

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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基本キャッシュレスの世の中ですが、たまに現金を使わざるを得ないときもあって、そうすると逆に財布の中が小銭でパンパンになったりしませんか? そんな小銭で膨らんだ財布を見せながらひと言──ほら、見て、僕の中のモンスターがこんなに大きくなったよ!
それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご招待しましょう!
書き出し自由部門
屋上にいるのに水の底にいるみたい。本の表紙になりそうなビジュアル。
紅葉には美しさと寂しさと、激しさがある。
女性はこういう経験を積んで成熟していくんだな。勉強になりました。
なるほど。「いくら」と訊かれた時点で相手の策に嵌っていたのか。
ダンジョン?
我に返る一瞬の心理を描写。
続いては規定部門。今回のテーマは『椅子』でした。たくさん並べましたので、座り心地を比べて下さい。
書き出し規定部門・モチーフ『椅子』
誰の頭にも浮かぶ平和な光景。冬の光が合う。
定番のパロディだけど、椅子にすると海外の不条理文学みたいになる。
いざ椅子になったら怖いだろうな。一斉に尻が飛んでくるんだもの。
取りに来させた(笑)
座椅子はむしろ座布団が進化したものだと思う。
理由を知りたい気もするし、ここで終わって欲しい気もする。意表をつく良作!
奴隷面接の第一声。
それでは次回のモチーフを発表します。
『大作感』
次回は書き出しだけでいかに大作感を出すか、に挑んで頂きたい。いくつもの時代をまたぐ歴史モノ、全宇宙を舞台にしたSFモノ……そうした「つくり」の大きさじゃなくても、重厚なストーリーを想起させる書き出しは可能だと思います。
「この物語は~」と先に全容に触れたものとか「○○を見るといつも思い出す~」のような定番のテンプレををアレンジしたものでもオッケーです。全何巻にも及ぶ大長編を書き出しだけで表現してください!
締め切りは11月26日正午、発表は28日を予定しています。下記の投稿フォームから応募下さい。力作待ってます!
最終選考通過者
山鳥 大西ダイナマイトヒサト ぽんちき あのヒト KESHI 南極行太郎 轆轤輪転 野焼き メリーベル たくぼん モリダイ 気まぐれ猫 うにねこ 砂鋏 おなかまるたろう 吉田髑髏 高田 ナツヲ 穂波花月 八代黎理
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