パルマコンづくり
いろいろなモノをすりつぶして水に溶かしたところに想像力を加えることで、毒になったり薬になったりする遊び。何も起こってないのに、楽しい。たぶん本当の意味では、子供じゃないと楽しめないだろう。
古代ギリシャ語には「毒」と「薬」の両方の意味を持つ「パルマコン」という言葉があるという。そこで今、この遊びを「パルマコンづくり」と名付けたい。
子どもが草とかこねてるのを見て、「おお、作っとるな、パルマコン」と感心しながら微笑む。そんなおじいさんに私はなりたい。
採集してきた薬草たちを調合しにかかる。
毒づくりのときは荒々しいブロックの素肌の上ですりつぶしていたが、こんどは薬なので陶片(拾ってきた)の上ですりつぶす。
ちなみに陶片に乗っかっているのは、アタマヨクナリ草だ。アタマヨクナールという薬成分が含まれているとか。
続けてカラダナオリ草もすりつぶした。白い花びらがだんだんと緑色になっていくのを見ながら、薬効を確信する。
かさも減って、薬効成分だけが抽出された気分になるのであった。乾かしたら漢方になるに違いない。
漢方といえば、僕がしていたこの一連の薬(毒)づくりの遊びは、虫などの”生命”というパワーを扱うセカンドステージもあるのだが、今回は初歩ということでやめておいた。
おそらくアルコールや酸に手を出す科学ルートのセカンドステージもあったのかもしれない。ぼくにはその選択肢はなかったが、そういう分岐もあったかと思うと感慨深い。
最後にオオキクソダチ草をすりつぶす。
オオキクソダチ草の葉っぱは繊維質(葉脈と言うんだったかな?)が多くなかなかすりつぶせない。陶片が滑るからだ。
ざらざらとしたブロックの方でやってみると、いい感じに粉が出てきた。ブロックにさっきの毒の粉が残っている気もしなくもない。
最後にアルカリ乾電池水を作る。1ページ目ではマンガン電池を使ったが、今度は薬を作っているのでアルカリ電池を使う。理由は以前に示したとおりだ。
こうして薬はできあがった。毒の被害から街は救われたのである。ああ、よかった。本当によかった。
ちなみに、毒と薬を混ぜると中和されるのではなく、世界が滅ぶので絶対にやってはいけない。
いろいろなモノをすりつぶして水に溶かしたところに想像力を加えることで、毒になったり薬になったりする遊び。何も起こってないのに、楽しい。たぶん本当の意味では、子供じゃないと楽しめないだろう。
古代ギリシャ語には「毒」と「薬」の両方の意味を持つ「パルマコン」という言葉があるという。そこで今、この遊びを「パルマコンづくり」と名付けたい。
子どもが草とかこねてるのを見て、「おお、作っとるな、パルマコン」と感心しながら微笑む。そんなおじいさんに私はなりたい。
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