ユーチューブにジガルタンダのレシピが掲載されていた
帰国後、ジガルタンダに必ず入っていた溶けないシャーベットの正体が気になったのでネット検索をする。するとフェイマスジカルタンダの創業者であるSheik Meeranさんの息子が、ユーチューブでレシピを紹介していた。
現地の言葉なのでまったく理解できなかったが、ユーチューブの設定をいじったら、英語の字幕が自動翻訳で日本語になってくれた。最近のテクノロジーはすごいな。
ジガルタンダの意味は、ヒンディー語で『Jigar』が心、『Thanda』が冷やす。涼しさをもたらすドリンクということのようだ。ジガルタンダというタイトルのインド映画があるようでちょっと気になる。
字幕を自動翻訳で日本語にできてびっくりした
この動画から、私に理解できた範囲でレシピをまとめてみた。間違っていたらごめんなさい。
①:牛乳75%と水牛25%のミルクを薪の火で半分弱になるまで12時間以上煮詰めて、薄茶色になった濃縮ミルクのバシンディと、浮いた膜のマライを作る。
②:①のバシンディを取り分けて、砂糖とバニラエッセンスを加えてアイスクリームを作る。
③:アーモンドの木の樹液を固めたバダムピシン(アーモンドガム)を水でふやかす。
④:マハリ(リンドウ目キョウチクトウ科デカレピス属の植物)かナンナリ(『インドのサルサパリラ』とも呼ばれるリンドウ目キョウチクトウ科ヘミデスムス属の植物で、サルサパリラはサルトリイバラ科シオデ属の植物でルートビアや台湾の黒松沙士に入っているスっとするやつ)の根と砂糖を水からじっくり煮て、サルバト(赤いシロップ)を作る。
⑤:カップに①のバシンディを注ぎ、③のバダムピシン、②のアイスクリーム、①のマライ、④のサルバトを加えて完成。
専門用語を整理すると、『バシンディ=煮詰めたミルク』、『マライ=ミルクの膜』、『バダムピシン=溶けないシャーベット』、『アイスクリーム=バシンディで作ったアイス』、『サルバド=赤いシロップ』。ここまで理解できれば、ジガルタンダの正体が見えてくるというものだ。
あの溶けないシャーベットの正体は、アーモンドの木の樹液だったのか。もし私にもジガルタンダが作れそうなら、ぜひチャレンジしてみようかなと張り切っていたのだが、手間暇がとてつもなく掛かるし、そもそもバダムピシンもマハリの根も手に入らなそう。
あの味が再現できれば、数年前のタピオカミルクティーくらい流行ると思うのだが。
バダムピシンをお土産でいただいた
どうしても日本でジガルタンダを作ってみたい。サルバドは無くても一応成り立つとして(手に入る似た植物の根で再現してもいいのだが、キョウチクトウ科は有毒種が多いので怖すぎるし、なくても味はほぼ変わらない気がする)、一番の肝はバダムピシンだ。あれが入らないとジガルタンダは名乗れない。
もしかしたらという期待を込めて、新大久保や八潮などのインド濃度が濃い場所を探してみたが、さすがにバダムピシンは置いていなかった。あれってジガルタンダ以外にも使い道があるのだろうか。
似たような見た目のゴンドという結晶は売っていたが、これはアーモンドとは違う木の樹液で、粘度を増やすためなどに使うようだ。
もうジガルタンダ作りは諦めるかと思った矢先、たまたま私と入れ違いで南インドを訪れていた知り合いが、お土産にバダムピシンを買ってきてくれた。超絶ありがたい。
バダムピシンはゴンドよりもだいぶ大きくて、透明感のある結晶だった。これを水でふやかせば、あの謎の溶けないシャーベットになるはず。
バダムピシンを水を入れてしばらく待ってみたところ、グイグイと大量の水を吸って、ジガルタンダに入っていたザラザラになってくれた。
すごいぞ、アーモンドの木の樹液。これでジガルタンダが作れる。

