からみ最強!
からみ餅のからみを食べた時から、これは最強の調味料的なものになると感じていた。それから自宅でせっせと作っては食べてきたのだけれど、その直感は正しく、何にでも合う。そもそも大根とネギって最強だもんね。
からみ餅というものがある。いろいろな作り方があるが、お餅に大根おろしが乗っているものだ。お餅の食べ方の一つで、大人のお餅という感じではないだろうか。名前からもわかるように甘みというものは、基本的にはない。辛味なのだ。
このからみ餅の「からみ」が何にでも合うのではないかと思う。というか、合うのだ。からみは万能なのだ。その素晴らしさを世界の主食でご紹介したい。ご飯にだって、パンにだって「からみ」は合うのだ。
お米が日本に入ってきたのは縄文時代後期から弥生時代の初期だ。おそらくこの時に入ってきたお米は「うるち米」だったと思われる。ちなみにお餅は基本的には「もち米」で作る。では、お餅はいつから食べられているのだろうか。
お餅はもち米と共に古墳時代に日本にやってくる。つまり古墳時代から我々はお餅を食べ続けてきたわけだ。いろいろな食べ方が発見されただろう。きな粉餅、あんこ餅、磯部餅などは誰もが知るお餅の食べ方だと思う。
そんないろいろあるお餅の食べ方で、これを書いている私が愛してやまない食べ方が「からみ餅」。大根おろしによるしっとり感がお餅にフィットして、さっぱりなので、永遠に食べられる気がする。
からみ餅を私は自宅でも作る。美味しいからだ。そして、ふと思ったのだ。「からみは餅だけのものでいいのか?」と。その結果、世界の主食と言われるものに、からみ餅の「からみ」部分だけ合わせた。するとどうだろう、美味しいのだ。
からみ餅のからみにはいろいろなレシピがある。ただ大根おろしに醤油をかけたものもあれば、先のからみ餅のように海苔が入っているものなど様々。私もいろいろなパターンを作ったけれど、これから作るものに落ち着いた。
大根を豪快におろす。水分を含みすぎているので、キッチンペーパー的なもので、水分を取る。ちなみに大根おろしに使っている道具は、私が上京していっちゃん最初に買ったものだ。いの一番にこれを買ったのだ。大根おろしが好きなのだ。
私がたどり着いた至高の「からみ」がこれである。後からネギを、みたいなパターンの「からみ餅」もあるけれど、最初から全部混ぜてしまうのだ。鰹節により深みのある味になる。最高に美味しいのだ。
からみが完成して、からみ餅にすると間違いなく美味しかった。長い、長い、生まれたての小鹿が野山を駆け巡るほどの時間が経ったけれど、ここからが本題。世界の主食に「からみ」が合うことを紹介したい。
日本の主食「お米」。これは間違いない。そもそもお餅もざっくり言えば「お米」なわけだから、まずいはずがない。というか、実際美味しいのだ。お餅ではなく、白ごはんにからみを乗せて食べていた時期もあった。だって美味しいから。
我が家にはトースターがないので、トーストを作る際はフライパンを使っている。こんがりのトーストにしっとりの「からみ」を乗せる。パンは日本ではない地域では主食によくなっているので、ジャパンとパンのコラボである。
今回ご紹介するものは全て美味しい。よってトーストも美味しいのだ。香ばしさにからみがとてもよく合う。表面のカリッとした感じと、中のフワッとした感じが、からみに合うのだ。もはやからみは日本だけのものではないのである。
これもやっぱり美味しい。マーガリンとからみが合うのだ。からみはどんだけ懐が広いのか、と思う。大根をバターで焼く料理もあるので、やっぱり合うのだろう。鰹節と醤油とマーガリンだから、居酒屋にそんな料理がありそうだ。
マーガリンに合うわけだから、やっぱりチーズにもからみは合う。チーズの乳臭さとからみがいい音色を奏でるのだ。奇抜な美味しさではなく、安心した美味しさ。からみのコミュニケーション能力の高さにただただ驚く。
インドの主食はチャパティかライスなど様々らしいが、今回はナン。彼はカレー専門な気がしていたけれど、そんなことはない。からみにも合うのだ。からみのピリッとした辛味はカレーの辛味の代わりになるのかもしれない。「ナンてこった」、これが言いたかっただけで選んだのだが、美味しいのだ。
世界は広い。小麦粉を主食とするところが多いけれど、そうでないところもある。ということで、「芋」である。芋を主食とするところもあるのだ。じゃがいもをふかして、そこにからみを乗せる。
じゃがいもに塩辛というのも最高に美味しいのだけれど、じゃがいもにからみもやっぱり美味しい。具体的にどのように美味しいか、ということを記したいが、美味しいものは美味しいとしか言えない。なんで美味しんですかね、とにかく美味しいのです。
小麦粉を使ったパンが美味しかったわけなので、オートミールも美味しかった。出汁を入れた時点で日本的なアレンジが効いたわけだけど、からみに合うのだ。正直、からみがあるから食べられた、まである。素気なさすぎる味に一筋の光をからみが照らし出すのだ。
最後はパスタである。いろいろな国で主食になっている。私もアメリカやヨーロッパで自炊をする時は、安いという理由が一番だけど、毎日パスタを作っていた。パスタは懐が広いから、だいたい美味しくなるのだ。
つまり、からみをパスタに乗せても美味しいのだ。和風パスタがある時点でこれは勝ちしかない勝負。からみって最強なのではないだろうか。各国のほぼ全ての主食に合うのだ。からみは無敵なのだ。もはや合わないものを探す方が難しい。
あくまでも主食には合うだけで、スイーツには合わなかった。プリン以外は過去にやっていたので合うのは知っていたけれど、可能性を信じてプリンに手を出したら違った。あんなにコミュニケーション能力の高いからみがそれを発揮しない。プリンとからみの味がした。合わないものには合わない、ということも覚えて欲しい。
からみ餅のからみを食べた時から、これは最強の調味料的なものになると感じていた。それから自宅でせっせと作っては食べてきたのだけれど、その直感は正しく、何にでも合う。そもそも大根とネギって最強だもんね。
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