マイナーな仏を探しに
ここ横須賀市にある鷹取山公園は磨崖仏好き(という分野があればだが)にはきっと有名な場所なんじゃないかと思う。あと岩つながりでいうとロッククライミングをやっている人たちにも人気のある場所だ。
かくいう僕も最近岩登りを始めた。そして仏像が好きだ。となるともうこの公園は僕のためにあるといってもいい。
この公園にはそのすじにはかなり有名な磨崖仏が一体あるのだが、これ以外にも「インディーズ」と呼ばれる磨崖仏が何体か存在しているのだという。
もちろんメインストリームの磨崖仏は後ほどたっぷりと紹介するとして、まずはマイナー磨崖仏の方から紹介していきたい。
紹介する、とかいいながら、実は僕はこの日、初めてマイナー磨崖仏を発見することができた。先週も探したのだが、見事なにも見つからずに日が沈んでしまったのだ。
そのくらいわかりにくい場所にこれらはある。もちろん公園の案内板とかには表示されていないのでおおっぴらに見せびらかしたいわけではないのだろう。この扱いもまた、そそる。
まったく情報がないので捜索初日は上の写真のようなかなりシャレにならない感じの山をひたすら登ったり降りたりした。それでも見つからなかった。
2日目は初日探さなかった範囲をしらみつぶしに探そうと決めて行った。そうしたらいとも簡単に、10分くらいで見つけてしまった。でもまあ、初日のあの登山があったからこその発見なのだと自分には言い聞かせている。
そんなマイナー系磨崖仏の数々、ご覧ください。
マイナー系は自由度高し
そこには不動明王(たぶん)、お釈迦様(おそらく)他、さまざまな磨崖仏たちが一カ所に密集して彫られていた。
この一帯にある磨崖仏たちは比較的新しい時期に製作されたもののようだ。しかしそれは正式な手順を踏んで作られたものではなく、いわばゲリラ的に、おそらく無許可で掘られたものだろう。だからおおっぴらに案内されていないし、探しても簡単には見つからないのだ。
しかしそれだけに見つけた時の感動もひとしおだ。僕がこの場所をやっと見つけ、写真を撮っていると、別のルートから草をかき分けてやってきた人が「やっと見つけたよー。」と半分泣きそうになっていた。
彫られたマイナー磨崖仏たちはどれもカラフルに色づけされていた。そのカラフルさが場の神秘性を一層盛り上げる。道無き道を進んだ末にこれに出会うと、それは遺跡なんじゃないかと本気で思うくらいだ。
僕は言いたい。もしかしたらこういう状況で言うのは間違っているかもしれないが、そこをあえて。
これは萌え、だ。ま、磨崖仏もえー(もえー、もえー、もえー←やまびこ)。
この場所へといたる道はここでは書かないでおきます。意地が悪いわけではなく、公園内をくまなく(本当にすみからすみまでくまなく)探してもらうと必ずいつか見つかるので、そのときの感動をぜひ味わってもらいたいのです。
どうだっただろうか、マイナー磨崖仏たち。え、地味だって?
そうか(返す言葉がない)。
それではそろそろ鷹取山磨崖仏のメインストリームを紹介していこう。まあこれだって東京タワーとかレインボーブリッジとかに比べたらドマイナーでしかもえらく地味なわけですが、磨崖仏としては、そう、磨崖仏としてはかなり派手な部類に入ると思うので。
鷹取山の磨崖仏、メインストリームは先の尾根に見えているあれだ。こんな遠くからも見えるあの巨大な磨崖仏。どうだ、派手だろう。
見に行こうじゃないか。

