ちょっと聞いてよ 2023年2月8日

石のように硬いバゲットはフレンチトーストにしてしまおう

一般にフランスパンと呼ばれるバゲット、パリジャン、バタールなどは、常温で放っておくとすぐに石化してしまう。最近、フレンチトーストにすればおいしく蘇生できることに気がついた。

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。花を売った金で酒を買っている。

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バゲットが、ゴッチゴチなのである。

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バゲットは冷凍保存せずにいると、みるみるうちに硬くなる。この写真の個体もそうだ。一見普通のパンだが、パン切り包丁で叩くとカン、カンと金属のような音がする。

「霧吹きで水をかけてラップをしてレンジにかける」とか「濡らしてアルミホイルに包んで温める」とか、バゲットをやわらかくする方法はいくつか知られているようだが、ここまでくるとちょっと水をかけたくらいでは戻らない。乾きの権化として君臨しているようなパンだ。

こんなとき、フレンチトーストにしてしまえばおいしく食べられることに気がついた。今回はそのレシピをご紹介したい。

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まずはパン切り包丁で2〜3cmの厚さにバゲットを切る。この工程についてアドバイスできることは何もない。

ただ、木こりのような気持ちでパンをこるのみである。あんたは旅の人かい、このあたりは最近ツキノワグマが出るから気をつけな、そんなことを考えながらなんとかパンを切り出す。もはやノコギリがほしい硬度だ。

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なんとか切り出せたら、下記の材料を混ぜた卵液に浸す。アパレイユというのかい、贅沢な名だね。

(バゲット1/2本ぶん)

・牛乳または豆乳……250cc

・卵……4個

・砂糖……大さじ山盛り1杯

ラップをかけて冷蔵庫に入れ、たまに裏返す。フォークがすんなり刺さる硬さになるまで待つ(だいたい30〜40分ほど)。

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フライパンにバターを溶かし、中弱火で両面に焼き目をつける。

最後にフタをして、ごく弱火で5分ほど蒸して火を通したら完成だ。
余ったアパレイユはこのフライパンで焼いてやわらかいスクランブルエッグ(筆者の家では「賢者のスクランブルエッグ」と呼んでいる)にし、貴重なタンパク源になってもらおう。

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甘くして食べるなら、おすすめはメープルシロップとシナモンパウダー。エアコンの風の下でシナモンパウダーを振ったら大変なことになったので、皆様におかれましてはくれぐれもご注意ください。
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石のように硬かったバゲットが、中までふっくらプルプルである。

フレンチトーストというと食パンで作るイメージが強いが、食感などの面でバゲットで作る方が好みだ。旨味が強く、パンを噛みしめる喜びを感じる。毎朝これがいい。

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このレシピだと、パンそのものはたいして甘くならないため、しょっぱい付け合わせにしてもおいしい。

筆者のお気に入りはスーパーの安い生ハムと、スライサーで雑に切ったハードチーズ、イタリアンパセリとたっぷりのオリーブオイル。塩と油と炭水化物、これがまずいはずがない。
サラダチキンやアボカド、バナナなどを添えるのもおすすめだ。

うっかり冷凍保存するのを忘れて、石化したパンを生み出してしまった際は、捨てずにフレンチトーストとして蘇生させてみてはいかがだろうか。

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