もみじ饅頭も押さえておかねば
フェリーでまた本土に戻ったところで、先ほどの3人組に薦められたもみじ饅頭屋、「おきな堂」へ。
なんでも、他のもみじ饅頭は広島駅など他の場所でも買えるものも多いが、おきな堂のそれは宮島口でしか買えないのだそうだ。
50年以上続く老舗だけあって、店内には来店された芸能人たちの写真がたくさん飾られていた。
広島には星の数ほどのもみじ饅頭屋がある。揚げたり生だったりバリエーションもたくさん。食べ比べても楽しいだろうな。
広島駅周辺編
さて一行(筆者一人である)は宮島を後にし、JR山陽本線に揺られ街へ出る。なんとなく広島駅のひとつ手前、
という、地元の人からすれば「なんでそのルート?」と思うような道程を経てにぎやかな都市部へ出てきた。
本通り地下街のシャレオ(おしゃれだからシャレオだ)には様々な店が立ち並び、多くの人が集まる。ここで情報収集をしようと思ったのだ。
ちなみに、広島のこのあたりの人は特にこの本通り周辺の栄えているエリアを指して「市内」と呼ぶらしい。広島市内全域ではなく、これだけ局地のみを指してあえて市内と呼ぶの、おもしろいな。
北向「地元の人におすすめの場所を聞いてまして…」
男性「おすすめかー、まずは宮島かなぁ」
北向「あっ、さっきまで宮島にいたんですよ!」
やっぱりみんな口を揃えて宮島を推してくれる。いいところだもんな。宮島以外か、それじゃぁ…とお二人で様々好きな場所を教えてくれた。
1. 大久野島…「うさぎの島」と呼ばれる瀬戸内の無人島。毒ガス工場があったが、今はうさぎが多く生息し、観光で賑わっている。
2.尾道…ジェラート専門店の「ドルチェ」がおいしい。自転車でしまなみ街道を走るのもよい。
3.ヒロシマネイバーブリューイング…本通りのクラフトビール製造場所。絶対今度行く。
4.焼肉 三甲…ボクサー竹原慎二さんの実家が営む焼肉屋。
女性「”コウネ”って知ってます?」
北向「コウネ…?」
男性「牛の肩辺りの部位で、薄くスライスされてるやつで」
北向「へえ!」
女性「”たちまち コウネ”(広島弁で「とりあえずコウネ」の意)って…笑」
北向「えー食べてみたいです」
女性「テレビで焼肉三甲が紹介されてて、コウネは置いてあるみたいですよ。あと豚耳と」
北向「豚耳ですか」
男性「テレビで”広島県民はみんな豚耳を食べる”みたいに紹介されてて、そこまででもないけど笑」
5.福島町の焼肉…焼肉屋が多い地域。
6.とみや…すき焼きがおいしい。
7.炭火焼肉 敏…ホルモンがおいしい。
思いがけず肉情報がたくさん集まった。コウネ気になるなー!
みんな得体の知れない人間にも親切でやさしい。「6月から広島にいるが、どこにも行けていない…」と伝えると哀れんで広島のいろんな良いところを教えてくれる。
おりづるタワーで折り鶴を折り、落とす
さあシャレオでたくさん情報が集まった。まずは「少し入場料が高いけど…」と前置きがありながら紹介された、おりづるタワーに登ろう。
他にも体験型の設備が様々あり、この地に起きた惨禍を次の世代に伝えていくぞ、という気概を感じる。
良かったのが、最上階の展望台だ。
宮島で千畳閣を歩いたときも思った。筆者は開放感というものがとても好きだ。みんなそうか。
左側の橋の先にあるクリーム色の建物が、朝方訪れて宮島を薦めてもらった観光案内所だ。一周して戻ってきたな。
スタッフさん「(コロナ禍の影響で)おりづるタワーも10月からやっと毎日営業できるようになったんですよ」
広島の「10月」のアクセントだ、と話を聞きながら思った。この地では「10月」の「じゅ」に高さのピークがくる。「トーマス」「こおろぎ」と同じだ。
なんでも、原爆投下当日は院長が出張診療をされており被害を免れたそうで、倒壊した建物と同じ場所に改めて病院を建てたのだとのこと。どういう想いでいたのだろうな。