デジタルリマスター 2023年1月15日

メロンでブランデーグラスを作る(デジタルリマスター)

「メロンにブランデーを注ぐ」という飲み方がある、と人づてに聞いた。調べたらけっこう有名なレシピではあるらしい。メロンをスライスしてそこにブランデーをふりかけて食べたり、メロンを半分に切ってくりぬきそこにブランデーを注いで飲んだり、果ては夕張ではメロンブランデーというお酒を開発したり、メロンとブランデーは相性がいいようだ。ちっとも知らなかった。

ふだんブランデーは飲まない、というかどちらかといえば苦手なほう。でもメロンと合わさると、なんだかうまそうだなーと思う。やってみようかなー。

ならばいっそのこと、こんなふうに試してみてはどうだろうか。メロンをブランデーグラスに変身させて。

2007年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:造花にいちいちガッカリする(デジタルリマスター)

> 個人サイト 妄想工作所

ブランデーグラスといえばあの形、だが

というわけでさっそく、ふだんはめったに買わないメロンを張り切って買ってきた。夕張産、ではないが山形は庄内砂丘産の鶴姫という品種だ。

RIMG5908_photos_v2_x2.jpg
包丁を置くと、桃太郎でも出そうな雰囲気。

かたやブランデーはV.S.O.P.とまではいかず、近所のオオゼキ(スーパーのことです)で千円ほどのものを買ってきた。しかし生涯初のマイブランデーである。

さて次に、グラスのデザインだ。ブランデーグラスといえば、あの金魚鉢みたいなものだろう。

RIMG5909_photos_v2_x2.jpg
うろ覚えじゃなくて、ネットででも調べたらどうなんだ。

うろ覚えでラフを描いてみるに、どうもあの曲線を果物で表現するのは難しそうだ。足をつけるのも不可能だろう。よって足無しの、本来ならオンザロックに使われるオールドファッショングラスを作ってみることにした。まあグラスっぽいものを作れれば満足なのだ私は。

包丁を入れ、中の種やあのグジュグジュをかき出す。

RIMG5918_photos_v2_x2.jpg
この作業はけっこう好きです。
RIMG5924_photos_v2_x2.jpg
こうやってメロンを剥くのは初めて。

あのグラスを頭に描いて、そのとおりの形が現れるように包丁で削っていく。メロンを片手に持って作業するわけだが、意外とメロンはしっかりとした重みがあるので、手が非常に疲れる。つりそうだ、手のひらが。

この削った果肉は、あとでこのグラスの中に沈めて食べることにしよう。

RIMG5933_photos_v2_x2.jpg
かつら剥き。カットガラスを意識しています。

北海道の人はメロンを半分に切って、そこにドバッとブランデーを注いで黒田節のように豪快に飲むという。郷土の名産を器代わりにして酒を飲む、というのはイカ徳利もそうだし日本全国にけっこうある(あまり調べてないが)。

RIMG5934_photos_v2_x2.jpg
できるだけ厚さを減らして。

そうなると、わが故郷群馬はどんな器が考えられるだろう。キャベツ?漏れそうだ。こんにゃく?テーブルに置けないな。

などとつらつら考えているうち、完成した。さあ、気になるお味はいったいどんなものだろう?

RIMG5938_photos_v2_x2.jpg
イメージはクリスタルガラスです。足元にカットを入れてます。
いったん広告です

ジェットストリームでも聞きながら

部屋のあかりを落として・・・メロンのささやきに耳を傾けよう・・・。

RIMG5944_photos_v2_x2.jpg
東京タワーの見えるバー、ではなく自宅から、背景に黒い布を貼ってお送りします。
RIMG5949_photos_v2_x2.jpg
カラン・・・(音はしない)。
RIMG5953_photos_v2_x2.jpg
水漏れもなく無事注げた。
RIMG5960_photos_v2_x2.jpg
この街は私のものよ。

うーん、やっぱりあの「裕次郎がくゆらせていそうなグラス」を再現したい。お金持ちの就寝前のステレオタイプなイメージ「ガウンにブランデーグラス」の、あの人差し指と中指で挟み持つあの様子を再現したい。

ネットで検索したら、ブランデーグラスの側面は「金魚鉢」ではなく「アニメのサザエさんキャラの顔」のようだった(この辺、各自で検索しといてください)。アールを描いているのでなく、しゅっと直線でよかったのだ。

再度オオゼキへと走ってもう1個メロンを買ってきた。

RIMG5988_photos_v2_x2.jpg
でもやはり足は再現できないことをお詫びします。
RIMG6001_photos_v2_x2.jpg
頭の中を流れるのはジェットストリームではなく、もはや裕次郎のあの曲。
RIMG6005_photos_v2_x2.jpg
イメージフォト「男の休日」。
RIMG6009_photos_v2_x2.jpg
あと一歩で野望達成だ(何の?)。自分に祝杯。

肝心の味を書くのを忘れた。イメージフォトなんて撮ってる場合じゃない。すっかりグラス作りばかりに気をとられた。

えー、お味はと言いますと・・・ブランデーをふだん飲みつけないので、「より味が深まった」とかそういうことは言えないのだが、ふつうのグラスのと飲み比べてみると飲み口が少しやわらかく感じられた、ように思う。

メロンとブランデーが喧嘩しないでしっくり合っている、のかな。ブランデーを少し身近に感じることもできた気がする。

酒に合うものをグラスにして飲む、という試み、他にも何かやってみたくなった。次はなんだ。泡盛に・・・豚足グラスか?

RIMG6025_photos_v2_x2.jpg
使い終わったグラスは酒がよくしみてうまかった。
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ