こんど小さいやつも作ろう
この装置の制作時間は約30分、制作費は約500円だ。ほんのちょっとの工夫でこんなに楽しくなれるなんて驚きだ。
こんど皆さんもアマゾンの箱を捨てる前に試してみてください。

先週、土浦の花火大会の帰りに常磐線に乗った。
めったに乗らない電車なので外の景色を眺めたいのだが、夜なので自分の顔がうつりこんでよく見えない。知らない町の灯りが流れてゆくさまを見たいのに。
夜の電車は外がよく見えない。
旅気分を大いに味わうために、夜でも外の景色がよく見える装置を作りました。発明です。
※2006年10月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載しました。
技術的な説明はおいておいて、まずはその装置をご覧ください。
小学生のころ、ほぼ同じものを作ってテレビに出る人の真似をしたことを思いだした。ニュースキャスターやビートたけしの真似をした。でも家族にいちばん受けたのは7チャンネルとか砂嵐を表現するために「ぶぇええー」と言いながらへんな顔をしたときだった。
ちなみに斜めから見るとこうなっている。
通常の電車では、車内の明りをガラスが反射してしまい外が見えにくい(図1の状態)ため、明りを遮る(図2)ことで夜景を見えるようにするのだ。
明りを完全に遮るために、窓枠にはゴムパッキンをつけて密閉性を高めた。
ではこの装置を使って見ることができる美しい夜景の数々をどうぞ。すばらしい効能!
写真だとあれだが、めくるめくパノラマなのだ。
ふだんの何気ない電車が旅のようになった。
寝台列車や夜行バスからの景色が妙に記憶に残るのは、車内の明りが消えているからではないだろうか。車内が暗いので夜景がよく見える。夜に離陸する飛行機は客室内の明りを落すが、そのとき見た滑走路の光できゅんとしちゃったりしてないだろうか。僕はしている。
では使いかたです。
この通り、使い方はとても簡単。簡単ではあるが、やや人目を引く形状であるため、電車がすくまで往復していたら大船まで行ってしまったことを白状しておきたい。
箱はかさばるが折りたたみ式にしたために持ち運びも便利だ。粘着テープで組み立てもスピーディー。
冗談っぽく紹介してきたが、箱をかぶって外を見ていると本当に楽しいのだ。
雨に濡れた道路に街灯が反射している、線路沿いのマンションの一室から漏れるテレビの光、オレンジの照明の橋、どれも家の近所とは思えないぐらいわくわくする。
箱かぶってることなんて忘れるぐらい。
しつこく動画で(音は出ません)
この装置の制作時間は約30分、制作費は約500円だ。ほんのちょっとの工夫でこんなに楽しくなれるなんて驚きだ。
こんど皆さんもアマゾンの箱を捨てる前に試してみてください。
はい、ここで15年が経ちました。2021年の林が解説を書きます。
箱をかぶるのが好きですね、僕。
このあとも機会があれば箱をかぶっています。
デイリーポータルZとは僕が箱をかぶるサイトだったことがわかる15年前の記事でした。
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