
そうかー。 いちめん緑になるのかー。
……………。
そう、正体不明の終わった花は僕が満開と信じて見に来た曼珠沙華で、すっかり終わっていたのでした。
道中で見た終わったアレら、ぜんぶ曼珠沙華!いやー、参った。こんなキッパリきれいに終わるものなんですね!!「見頃が終わった」って看板、今思えばとても親切!早めに希望を刈り取ってくれて親切!
はぁ…。
それでも、園内をよく探したら少しだけ咲いてるのを見つけました。
む、むしろ、満開よりもこうして数輪がたくましく咲いている方が生命の尊さを感じることが出来るかも?
花を応援したのは初めてかもしれません。頑張れ!俺も頑張れ!
強がってみたところで、満開のときの圧倒的赤さと比べると敗北は一目瞭然。次回こそは、満開の時期に見に来たいと思います。
コロナが終息して、曼珠沙華まつりが開催されたときの話だけどね。
結局満開の曼珠沙華は見られなかったので、そこに至るまでのトホホな16kmについても少しだけ書きます。ある日、地図を見ていたら青梅(東京の西の方にある街)のすぐ北に飯能(埼玉の西の方にある街)があることに気が付きました。ハイキングコースで繋がっているっぽい。
ふむ、歩けそうだな?
東青梅駅を出発して飯能の方へ歩き、途中にある塩船観音寺なども見ながら霞丘陵という丘を歩くのも楽しそうだなと思って出かけたんです。
途中にある吹上しょうぶ公園にも寄ってみたけど、当然しょうぶの季節ではないのでなんにも咲いてませんでした。
塩船観音寺では茅葺きのお堂などが見られて、ここは良いお寺でした。
本堂の屋根も茅葺きで、とても趣があります。
塩船観音寺は春にツツジが咲くそうですが、こちらも季節外れで咲いてませんでした。ツツジと言ったら5月とか6月ですからね。
今回は、とことん花に縁がない。
観音様の先がハイキングコースになっていますが、広くて歩きやすい道が続いていました。
霞丘陵を歩いていると、首がありました。
は?
首でした。首?なんで?
七国山の先で県境を越えて埼玉に入りました。
飯能にはムーミンのトーベ・ヤンソンにちなんだ公園があるって、いつだったかのアド街でやっていたので行くことにしました。
山道が終わって、少しだけ舗装路を歩いたら「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に着きました。わくわく。
休園日でした。
からの、西武線に乗って移動して、終わった曼珠沙華まつり。
こんな日もありますね、たまには。
こんな日もあるっていうか、少し下調べをすれば全部回避できたような気もするガッカリではありますが、いいんですよ、オンサイト(現場処理)で適当にやってみるのも楽しいものです。
僕らは事前に楽しい場所やおいしいお店を調べ尽くしてしまうことが多々あります。調べた情報を確かめに行くような、そんなレジャー。それはそれで否定はしないけど、分からない状態で突っ込むのも楽しいんじゃないでしょうか。
レビューサイトを捨て、街に出よう。
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