主婦だってビンゴしたい
最近、子どもがよく幼稚園でビンゴをやってくる。
話を聞いてみると、一般的なビンゴのように数字や専用の道具を使うのではなく、身のまわりにあるものを探して先生が作ってくれたオリジナルビンゴのマスを埋めていく遊びのようだ。
そのビンゴがあるだけで、子どもにとっては日常の景色が探検の舞台に変わるらしく、いつもキラキラした目で報告してくれる。
そんなに楽しいなら、わたしもぜひやってみたい。
ビンゴがあれば、大人だってきっと世界の見え方が変わるに違いない。
幼稚園で使われるビンゴの題材は、色やかたち、葉っぱや小鳥のさえずりなど自然のものが多かった。では、これを主婦に置き換えたらどうだろう。パッと思い浮かんだのは、買い物リストをビンゴにするという案だ。
スーパーに行くとあっさりコンプリートできてしまうので、無人販売をめぐり野菜を集め、ビンゴを目指す『無人販売ビンゴ』を作ることにした。
ビンゴがあるだけで、いつもの買い物が一味も二味も違うものに変わりそうな予感がする。
これを持って、早速冒険の旅に出かけよう。
キャッシュレス生活の落とし穴
幸いうちの近所は畑やビニールハウスだらけで、無人販売があちこちに点在している。
しかし、無人販売で売られている野菜は神出鬼没。以前売られていた野菜がもう売られていなかったり、はたまた売り切れてしまっていたり、ほしいものが手に入る保証はどこにもない。
またビンゴのマスもランダムに配置しているため、一列に並んだ野菜を狙い撃ちすることも至難の業。
自分で作って自分で買い物に出かけているだけだが、この時点でもう楽しい。
記念すべき1ヶ所目は、中身がオールトマトのトマト無人販売機。大小さまざまなトマトで埋め尽くされている。
おいしそうなトマトを安く手に入れられただけでも十分うれしかったが、さらにビンゴでは1発目で角に穴をあけることができた。2つのうれしいできごとが同時に重なり、喜びもひとしお。
この勢いのまま、2ヶ所目の無人販売を目指そう。
次に訪れたのは『野菜バス』。
一般的な無人販売とは見た目が違うが、販売場所がバスの中というだけで野菜の無人販売であることには変わりない。
「これは来て大正解~」と浮かれながら財布を開いたら、なんと小銭が250円しかなかった。目の前にこれだけの野菜があるのに…!
無人販売をめぐる時は、小銭をじゃらじゃら用意していくべきだと今さら気づく。キャッシュレス生活の落とし穴だ。
チャンスは準備不足の時にやってくる。目の前にミュウがいるのに、モンスターボールしか持ち合わせがなくゲットできないような感覚に陥った。
仕方がないので、ほかではあまり出会えなそうな枝豆と今夜のおかずにほしかったきゅうりを買って終了。
順調にはいかない
小銭を用意し、再度無人販売を探しながら車を走らせていたら、予想以上に多くの無人販売を見つけられた。
が、万事順調にとはいかなかった。
昼頃になると売り切れの野菜も増えてくるし、今日はここまでかとあきらめて帰ろうとしたところ、この日最後の1軒で待望のあの野菜が!
野菜ビンゴ2日目突入
1日では決着がつかず、野菜ビンゴは2日目へ持ち越し。今日も無人販売をめぐる旅に出発だ。
残念ながらすでに昨日ゲット済みの野菜しか販売していなかったため、ここでは未購入。
ビンゴに新たな穴はあかなかったが、あるかな?どうかな?ないかな?とドキドキしながら近づく瞬間に独特の緊張感があり、それなりにこの旅をエンジョイしていると実感する。
去年夏、車で大通りを走っていた時『とうもろこし販売中』ののぼり旗を偶然見たことをハッと思い出し、記憶を頼りに車を走らせた。
しかし、こちらもお目当てのとうもろこしは売り切れ。とうもろこしはどこかとキョロキョロしていたら奥から生産者であろうおじさんが出てきて教えてくれた。
チェックポイントで人に会うとより冒険感が増し、わくわくする。RPGの主人公になった気分だ。
ここまで2ヶ所不発に終わってしまったが、三度目の正直で求めていたような無人販売についに出会う。
2日目にして徐々にマスはあいてきたが、ビンゴはもちろんリーチにすらならない。
ビンゴ大会でありがちな“そこじゃない感”が、次の日へのモチベーションをぐっと高めた。


