名残はあった
地主家は転勤族なこともあって、旧北九州空港のことはすっかり忘れていたけれど、思い出があったので出かけてみた。思いがけない大きな名残もあった。曽根干潟の存在も忘れていたので、いつかカブトガニを探しに行きたい。生きた化石だからぜひ見たいのだ。
空港らしい名残は一直線の道くらいで、それ以外は見つけることができなかった。2006年に閉鎖されているのでもうないのかもしれない。2006年、随分と昔だ。PlayStation3が発売された年。今はもうPlayStation5になっている。
滑走路の先の海に出た。曽根干潟が見える。ズグロカモメやダイシャクシギなどが越冬にために飛来する場所だ。カブトガニもいるらしい。奥には間島も見える。小倉城の石垣の石はここから運ばれたものが使われている。
上記の写真は間島を撮ったものだ。その手間にはT字の赤い人工物があるのがわかると思う。これが旧北九州空港最大の名残だ。誘導灯が今も残っているのだ。陸地部分には大した名残はないのだけれど、海の部分に名残があるのだ。
旧北九州空港があった頃はこれが光り、飛行機を滑走路へと誘導した。それが今も海の上に真っ直ぐに等間隔に並び残っている。おそらくもう彼らが光を灯すことはない。ただそこにあるだけだ。
堤防には注意書きがあった。柱(誘導灯)は倒壊や落下の危険性があるので立ち入り禁止と。干潟だから水が引いたら誘導灯までは歩けてしまうのだ。間島までだって歩いて行くことができると聞いた。
安全を確保するために早期の撤去に向けて取り組んでいるとも書いてあった。今はあるけれど、いつかはなくなるのだ。もちろん安全のためにも撤去した方がいいと思うので、今しか見ることができない景色ということになる。
北九州で生まれ育った父だけれど、旧北九州空港にあまり思い入れはないようだ。むしろ今の北九州空港の方が好きらしい。その理由は北九州空港の開港日が3月16日で自分の誕生日と一緒だから。そういう偶然って興奮するのはわかる。
地主家は転勤族なこともあって、旧北九州空港のことはすっかり忘れていたけれど、思い出があったので出かけてみた。思いがけない大きな名残もあった。曽根干潟の存在も忘れていたので、いつかカブトガニを探しに行きたい。生きた化石だからぜひ見たいのだ。
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