
書き出し小説大賞187回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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目に見えない敵を相手に在宅を余儀なくされた私たちは、もうひとつの見えない敵と戦わなければならない。それは「退屈」である。では今回もめくるめくヒマつぶしの世界へご案内しましょう。
書き出し自由部門
サクランボが温かい!
すべては食材とそれ以外に分けられる。
実際は寝間着のおじいさんだけど。
状況のシリアスさと、見た目のコミカルさ。
マンガで読んでみたい。貧しく美しいファンタジー。
雑踏の中からふいに思いがけない言葉が飛び込んでくることがある。リアル。
まだキャラ設定もされていない三味線マンに、一気に感情移入してしまう。
続いては規定部門。今回のお題は「バカ」。こんな時期だからこそ、頭をからっぽにしてお楽しみ下さい。
規定部門「バカ」
逆も真なり。
スタンディングオベーション3日目突入。
財団?(笑)
三分以上潜れる者だけが入会できるMENSA的なグループ
普段は座敷牢に。
バカとして一切無駄のない流れ。
なにひとつ合ってない。怖い。つづきを聞きたい(笑)
脳内BGMはmihimaru GTの『気分上々↑↑』
最近の溜まった鬱憤を吹き飛ばす、束の間のバカを楽しませて頂きました。
前半を埋めた五月雨式のバカチェックをはじめどれも面白かったのですが、とくにインターネットウミウシ氏の「サソリみたいな馬の~」と昼行灯氏の「わたし、夏子~」が白眉。バカをどう捉えるか、というより、書き手自身がバカになる手法で書かれた作品。こうした作品は一線を越えると「分からない」や「シュール」で片づけられがちだが、僕個人としてはこの境界線上にこそスリリングな笑いあると思う。「分からない」をどう面白がるか、それは書き手よりむしろ読み手のセンスが問われる問題かもしれない。
それでは次回のモチーフを発表する。
『楽園』
いま現在の見通しでは、目に見えない敵との戦いはまだ長引きそうである。こんなときこそいっとき現実を逃れ、脳内楽園に身を委ねてみたい。不安も心配もなにもない世界。その描写と暮らしぶりを妄想してください。締め切りは4月10日正午、発表は4月12日を予定しています。下記の投稿フォームから部門を選んで送って下さい。力作&脱力作待ってま~す!
最終選考通過者
うなたま 嘘みたいな犬 いずも カントーン はらげん にら将軍ハルナ 月嫁 ともきよ かわいい寝顔 あひる たこフェリー ビールおかわり prefab
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