コロッケそば。
さっぱりした和食の代表である蕎麦にコロッケをのせるという、ほどよい暴力性が魅力の東京名物だ。
実際に食べてみると、これが意外なほどさっぱりしていて、相性がよいのである。
ふつうの出汁→油の旨味が溶け出す→くずすとカレー味が溶け出す、という3段階の味変も楽しめ、よく出来てるなと思う。
むしろ、かき揚げってジャンキーなんだなあと思わせられる。
では、コロッケラーメンはどうか。
まずは醤油ラーメンだ。
さて、味の方だが…コロッケは美味しい。
ラーメンの動物性の脂の旨味をコロッケが吸って、一口目はたしかに美味しい。
ただ、ラーメンの側にメリットがあるかというと…蕎麦と違い油の旨味はもう間に合っているのだ。
ジャンキーな肉じゃが味がスープに溶け込み、なんとも言えない旨味の混ざり合いがおきる。
食べ進めるたびに、それぞれ単体での美味しさが懐かしくなる。
子供の頃、ふざけて泥だらけになった後、だんだん冷静になり後悔し出すあの心持ちにすこし似ている。
元からこちらが本命である。
味噌ラーメンといえば北海道、北海道といえばじゃがいもだ。
味噌の包容力はすごいので、コロッケの旨味が悪目立ちすることなくプラスされている。
こちらはお店にあってもおかしくはないかも、というレベルの料理になってる気はする。ただ、ダルダルになった衣の油っぽさは相当空腹じゃないと美味しく感じないかもしれない。
あらためてコロッケそばを思う。
あのコロッケは衣が薄く中身も淡白な味付けなのだ。だから蕎麦にも合うのだろう。
1+1を2にするのって難しい。