カクテルのようなシリアル
結論、サイテンバッハは無味だったし、他のシリアルと混ぜると甘さが調節できると言うことが分かった。ただ、味の方向性は合わせた方がいいので、ココア味か、チョコ味のものと混ぜると、違和感なくなじむと思う。
他の種類も試して、カクテルのように割り方を楽しもう!
しばらく私の朝食はシリアルのシリアル割りになりそう。もっといろんな割り方をためしてみたい!
「KALDIのシリアルは無味だ」と友人が言った。そんなことあるのだろうか。一応表記はココア味らしい。
友人曰く、その無味のシリアルと他の甘いシリアルを混ぜると甘さが調節出来るらしいのだ。
気になるので試してみた。
「KALDIのココア味のシリアル、無味なんだよね」そう友人がいったのは、このシリアル。
友人は一口食べて絶望したらしい。
375gの無を今後どうするんだ……。
でも最近、他のシリアルと混ぜると甘さが調節出来ることに気付いたそうだ。
シリアルのシリアル割りである。あんまり聞いたことがない。
本当に無味なのか、そして本当に甘さが調節出来る優れものなのか。
気になった私はKALDIに向かった。
ここで告白するが、実は私はシリアルを買ったことがない。
パフェのかさ増し要員ぐらいの認識である。私はパフェ以外では食べないので、
「朝ご飯にシリアルを食べてきた」
と友人が言ったときはかなり新鮮に感じた。でも、なんかオシャレな感じがするし、楽ちんそう。私も朝ごはんにシリアルを食べる生活がしたい!
まぜて味が調整できるというのはすごくおもしろい。シリアルはごはんとして食べるには甘すぎると思っていたので、これを試してベストな朝食を生み出したい。
そもそもシリアルを買ったことがないので、置いてある棚がわからなかった。
一通り店内を回ったが見つけられない。シリアルに対しての解像度が人より低いのだろうか。店員さんに聞くと入口を入ってすぐの棚に案内された。
生まれて初めて買うシリアルが、KALDIの「サイテンバッハ」なんて、ちょっとかっこいいのではないか。初めて買ったCDがビートルズぐらいかっこいいぞ。ちなみに初めて買ったCDは、紫SHIKIBUの「LOVEなんだよ」。エンタの神様に出てたのに、カラオケで歌っても何故か誰も知らない。
まずは牛乳を入れず、そのまま食べてみよう!
いや、微かにココア風味を感じるが、薄い。甘さはほぼ無く、むしろ後味がちょっと苦い。砂糖を入れないココアパウダーの味だ。食感はひなあられにすごく似ている。食感だけめでたい状態である。
見た目の影響だと思うが、ドッグフードっぽい匂いがする……。
でも、決して無味ではない。味の後ろ姿は見えているけど、こちらが追いつけないだけだ。きっと味と私をつなぐ架け橋が必要なのだろう。
牛乳を入れたら、牛乳本来の甘みと馴染んで、ココアの風味がきっとおいしく感じられるはずだ!
わずかにいたココア風味が、完全に牛乳に負けている。架け橋どころか、濁流のような勢いで味をもみ消している。
さっきよりもシリアル自身が持っている味を感じられなくなってしまった。牛乳の味しかしない。無の塊に、牛乳をかけただけの異様なメニューの完成である。
全然甘くないし、この食べ方で375g消費するのは確かに無理そうだ。友人が絶望する気持ちもわかる。
次は友人が言っていた、割りシリアルを試してみよう!
あまい!味がする!
シリアルってこんなにあまくていいのだろうか。
先ほど無味のシリアルを食べたせいで、味があるだけで謎の感動が生まれていた。
コーンフロスティの甘さの影に隠れて、サイテンバッハのココアの苦味があと口に残り、大人な雰囲気をかもしている。
これは、コーンフロスティが甘すぎるという人にはいいかもしれない!!
ただ、お互いがややケンカしあっている感もいなめない。味の方向性が違うのだ。バンドだったら解散しているだろう。
そして、スプーンですくうとき、少しでもサイテンバッハの量が多いと途端に「無」が襲ってくる。半々だと「無」が勝つ瞬間が多いので、コーンフロスティを多めにするといいかもしれない。
ちなみにこのオールブランは友人の私物。食べ比べをするんだと言ったら貸してくれたのだ。生まれて初めて人にシリアルを借りに行った。
この時点でもう甘い匂いがする!さっそく食べてみよう!
半々の比率だと、サイテンバッハの存在感が大きすぎる。無が入っているな……という感じだ。7:3ぐらいの比率でオールブランを入れた方がよさそう。チョコの甘さの中に、ブランの渋さが潜んでいる。そもそも割って甘みを調整する必要がないかもしれない。
でも、味の系統は似ている気がする……!
コーンフロスティのときは、無が襲ってきたけど、今回は無が静かに隣にいる感じだ。
オールブランの渋さと、サイテンバッハの無が同じ方向を向いている。
バンドなら、1年活動休止したら、また復活しそうぐらいには、方向性が同じである。
見た目はいい感じだが、味の方はどうだろうか。
ディズニーランド全体に漂っている甘い香り。あれだ!!
友人にも食べてもらったのだが、「確かにディズニー感ある」と言っていた。
ベースがメープル味だからだろうか。
これは初めて無に打ち勝っている!今までで一番サイテンバッハの存在を感じないのだ。しかも違和感がない。
シリアルがゴロっと塊になっているので、一口の味が強いし、一緒に入っているドライフルーツの酸っぱさもアクセントになっている。
バンド曲が全てミュージカルになったぐらいの強いインパクトがある。がらっとイメージが変わった。
ハーシーズのシリアルがあるなんて知らなかった!
他のシリアルには、「食物繊維たっぷり!」「三大栄養素がバランスよく取れる!」など健康アピールがパッケージに書いてあるが、これには潔く何も書いていない。でもなぜかロカボのマークはあった。
そして「ミルククリームが口の中でとろける」と書いてある。おいしそうだぞ……。
半々で割っているのに、全然甘い。甘すぎる。初めてサイテンバッハを足したいと思った瞬間だった。
中に入っているクリームが激甘なので、ハーシーズ一粒に対して、サイテンバッハ4粒ぐらい必要である。むしろサイテンバッハがなかったら甘すぎて食べられないかもしれない。このために開発されたのか……!?と思うほどの共依存っぷりである。
バンド内恋愛の末結婚した夫婦、とでも言うべきか。お互いのいいところを引き出しあっている感じだ。
試した4つの中で、一番マッチしていた。
結論、サイテンバッハは無味だったし、他のシリアルと混ぜると甘さが調節できると言うことが分かった。ただ、味の方向性は合わせた方がいいので、ココア味か、チョコ味のものと混ぜると、違和感なくなじむと思う。
他の種類も試して、カクテルのように割り方を楽しもう!
しばらく私の朝食はシリアルのシリアル割りになりそう。もっといろんな割り方をためしてみたい!
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