越間さんは奄美のグルメにも精通しており、ツアーの際にはおすすめランチ情報も教えてくれる。
自然を堪能したいし地元の名店も発掘したい、そんな、オーディナリーピープルなあなたはDeep Amamiへ、とホテルニュー越谷みたいに言ってみる。
⬛︎取材協力:奄美大島ネイチャーガイド「Deep Amami」
https://deepamami.com/
ハブを探している私にとってのピーターラビットはやはりヘビだったりする。昼間なのでハブを見つけるのは厳しいだろうが何か見られないだろうか。
「今の時期は卵を(お腹に)持ったヒメハブがいますよ」
「ほら、ここの根っこの隙間をのぞいてみてください」
ハブの影に隠れているが立派な毒ヘビである。奄美大島には本州でおなじみの毒ヘビ「ニホンマムシ」はいないが、このヒメハブがマムシと呼ばれていたりする。
以前土産屋で店のおばあちゃんに「マムシ(ヒメハブ)は毒持ってないでしょ」と言われて「いや、ありますよ」と答えたら信じられないような表情をしていたが、教えたお礼にペナントをおまけしてくれた。
「カエルをよく食べるヘビで、さっきのアマミハナサキガエルやアマミイシカワガエルは好物なので、カエル達はヒメハブが登ってこれないところに身を隠しているんですね」
―― 天敵が出てくるとピーターラビット感にリアリティが足されますね......。
「この木は奄美と沖縄にとってとても重要な木ですね。イジュといいます」
「住宅用の建材として使われてきた木なんです」
―― へぇー、まっすぐだから使いやすいんですかね。
「そう、それと硬さがあって丈夫なのと、毒があるのでシロアリに強いんですね」
―― 毒!
「奄美や沖縄の昔ながらの家の柱や梁に使われています」
イジュを見上げるとそこからそんな風に伸びますかねといった違和感のある葉っぱが生えている。
「あれはイジュの葉っぱじゃないですね。シマオオタニワタリといって、他の木などに着生して育つシダ植物です」
―― 着生?寄生みたいなものですか?
「寄生は取り憑いた植物から養分を奪って育つけど、着生っていうのは樹皮に根を張って場所借りをしてるだけの植物ですね。大きい木に便乗して高いところで日光をたくさん浴びることができるわけです」
―― イジュが自然の中でも家になってるんですね。
なるほど、着生はいいなあ、ビバ着生。こんな感じででかい木に間借りする着生さんはシダだけではない。
「ナゴランは名前の由来になっている名護市をはじめ、いたるところで乱獲が問題になっています。奄美でもそうですね」
―― こんな樹皮にひっついてるやつをどう持ち帰るんですかね。
「樹皮ごと持ってかれたりしますね」
―― ウワー、そこまでやるか。
散策コースの折り返し地点にたたずんでいたのは樹齢200年超の目をみはる古木である。なんといっても根っこがすごい。
―― これは西表島でみたことがありますよ。サキシマスオウノキですね。
「よく間違えられるんですが違います。オキナワウラジロガシという日本最大のドングリで有名な木ですね。根っこが板のようにになった板根(ばんこん)が特徴です」
「イジュのように建材として使われています。沖縄の首里城にも使われていて、再建する際も梁に使われて話題になってましたね」
―― へぇー
「奄美ではほとんど伐採されてオキナワウラジロガシが群生しているところはかなり少なくなってしまったけど、本来森にはこういう木がたくさんないとおかしいわけです。このウラジロガシは板根がかなり大きくなって切るのが大変なので残されたのかもしれませんね」
―― たしかにこの板根は切り出しにくそうですね.....。
「板根は船の舵(かじ)などにも使われていたらしいですね」
―― 舵から首里城まで!
「シイやカシがドングリの実をつけて、その実を鳥やネズミ、カニなどいろんな生き物達が餌にして、奄美の自然が成り立っています。森を歩いて、そういった木を見るのが奄美を知る上ではすごく重要なことなんです」
―― いきなりハブ行っちゃってたか......。
越間さんは奄美のグルメにも精通しており、ツアーの際にはおすすめランチ情報も教えてくれる。
自然を堪能したいし地元の名店も発掘したい、そんな、オーディナリーピープルなあなたはDeep Amamiへ、とホテルニュー越谷みたいに言ってみる。
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