こうやってバッグを引っ掛けてやろうと御考えになりました
きっかけは、連載させていただいていたフェリシモさんの「妄想商品化道場」のネタだった。面白いバッグハンガーを作ってたもれというお題である。
元は動物の御手手だったので御座います。
採用にはならなかったが、それから幾星霜。記事案に四苦八苦していた私はそのことを思い出し、担当石川氏に相談すると、いいですねーという返事と共にすかさず「お釈迦様が蜘蛛の糸を垂らしてるとか…」
実用性はこの際目をつぶらせていただこうと思います。
それだ!即採用だ、キミ。かわいいもんを作ってる場合ではなかった。もうこの形状からはその絵しか思いつかない。小説「蜘蛛の糸」で慈悲の糸を罪人カンダタに向けて下ろす、そのシーンである。糸にしてはぶっといが…
そうと決まれば早速ありがたい造形に取り掛からせていただこう。ところでバッグハンガーのなんたるかを、ざっとここで説明しておきたい。
今回購入したハンガー素体はこのタイプ(UVレジン手芸などに使うようだ)。
巻きついている腕を広げると…
ハンガー出現。こうやって使う。この手のツールも、コンパクトになったものだなぁ…
お気付きの方もいらっしゃるだろうが、蜘蛛の糸、にしては腕が太すぎる問題が出てきた。でももうとにかくこの上にお釈迦様を乗っけさせていただきたい、その絵が見たい、その一心で作り始めたのでございます。
土台は金色のがあったのでピッタリだ。そしてアルミホイルを芯にしてオーブン粘土を節約しながら造形スタート。
とにかく小さい。鎌倉への修学旅行で買った大仏の置き物くらい小さい。
まだまだ僧侶感ある。
決め手は螺髪だ。1つ1つ丸めて(1.5mmくらい)心を込めて植えるのでございます。
乗っていただく蓮台も、花びら1枚1枚、心を込め(以下略)
ハァ、ハァ、全然終わらん。ただでさえ人体作るの苦手なのに小さいお釈迦様を作るなんて、どんな業(ごう)だこりゃ。
緻密に丁寧にと思ってやってきたけれども、時間もないので粘土造形はここでいきなり終わらさせていただきます。
あとは色塗ればなんとかなるべ、の精神。
ちょうど、壊れた缶バッジから取った丸い板パーツが家にあったので、後光にしよう。罰当たりか、もったいない精神か。
仏像に色を塗るって、東南アジアみたいだ。
終わったらニスを塗って、接着剤で組んで完成である。
携帯性を割と無視した、「蜘蛛の糸バッグハンガー」が誕生でございます。
大写しだが5cmほどの大きさである。見えないが御手から糸が垂れていると思っていただきたい。
ふと下の様子を御覧になりました。
そしてハンガーのアームをするすると御広げになり…
地獄の底(カフェのテーブルの下の方)へ、まっすぐにそれを御下おろしなさいました。
バッグはそのアームをしっかりとつかみ、終生ずっと離しませんでした。
打ち合わせ中も、落ちることなくゆらゆらとゆれるばかりでございます。
やがて話が終わると、私はそのバッグハンガーをしまい、店をあとにしました。少々邪魔にも感じるバッグハンガーでございました。
ぶら下げたらこうなるのですから(これこそ罰当たりでは)。
まとめ
粘土造形に時間がかかり、お釈迦様作って終わりとなってしまったが、機会があればクモザルとかクモヒトデとかもモチーフにしてみたいかもしれない。
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いよいよ再来週末の6月30日(日)、私と同じく妄想的制作活動をしているあの「たいがー・りー」さんとの対バンイベントが阿佐ヶ谷ロフトで行われます。作るもん決まった感じでしたがまた先が見えなくなりました。片思い系工作、どうしよう!
妄想メイカーズ おつはたいがー
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