特集 2025年10月23日

自分の写真をスマホの待ち受けにして過ごしてみる

先日、とある観光ツアーに参加した。

バスの中は世界各国からの観光客で賑わっており、他校との合同遠足(世界規模)みたいでワクワクした。

私の斜め前には中国から来たと思われるマダムが座っていたのだが、ふとした時にマダムのスマホの待ち受け画面が見えた。そこには、マダム自身がニッコリ微笑む姿が写っていた。時計表示とともに。

「自分の写真をスマホの待ち受けにする」そんなこと、今まで思いついたこともなかった。

やってみたらどんな気持ちになるんだろう。やるしかない。

会社員。色んな仕事をして色んな街に住んで今に至る。粘土で形を作るのが得意。うどんよりもトンカツが好き。

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皆さんのスマホの待ち受けはなんですか?

私のスマホの待ち受けは、好きなアーティストの展示に行った時に撮影した写真だ。

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イラストレーター・タワタリナツキさんの作品。可愛いでしょう

このように、自分の好きなものや好きな人、気に入った景色などを待ち受けにしている人がほとんどだと思う。

そんな常識を覆す、中国マダムの待ち受けとの出会い。自分自身を待ち受けにするという行為に、とても「ボジティブなバイブス」を感じた。

でも、もしかしたら世界的に見ても珍しいケースなのかもしれない。少なくとも日本では一度も見たことがない。

ということで、まずは世界中に散らばるフレンズ達に聞き込み調査だ!みんな、オンラインで集合〜〜〜!!

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皆さんのスマホの待ち受けはなんですか?ワールドワイド版

さっそく、中国・天津と日本の2拠点で暮らす友人Mちゃんに聞いてみる。
中国では自分をスマホの待ち受けにしてる人ってどれくらいいる?
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【Mちゃん】いるよ!おばさまと30代半ばくらいの女性で、見たことある。でもそこまで多くはなくて、40人中1人くらいかな?

【文園】やっぱりいるのか!ちなみにどんな写真だった?

【Mちゃん】とにかく加工された写真!自撮りじゃなくて他撮りで、加工すごすぎて「本当に本人?」って感じの写真だったよ。

【文園】わはは、イメージできる!きっと「この私、盛れてるわ〜」っていうお気に入りの写真なんだね。

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続いて、タイのバンコクで映像関係の仕事をしている友人Bちゃん(私の手によって無断でぬいにされたけど許してくれた懐の深さを持つ)にも聞き込み調査。
タイではどうだい?

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【Bちゃん】さっそく私のバンコクオフィスの同僚達にも聞いてみた。

【文園】頼もしすぎる

【Bちゃん】そしたら、同僚2名のお母さんがまさに自分の写真を待ち受けにしてるって言ってたよ。タイではわりと多くて、珍しくないみたい。

【文園】なんと!けっこうな割合だ。やっぱり女性が多いの?

【Bちゃん】40代以上の女性に多いらしい!若い子でも、盛れてる自分の写真はスマホの待ち受けにすることもあるって。

【文園】すごいな。若い子でもやるのか。

【Bちゃん】自分の写真を待ち受けにしている理由を直接本人に聞いたら、「スマホを失くした時にすぐに自分のものだということがわかるから」って言ってた。

【文園】セキュリティとしての実用性もあるんかい

【Bちゃん】ちなみに、タイの年配の女性の待ち受けは「自分 or 花 or 占い」のどれかです。

【文園】わはは!容易に想像がつきます。

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さらにBちゃんは、イギリスに留学中の共通の友人、M氏にも聞き込みをしてくれていた。有能すぎ。

M氏いわく、「イギリスでは自分の写真を待ち受けにしてる人は見たことない。恋人か家族の写真が多いよ」とのこと。

そういえば最近、ドイツ人の友人カップルと日本で会った時に待ち受けを見たら、二人ともお互いの写真を設定してたな。ヨーロッパは全体的にそんな感じかも?

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さらにさらに、コロンビアから友達家族が来日中だったので同じ質問をしてみた。
コロンビアでは、自分の写真を待ち受けにすることは男女問わず珍しくなく、Instagramにアップするような「絶景の前にいるイケてる自分」みたいな写真が多いとのことだった。
ヤバい!想像するだけで照れる!謎の冷や汗をかく。

つい「『自分の写真を待ち受けにするなんて、恥ずかしい♡』みたいに思わないの?」と聞いてみたところ、キョトンとされた。変なこと聞いてすみません。

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世界に散らばるフレンズのみなさま、ご協力ありがとうございました。

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いざ、自分の写真を待ち受け画像に設定してみる

それではさっそく、自分の写真を待ち受けにしてみようか。
……と、自分ごとになった途端に、猛烈な恥ずかしさが襲う。
まだ設定していないのに、以下のような懸念によって尻込みをしてしまった。

懸念①
他人から見たらめっちゃナルシストだと思われないか!?

懸念②
自分の写真なんてそんなに見たいものじゃないのに、しょっちゅう表示される待ち受け画面にするなんて嫌すぎないか!?

懸念③
ていうか待ち受けにしたい自分の写真なんて、無くない!?

……落ち着いて、バスの中で見たマダムのことを思い出そう。
私はあの時、マダムからポジティブなバイブスだけを感じたのだ。「ああ、この人のお気に入りの写真は自分なんだ。それってなんだかいいなあ」という気持ちだ。

「もしかしたら、周囲からこう思われるかもしれない」なんて懸念とは無縁のバイブス。懸念懸念でがんじがらめになって何もできないのは良くない。そんなんだから日本のGDPは伸び悩む一方なのだ。よし、やるぞ!!

⏩ 次ページに続きます

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