階段を登るとき
階段を登るとき、みなさんはどうやって登っているだろうか。よく思い出してほしいのは、手の動きだ。歩くときと同じように、右足と同時に左手、左足と同時に右手を出しているのではないだろうか。ちょっとまって!その手、無駄じゃないですか?ブンブン振り回すだけでなんの役目も果たしていないように思える、その手。僕はもうちょっと有効活用しています。
手をただ振るのはやめて、身体の補助に向けてみてはどうだろうか。
階段を1段登る動作を、ステップに分けて考えてみよう。
(a)一段上に足を出す、(b)体重を上げた方の足に体重を移動、(c)反対の足を引き寄せる。階段を登る3つのステップのうち、一番体力を消耗するのは(b)だ。この体重の移動の際に、手を使うのだ。
やり方はこう。ヒザに両手を置いて、足を押し下げるようにする。すると、ヒザはそれ以上沈まないので、逆に身体が持ち上がる。この反作用の力を利用すれば、楽に段を上れる。体力の節約だ。
と力説してはみたものの、実はこれはあんまり楽じゃない。肩とヒザの距離が遠すぎて、腕を伸ばしてもあんまり踏ん張れないのだ。むしろ手をブンブン振って反動を付けた方が楽に上れる気がする。
しかし、だ。もう一つのエッセンスを加えることにより、この理論は生きる。次の写真を見てほしい。
ヒザを勢いよく上げて、手のひらでグッと押す。躍動感溢れるシーンが収められている(いるだろ!?)が、先ほどと何が違うのだろうか。答えは、これだ。
一段とばしで登れ
そうだ。階段は一段とばしで登るのだ。一段とばしは一見、体力を無駄に消費しそうだが、コーラと牛乳を混ぜると意外とおいしいように、一段飛ばしと腕による押し上げを併用することで、速く、かつ楽なのぼり方が完成するのだ!
(コーラと牛乳の例えは、意外な物の組み合わせがいい結果を生むという意味の他に、まあ明らかに万人受けではないよね、というあきらめのニュアンスも含んでいます)
ドアの開け方
みなさん、ドア、開けてますか?僕も毎日開けてます。
家のドア程度ならいいのだ.が、たまに妙に重いドアがある。以前住んでいた家の最寄りのコンビニはそんなドアで、買い物に行くたびに面倒に思っていたものだ。
しかし、ここで朗報。重いドアも楽に開ける方法があるのだ。
ドアが重い。そんなときのソリューションは「肩で開ける」だ。肩をドアに当て、ドア全体に体重を預けるようにして、全身でグッと押す。こうすれば重いドアも難なく開けられる。
誰でも思いつきそうな手ではある。問題は、マインドの部分だ。
読者のみなさんは、「肩でドア開けるのってちょっとかっこわるくない?」って今思っているだろう。たしかにヨロヨローっとやってきて、ドアにフラッともたれかかって、グイーっと身体で開ける。それではかっこわるい気がする。しかしこう考えてみてはどうだろう。
突入を意識する
肩でドアを開けるといえば、突入だ。
肩でドカンっとドアを突き破って、抜けると同時に「手を挙げろ!」。これを念頭に置くだけで、かなり気持ちが変わる。ドアの取手を持つ手に、拳銃を想像するのがポイントだ。(「手を挙げろ!」は実際に発音するのではなく、頭の中で言おう。)
ちなみに反対側からドアを通る時、つまり引く場合は、ドアの持ち手に手をかけて、後ろ向きに体重で引っ張る。この後ろ体重の姿、やはり拳銃を持っていると仮定するとなかなかかっこいい物があると思わないだろうか。
「別にかっこよくない」と喉元まで出かけている人へ。花壇のお花を踏まないでください。
体力節約クイズ
ここまで3つの体力節約術をご紹介してきたが、節約の考え方というか、精神みたいなものが伝わっただろうか。
引き続きバンバン紹介していきたいところだが、詰め込み教育にはなにかと弊害もあるようなので、少しここでお楽しみタイム。クイズの時間にしようと思う。次の行為は体力の節約として正しいかどうか。正しいと思ったら○、そうでなければ×でお答えください。
第1問 体力の節約として正しければ○、間違っていれば×をつけなさい
オフィスでワンフロア移動するのに、階段を使うと疲れるのでエレベーターを使った。
正解は×
体力節約の基本は「いかに○○をやらずに済ますか」ではなく、「いかに○○を楽にやるか」だ。階段を登らずに済まそうという発想は×。
エレベーターの濫用はエレベーターの混雑の原因にもなるし、なによりもエコじゃない。社会人であると同時に宇宙船地球号の乗組員である私たちは、ワンフロア程度の移動には階段を使いたい。
ちなみに急ぐときは、前ページで紹介した1段とばしをつかえば、ひとつ上の階まで19秒2で着く。(計った)
第2問 体力の節約として正しければ○、間違っていれば×をつけなさい
服を畳むのが面倒なので、脱ぎ散らかしておいた。
正解は×
体力の節約とは、めんどうくさがったり、だらしがなかったり、やる気がないことではない。
脱いだ服はきちんとたたむなり、ハンガーでかけるなりしておこう。
「やる気がないわけではない」というのは重要なポイントだ。体力の節約をフル活用した生活をしていると動きに覇気がなくなるため、大学生の時にバイト先の店長にやる気がない奴だと思われて冷たくされたりする。しかしそれは間違った認識であって、こちらはこれでもがんばっているつもりなのだ。
第3問 体力の節約として正しければ○、間違っていれば×をつけなさい
コーラの缶が開かないので、人に頼んで開けてもらった。
正解は×
人に物を頼むこと自体は悪いことではないが、今回のテーマとはちょっと違う。体力節約の主旨は「力を使わずに自分でやること」である。
正しい対処法は、両手を使って開ける、だ。指への負荷が分散して、楽に開けることができる。現実問題として「缶が固くて開かない」ことはあまりないと思うが、非力な人は片手でやると変な力が入って缶をひっくり返してしまったりするので、こうやって安全策をとるのがオレ流なのだ。

