特集 2023年5月28日

書き出し小説大賞 261回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。

書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)

雑誌、ネットを中心にいろいろやってます。
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。


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書き出し小説の更新は隔週なんですが、あっという間ですね、二週間って。以前までは二週間って10日じゃない?と思うくらいの早さでしたが最近は8日くらいじゃね?と思うようになりました。このペースだと二週間の体感が一週間を切りそうです。

それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご招待しましょう!

書き出し自由部門

 

私は教科書に載れなかった。
もろみじょうゆ

引きのある一言目。つづきが聞きたい。

追い風が吹いた。膨らんだウインドブレーカーで足元が見えない。前を向くしかなかった。
おなかまる太郎
貴女を私の「青春」と定めました。付きまといますが、善意です。
正夢の3人目
朝起きてすぐ、いまが何年だったかを確認すると、私はちょっとした時間旅行者。
葱山紫蘇子
今日何度目かもわからないため息は、教室を抜けてグラウンドの掛け声に飲み込まれていく。
早百合
貪るような、ディープキス。目を開けると、君はいなかった。
いちもくれん
何かにつけて瀬戸内ぶる女だった。
いちもくれん

遠浅だと思いがち。

天井のプロペラが光を切り分けていく。
みよおぶ
新聞屋の前の自動販売機は安い。
井沢
いったん広告です
おれの名前は力作。小学五年生。
Y agio

名前と学年だけでなぜこんなにキャラが立つんだろう。

前歯を磨きながら、失恋ソングを唄う。
S.マウンテン
おひるねしてたら、ふたりになってたの。
正夢の3人目

誰がふたりになったのか想像すると面白い。

意見がぴたりと合う人でも、ミュートとブロックしたくなる場合はある。
prefab
坂道に転がったレモンを、その上から転がって来た父が拾い上げ、転がっていった。
タカタカコッタ

加速がついた(笑)

「これはキミの為なんだよ」はだいたい自分の為だし、夢グループの商品はほんとうに良いモノばかりです。
さくさく
ウソ考案代行業者の、狸山と申します。
もろみじょうゆ
?肉を両手で上にあげて鏡を睨む、何してんだ私。
ナックルボール
振り向いた猫は、そのまま鏡の中へ消えていった。
タカタカコッタ

⏩ 書き出し規定部門モチーフ『親切』

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