デジタルリマスター 2024年7月18日

一斗缶で缶ぽっくり(デジタルリマスター)

子供のころ、業務用の缶詰で缶ぽっくりを作っている同級生がいた。

僕はすごくうらやましかった。あれより大きな缶ぽっくりを作りたい。中村より大きいやつを。あ、名前を出してしまったが、ことあるたびに思い出していた。中村の缶ぽっくり。

やり残したことに折り合いをつけるため、初夏の土曜日、代々木公園に向かいました。

2004年6月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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僕が考えた海ごはん山ごはん

6月26日、代々木公園は思い思いの休日を過ごす人たちがたくさんいた。楽器の練習、絵を描く、ベンチで昼寝、フリスビーであそぶカップル。

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代々木公園

思い思いの振れ幅のいちばん端に「缶ぽっくり」がある。

まずは缶についた汚れを洗う。この一斗缶は南青山の和食屋さん「京菜」でもらってきた。

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店主 金澤さんはローカーボダイエットで7キロやせた。

気温は30度を超えているので水が気持ちいい。一斗缶に太陽が反射して水がきらきら光る。

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水がきもちいい。

いま僕、「海ごはん山ごはん」みたいじゃないだろうか。さわやかな男女が外でごはんを食べる番組だ。撮影係として同行してもらった住さんにそういうと、

「いや、どちらかというとホームレスです。」

ああ。たしかに、ホームレスの人が同じ缶でたき火をしているのを見かけるな…。缶切りでふたを開けながら話をする。

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昨日も3時まで飲んでいた。

「でも、これは僕の25年来の夢ですから」
「四半世紀越しの」
「今日のことも25年後に思い出すんですかね」
「………。」

58歳の僕はどんな思いで一斗缶ぽっくりを思い出すだろう。意外に缶ぽっくりに乗っていたりするのだろうか。

ふたが取れた。我慢しきれずに缶の上に乗ってみる。

「おお!」(林)
「おー」(住)

缶は約30センチなので2メートルの視点だ。がぜんやる気が出てきた。

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「おお!」
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「おー」
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いろんな知恵を総動員して

ひもを通す穴を開ける。

「これでいいかな。あれ、通らない」
「なんか知恵が試されている気がしますね」

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缶の横に穴を開けて…

缶ジュースを買うように訓練されてるチンパンジーってこんな気分なんだろうか。ウキ?ウキキ?

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あれ、ひもが通らない

穴をドライバーやペンチで広げてロープを通す。このロープは住さん提供の「船も結べるロープ」だ。ロープを適当な長さで結ぶ。結び方は住さんが知っていた「船も結べる結び方」である。

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「船だって結べます」

まだ片方だけだけど、乗ってみる。ひもを引っ張ってみる。

こ、こ、これは…、おもしろい。おもしろいぞ!

ひもを引っ張ると自動的に足があがる感覚、力まかせの浮遊感。

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「お、おもしろい!」

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