おいしさを確かめに行く
めあてのふたつのお店は、じつは当サイト、デイリーポータルZでかつて取り上げたお店だ。
地元の方におすすめを聞いて街をめぐる企画「地元の人だよりの旅」の神戸編で、ライター小堺丸子さんがおとずれたのがトミーズ。
推しの食べ物を数名で持ち寄り、みんなで食べながらうまいうまいとうめく企画「推す飯」でライター乙幡啓子さんが教えてくれたのがワーフルハウスであった。
だからお店と商品自体についてはそちらの記事をご覧いただいたほうが早いかもしれない。
この記事でお伝えしたいのは「記事で見て行ってみたいなあと思った店に思い切って実際行くとむちゃくちゃ興奮すんな!?!?」ということだ。
リアルに足を運ぶ独特の興奮と達成感は、コロナ禍でしゅっとひっこみ蓋をされていた感情のように思う。
行ってみたい店に行く。そもそも超普通のことがいま新鮮にうれしい。
「だめ元」すらちょっとおもしろい
この話は昨年末のことで、新幹線にのり新神戸駅に着いたのは12/30のたしかもう14時を過ぎたころだったと思う。
まず向かったのはトミーズの三宮店。トミーズは地元で大変な信頼と人気を集めているフレンドリーな街のパン屋さんで、神戸市内に4店舗を展開している。
気どったお店ではないけれど、公式サイトには「舌の肥えた神戸の人達に育てられました」とありこれはとときめくものがある。
4店舗のうち三宮店に来たのは、やっぱり記事で紹介された店に行ってみたかったからだ。ミーハーを楽しむ旅だからそこは押さえておきたい。
ただ、心配な点もある。目当ては小堺さんも買った人気の「あん食」。記事には人気で朝から並んで買う方も多く、品切れのことも多いとあったのだ。
午後もずいぶん時間がまわり、購入は難しいかもしれない。でも、だめ元で行くのもそれはそれで旅の味わいのように感じて、電話で在庫確認などせずずんずんやってきた。
高架下の商店街は年末の買い物客か大変な人出だ。
迷いながらたどり着いてみると、トミーズの前はいよいよの人だかり。
お店は通路に面しており、行列を作れるような場所ではない。お客さん同士でなんとなく先に来た人、後に来た人を目視しあいゆずりあいながらカウンター越しに注文しているようだった。
見るとあん食はまた売られている! 年末需要に合わせてか、全体的に在庫が豊富な印象で、うわ、やった~。
大変なにぎわいだったため撮影ははばかられたけれど、駅の高架下のコンパクトな商店街の通路に面して、パンのケースがドーンと構えている独特の店構えも無事におがむことができた。
翌朝ホテルでパン切りナイフを借りもせずに手でちぎって食べたところ、ランダムに発生するあんこが口内に緩急つけて広がってうんまい。
もともと私はあんこが大好きなので採点があまくなるのはやむなしとして、パン自体の高級感にも感激せざるを得ない。
生地に生クリームを使っているということだけど、いわゆる高級食パンによくある味ともちょっと違う。甘くてむっちりしつつも小麦のストイックな味が残っている。
帰ってお店の方に聞いたとおりスライスして1枚ずつラップに包んで保管、したのだけど家の者どもが我先にと食べて冷凍しない場合の賞味期限である4日以内にたべきったのだった。
前述のとおり通販もあるし、あと東京の吉祥寺や目黒のアトレで購入できるとの情報もあって東京在住者として大いにあわてている。
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