鳳凰って伝説の鳥がいますよね? あれを発音するときいつもこれで合ってるのかな? と不安になります。ほーおー。感心したときの「ほお〜」になってないか、「ほう!うぉう!」と若干ラッパー気味になってないか。となると魚の「ホウボウ」もいいづらく感じてきて……まだまだ日本語のおぼつかない五十代男性です。
それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう!
書き出し自由部門
この作品を読んで(自分の中で)夏がはじまりました。
あくまで体育館あっての体育館裏だからな。
ガンダーラ磯崎
体育館裏の最高峰は、武道館裏かもしれない。
水曜日午後2時半。テレビは知らない再放送で、母がワイシャツを延ばすアイロンの香りで二度寝した。
まおん
この時間を体験できるのって、夏休みだけだよね。
ラジオパーソナリティの嗚咽が止まらない。お題の「こんな誕生日はイヤだ」と言ってからずっとだ。
カズタカ
おそらくパーソナリティ自身の誕生日なんだろうな。マゾっけが過ぎる!
空に鯨の死骸。捻れて死んだ死骸。ふわふわと場所を定めて、合図で現れる。
正夢の3人目
夜のベンチに寝っ転がって、古墳のことばかり考えていた。
タカタカコッタ
蜘蛛の巣に月明かりが、その奥には親指ほどの月があった。
タカタカコッタ
言葉による情景のフレーミング(切り取り)力がすごい!
ちぎれたミサンガが泉の裏側にたどり着いて、女神が誕生した。
尻綿知り
チョココロネのような形の洞窟に優しい恐竜が住んでいた。
もんぜん
ある植物が果実を嘔吐している。その隣で、別の植物が果実を嘔吐している。
白石ポピー
たしかに植物にとって実りは吐くことかもしれない。ピッコロ大魔王が卵を吐くみたいに。
「早くうめよ」旦那に捨てられた私のお腹から、山百合の花が咲いた。
さくさく
駅からドリブルと壁パスで繋いできたこの石ころは必ず家へのゴールフィニッシュで終わらせてみせる。
セッドあとむ
雨上がりにピョンと飛び越えてもらえる水たまりになりたい。
タルク石
いつまで経験積んでんだ、さすがにそろそろ実績を積め。
七世
ノーミスの日なんて年に何度もない。
つづいては規定部門。今回のテーマは『まだ名前のない感情』でした。本当の共感は言葉にできないもどかしさにこそ、宿っているような気がします。
規定部門『まだ名前のない感情』
知らない駅で降りたが、知っている人に出くわした。
かつを
驚き?よろこび?がっかり?……名前のない感情には複数の感情が混ざっている。
一発で完璧に打てた釘の、打つ場所が違った。
suzukishika
感情の大喜利を求められているよう。
⏩ 規定部門『まだ名前のない感情』つづきます