金歯を売る

店を決める

3店舗回った結果がこれだ。

正直、どこもあまり変わらない。実際に "歯の部分" を削ってこの14金なのか18金なのかが確定しないことにはわからない部分も多い。

こうなったらもう、「一番面白かった店」にお願いすることにしよう。

筆者：やっぱりこちらでお願いしたいです
店員：他も回ってきたの？
筆者：はい。○○屋と△△質店に
店員：△△質店行ってきたの？！いや、あそこ質屋だから
筆者：でも買取もやってました
店員：他のお店を回ってどうだった？
筆者：結局どこもいっしょでした
店員：そうでしょ

こういう会話で足元を見られることがあると思う。「どこもいっしょでした」は悪手だったかもしれない。しかし私はこういう駆け引き的な会話が恐ろしく苦手で、馬鹿正直に話してしまうのだ。人生トータルで明らかに損してる。

店員：じゃ、詳しく見るから壊してもいい？
筆者：はい、お願いします
店員：これ、ご家族の金歯？
筆者：いえ、私のです。先日インプラントになったので
店員：あら～。まだお若いのに
筆者：傷つくのでやめてください！笑
店員：ごめんなさいね

奥の作業場からコンコンコンとハンマーの音が聞こえる。金歯にくっついた "歯の部分" を取り除いているのだろう。

結局、時間がかかるとのことで近所のカフェで小一時間ほど時間をつぶした。店に戻ると先ほどの店員に加え、50代～60代の男性の店員もいた。

男性店員：これ自分の歯？
筆者：はい
男性店員：えぇ～？まだ若いのにねぇ
女性店員：それさっきも聞いて失礼になったから言わないの！
男性店員：そうか、ごめんねぇ。この辺に住んでるの？
筆者：いえ、この辺ではないんですが、この商店街にはいくつか買い取り屋さんがあるので来てみました

なんか絶妙にちょうどいい距離感で心地よい。金歯を売り買いするだけの関係なのに。

結局、最終的な査定額は当初と同じ2万円だった。

削って確認した結果、金歯の金は18金で、金の質量は2gだったとのこと。この2gという値が18金での質量なのか純金換算での質量なのか、肝心なところを聞きそびれた。私の測定では18金で3.4g。純金換算で2.6gだったので、どうか後者であってほしい。

どちらにせよ想定より低い値ではあるが、ぼったくられたとは思わない。なぜならどこも同じぐらいの査定額だったから。私の測定に誤差があったことを疑う方が自然だ。

まず、計算に用いたファイバーコアの密度が違ったんじゃないかという話がある。ファイバーコアはグラスファイバーという素材とプラスチックでできているらしいのだが、今回は調べて出てきたグラスファイバーの密度「2.5g/㎤」をそのまま採用した。この値があやしい。

もうひとつは、金歯の体積0.7gにおいて、有効数字が1桁しかなかった点だ。はかりの性能上仕方がないことだが、これがまあまあなブレをもたらす。

しかし事前に予想していたおかげで、もし査定額が3000円とかだったらあきらかに「おかしい！」と指摘出来たわけで、事前に自分で測定して予想してから買い取ってもらうのは悪くないと思う。

金歯を売って2万円をゲットした。この2万円でおいしい焼肉屋さんに行き、インプラントの入った奥歯でお肉を噛みたい。

歯を大切に

みなさんにお伝えしたい。金歯は2万円で売れたけど、実際にはその何十倍ものお金が治療にかかっている。正直、2万円が誤差に思えるレベルの金額だ。会社のボーナスが歯1本のためにまるまる消えるのは悲しくて仕方がない。どうかみなさん、歯を大切に。1本目を失ってから私は歯磨きだけでなくフロスやうがい薬も頑張っています。定期的に歯科検診にもいきます。それでも不安。ノーモア虫歯。

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