特集 2023年8月23日

まだ間に合う夏の工作。かたむきスイッチでコントローラを作る

さっそく作ろう

さっそく作っていこう。用意するものはこちら。

このほか、パソコンも必要です。ジャンパワイヤチルトスイッチArduinoは秋葉原にある秋月電子というお店や通販で手に入ります。Arduinoジャンパ線はネット通販のスイッチサイエンスでも。

今回はArduinoというマイコンを使うのだが、その種類に気を付ける必要がある。

⚠️Arduinoの種類に注意⚠️
今回はArduinoに命令を書き込んでマウスとして使えるようにします。そのためにはArduinoにHID機能が備わっている必要があります。例えば以下の機種であればOKです。

・Arduino Uno R4
Arduino Leonardo
Arduino Micro
Pro Micro

Arduino Uno R3はNGなので注意してください。

私は今回Arduino Microを使う。

まずはパソコンにArduino IDEというソフトウェアをインストールしよう。ダウンロード完了後、ボタンをポチポチと押して行けばインストールできる。

こんな感じの画面が出たら成功。

つぎに、パソコン、Arduino、チルトスイッチをつなぐ。

Arduinoの2番ピンとGND(グラウンド)ピンにジャンパワイヤをさしてチルトスイッチとつなごう。電子工作パートはたったこれだけ。

それからArduino IDEに次のコードを入力しよう。内容はわからなくても、ひとまずコピー&ペーストすればだいじょうぶ。

#include <Mouse.h>

void setup()

  pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);   // 内蔵LEDを出力に設定
  pinMode(2,INPUT_PULLUP);          // 2番のピンを入力に設定
  Mouse.begin();                     // PCにマウスとして認識させる

void loop()
{
  if(digitalRead(2) == HIGH){            // スイッチがオフのとき
    digitalWrite(LED_BUILTIN,LOW);   // LEDをオフにする
    Mouse.release();                          // マウスを離す
  }
  else{                                             // スイッチがオンのとき
    digitalWrite(LED_BUILTIN,HIGH);  // LEDをオンにする
    Mouse.press();                            // マウスを押下する
    delay(100);                                // 0.1秒待つ
  }
}

コードが書けたら、「→」のボタンを押そう。

こんな感じ。

「→」ボタンを押すと、Arduino本体に命令が書き込まれる。

Arduinoの機種によっては赤い文字が出てびっくりするが、無視してもだいじょうぶ。
「Upload error」と出た場合は失敗。こういうときはだいたいパソコンとArduinoをつなぐ線が抜けている。線をつなぎ直してもう一度「→」のボタンを押そう。

実はもうこれで完成。

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テストしてみよう

ここまでできたら、うまく動作するかテストしてみよう。まずはチルトスイッチをかたむけてみよう。

かたむけるとLEDが光る。水平にもどすとLEDが消える。(光らない場合はジャンパワイヤが抜けているかピンが間違っている可能性が高いです。)

どうしてLEDが光ったのかと言うと、そういう命令をArduinoに書き込んでいるからだ。さっきのコードをよく見てみよう。

チルトスイッチがオンの時は「LEDをオンにする」「マウスを押下(おうか)する」という命令だ。

チルトスイッチをかたむけると、この「LEDをオンにする」という命令が実行されたので、LEDが光ったというわけだ。

ということは、同時にもうひとつの「マウスを押下する」という命令も実行されているはず。マウステスト用のWebサイトで試してみよう。

チルトスイッチのかたむきに応じてマウスがクリックされた。いいかんじ。コントローラはうまく作動するようだ。

つりざお型コントローラで遊ぶ

作ったコントローラを使うことで、すでにあるゲームをよりリアルな動きで遊ぶことができる。私が作ったゲーム「つるばんバスピス」で遊んでみよう。

013.jpg
このゲームではマウスを押しっぱなしにするとつりざおのルアーが上に移動する。マウスをはなすとルアーが下がる。

これを専用コントローラでプレイしたい。チルトスイッチをおもちゃのつりざおに固定する。

猫をじゃらす用のおもちゃのつりざおなのでルアーがふわふわしている。
実はその前に線を長いものに変えていました。これはAmazonで買ったケーブルです。これでつりざおをふり回せる。

つりざお型コントローラができた。遊んでみよう。

自分で作ったコントローラで操作している!

つりざおを上に引くとチルトスイッチがかたむきを検知し、マウスが押しっぱなしになる。するとゲームの中のルアーが上に移動する。 

レアな魚がつれた!

魚つりというよりザリガニつりみたいな動きだが、それでもマウスで操作するよりずっと楽しい。リアルな感じがいい。

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バット型コントローラで遊ぶ

つぎに、私が作ったもうひとつのゲーム「しろくまさんのホームランコンテスト」で遊んでみよう。マウスをクリックするとバットをふることができる。

どこかで遊んだことがある?そんなはずはないのだけれど……。

これもコントローラでプレイしよう。今度はチルトスイッチをバットにくくりつける。

これでもうバット型コントローラになった。

バットを構えているときはスイッチがオフだが、バットをふるとスイッチがオンになる。 

画面の中と外がシンクロしている! (ちなみにしろくまさんは通常右打者ですがキーボードの「L」を押すと左打者になります。)

ホームラン!

ほかにも遊べるゲームを探そう

ほかにも遊べるゲームはないだろうか。要はクリックのみで操作するゲームであればこのコントローラが使える。

例えば、クッキークリッカーというゲームはクッキーをクリック連打するのが主な操作だ。連打につかれたときは今回のコントローラを振り回せば楽に連打できる。

ほかにも遊べるゲームを探して、それ用にコントローラのデザインを工夫するのも面白そうだ。

⏩ 上級編:旗上げゲームを作ろう

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