家でも楽しい
その後、調子に乗って家でも足湯を楽しんでいるが、これ、けっこういい。
リモートワークや、読書とも相性がいいように思う。簡単には動けなくなるから、作業に集中できるのだ。
ただし、どれだけ慎重になっているつもりでも、床は多少びちゃびちゃになります。
暑い夏の日、川の水に足をつけて涼んだりするのって最高ですよね。
冬はあれの逆で、あったかいお湯に足をつけることができたら最高だな〜と考えていました。
それで思ったんですが、川の水を沸かせば、足湯になりますね!
つい最近まで、足湯って、自分と全く関係ないものだと思っていた。観光地とか、大きめのサービスエリアに設置されていたりして、大人がボーッと腰掛けている世界。なにが楽しいんだ、とまで思っていた(すみません)。
ところが最近、考えが変わってきた。温泉地を旅行したとき、道すがらに点在する足湯を眺めていると、なんだかいいものに見えてきたのである。
特に、温泉街の足湯は楽しそうなのだ。景色を眺めながら、足だけをお湯につけてのんびりできるって最高じゃないか。冬の風がキリッと冷たいのも、良かったりするんでしょう。
自分としては革命である。
なにが楽しいのか、とまで思っていたものが、なんだかめっちゃいいものに見えてきたのだ。これが大人になったということなのか。足湯やりたい。やってみよう!
温泉旅行のあいだには足湯にチャレンジすることは叶わなかったけど、身近な場所で足湯を再現できたら、それ以上のことはない……というわけで、鴨川にやってきた。
夏場には、よく足を水につけて涼んだりする。足湯ができれば、冬の鴨川も楽しめることになって無敵なんじゃないか。
景色もいいし、水も手に入れやすい。足湯を楽しむためのステージとして、鴨川はこれ以上ないものに思えてきた。川の水も冷たいとはいえ、バケツで足が浸かる程度のお湯なら、ちょっとガスを使えば簡単に沸かせるだろう。
お湯は、だいたい4リットルもあればいいだろう。4リットルを加熱するのは大変だけど、鍋で熱湯をつくって、それを川の水で割れば(お風呂ふうにいうと、水でうめれば)40度のお湯になるのではないか。今回はそういう作戦です。
川の水を火にかけて、寒さをこらえつつ待つこと10分。鍋の水が沸騰した! さっそく適温の湯にしてしまいましょう。
よっしゃ40度! 理想的な風呂の温度だ。頭のなかではカノンが流れてきました(実家の風呂が沸いたときのお知らせ音ですね)。
ちょっと張り切りすぎて、熱湯を沸かす10分のあいだも裸足で過ごしていたので、体が冷えている。さっそくですが入湯させていただきます。
あったかい! 冬の川辺で、急に足があったかくなったので笑ってしまう。意外性の笑いなのかな……それか、これが有名な緊張と緩和ってやつなのかもしれない。少なくとも、縮こまっていた足は緩んできた。
冬場の風呂としては「ややぬるい」とも思える40度だけど、冷えた足が一気にほぐれて、かなり気持ちいい。やってよかった。そして足湯の良さが、いま完全にわかった。いいものですね。今まで悪く思っていてごめんなさい。
撮影を手伝ってくれている友人にもすすめたところ、みんな浸かった瞬間に笑い出している。そういうもんなのか!
この日、京都の気温は12度ほど。もちろん寒いんだけど、足が暖められている限り、冷たい風も心地よく感じる。やっぱりロケーションもいいし、これは立派な露天風呂である。
あとこれは余談だけど、メガネを外すと一気にお風呂の気分になる。同行者はみんな視力がよかったので同意は得られなかったが、目が悪い人たちはぜひ試してみてほしいテクニックだ。
しばらくはしゃいでいたのだけど、まあ沸かしたお湯をいれているだけなので、バケツの温度はどんどん下がってくる。
しかし、こちらにはガスがある。一部だけ沸かしなおせばいいだろ。追い焚きだ!
たぶん傍から見ていてもよくわからないと思うんだけど、足が湯に浸かっているだけで、ずいぶん優雅な気持ちになる。
平安時代とかにこういうアクティビティがあったとしたら、貴族のあいだで大流行していたのではないか。みやびな趣味だ。きっと百人一首にも詠まれたりしただろう。
その後、調子に乗って家でも足湯を楽しんでいるが、これ、けっこういい。
リモートワークや、読書とも相性がいいように思う。簡単には動けなくなるから、作業に集中できるのだ。
ただし、どれだけ慎重になっているつもりでも、床は多少びちゃびちゃになります。
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