特集 2025年1月20日

書き出し小説大賞 287回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。

書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)

雑誌、ネットを中心にいろいろやってます。
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。


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告知です!7年ぶりの書き出しイベントが今月24日に迫りました!場所は新宿ロフトプラスワン、登壇ゲストに林雄司さん、歌人・笹公人さん、レジェンドxissaさんをお迎えして開催します。チケット好評発売中!当日券&配信チケットもあります。誰でも参加できるアットホームなイベントです。ぜひとも!

チケットはこちらから!(配信&当日券もあります)
それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう!

書き出し自由部門

人生の踊り場でその人に会えた。
みよおぶ

文字通り、心が踊る書き出し。

世界が終わると知らされてから三日目、私はまだ朝食にジャムを塗ったパンを食べていた。
箭田儀一
私ならさっき家へ帰って行きましたよ。
おの
今日、初めて彼女と奇襲をした。
オメガ

一緒に奇襲しないと分からない性格ってあるよね。

臆病者にしか出せない勇気がある。
ギンペイ
灯りが消えたまま便座で暖を取る。
白石ポピー
いったん広告です
警官が生クリームを泡立てながら近づいてくる。
パチリパンダ

銃社会からの生クリーム社会!?

拾った貝殻の余韻。
とうちゃこ
腐らせた麦茶みんなは、どうしてる?
明るい離婚
ブルーシートの空が、ぐしゃりと縮小した。
フェノール藤宮
最初に音が聞こえて、そのあと、濃い霧のなかから鼓笛隊がゆっくり現れた。
もんぜん

これが50年前消えた鼓笛隊が当時のままで……だと面白いミステリになりそう。

この涙は、削られた睡眠と噛み殺された欠伸のため。
タルク石
授業中、突然叫んで教室を飛び出した彼女はきっとこれから世界を救う。騒がしい教室を一喝して先生は黒板を向いた。
七世
突風が、突風が、突風が、吹いた。わたしは瓢箪を手にした。
小鳥待て

ここからどんなアクションが展開されるのか、気になる!

土日に悲しい事があったのか、ビルダーは号泣しながら鶏ささみを食べていた。
prefab
真っ昼間に終わった恋。その午後。
正夢の3人目
磯丸水産二十七時。陰謀論者は加速した。
みよおぶ
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つづいては規定部門。今回のテーマは『好き』でした。年齢性別国籍問わず、きゅんきゅんしてください。

規定部門・モチーフ『好き』

フォークダンスの音楽は、とっくに止まっていた。
ぴすとる

いまでもあるのかなフォークダンス。余った男子同士のペアあるあるも。

一番好きが伝わる返信速度を探っている。
ぐるりん

⏩ 次ページに続きます

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