誰なんだルイ15世
藤原:
さて今月、編集部で一番気になったと噂されているこの記事です。異常に情熱のこもった内容でした。
なんで気になっちゃったんでしょうか、ルイ15世。
伊藤:
いつもこの時期ハブですもんね。
藤原:
そうなんです、伊藤さんには事前にハブかルイ15世かという企画案を頂いていて、まさかルイ15世の方になるとは思いませんでした。
伊藤:
まあ、こんな状況でハブ取材がこっぱ微塵になったけどハブはやりたい!という事で過去撮り溜めてしかも触れていないテーマでハブやろうかとも思ったんですが...。
藤原:
ルイ15世になりましたね、結果的に。
伊藤:
ぼくの心の動きはほんとに記事の前半で書いたまんまなんです。もうほぼ100%撮って出しぐらいの感じ。
藤原:
なるほど、情熱がこもっていて読んだ結果まさかこんなにルイ15世に詳しくなれるなんてという感動はありました。
伊藤:
で、ハブはまたできるけど、これは今しかできないなーという気持ちが大きくなって...。
まあ、書いてみると今でなくてもできたな感はあるんですが。
藤原:
今しかないですよ! きっかけが本当にない
伊藤:
いうても深刻な話題ではあるので茶化してるようにみられないかなーと不安でそれでも迷っていたんです。
藤原:
たしかにスタートが政治の話といえばそうですね。
伊藤:
ただ、めっちゃ本買ってルイ15世にのめりこんでいった時に「これ、おれぜんぜん茶化してなくない?ほんと向き合ってるじゃんルイ15世に」
藤原:
で、書かねば!となったんですね。情熱がすごかったのは筆致から伝わりました。
じじいと呼ばれる晩節
藤原:
まずベルサイユのばらの市民の声を偉人の格言みたく画像にしてるのがよかったです。
伊藤:
あれは昔の記憶以上にインパクト強かったですねー。こんなん言われてたんだと。
藤原:
ひどい言われようでしたね。
伊藤:
まあ中学生の初読の時はルイ15世なんてほぼ気にしてなかったという事なんでしょうが。
藤原:
色気じじいにすけべじじいですからね。
伊藤:
水木しげるだってそんなストレートな妖怪描かない。
藤原:
仮にも王だぞという感じします。
伊藤:
そう、で、そんな感じなんだと他の通史見てみたらイケメンで最愛王ときましたからね。
イケメンの晩節はこわいなと。
藤原:
すけべじじいと罵られる晩節は嫌ですね…。
伊藤:
なにじじいならいいかな。
物知りじじいかな。
藤原:
いいじじい。
伊藤:
ざっくりだ。
藤原:
いいじじいだなと言われ、いいじじいだったなと思われたいです。
伊藤:
そこまでいいのになんでじじい呼ばわりされるんだその人生。
藤原:
所作がじじいなんでしょうね、たぶん。
伊藤:
あーじじいとしか言いようがないんだ。
藤原:
概念上のじじいをトレースしたようなじじいです。
伊藤:
声がかん高かったり。
藤原:
くしゃみがでかかったり。
伊藤:
酒をのどごしで飲んで「うぃー」。
藤原:
ステテコとランニングで。
藤原:
すけべじじい呼ばわりは残念ですが、晩節以外はうらやましいですね。
> ここまでの半生でどの王になりたいですかと言われたら迷わずルイ15世を選ぶ、万歳。
これはぼくもそう思いました。来世はルイ15世になりたい
伊藤:
でしょ!藤原さんはわかってくれると思ってました。
藤原:
先代の威光を受け継ぎつつ、ツケは子孫に…
伊藤:
ツケがやばいですからねフランス王ともなると、革命ですよ。
藤原:
革命はしんどいですよ、次の王にまかせたい
ビフォアルイ、アフタールイ
伊藤:
ちなみにルイ15世の最後の愛人デュバリー夫人はフランス革命の時にギロチンにかけられてるんです。
藤原:
怖い話みたいですね、その「ちなみに」は。
伊藤:
ルイ15世逝去が1774年でフランス革命が1789年、15年しかたってないんですよねよく考えたら
藤原:
ルイ15世をきっかけにフランス史も詳しくなってますね
伊藤:
ほんとですね、ルイ15世が軸になってきますね。生まれた年が1710年なんでおぼえやすいんですよ。
藤原:
生年まで把握してる!
伊藤:
ビフォアルイ15、アフタールイ15みたいになってますぼくのフランス史は。
マリーアントワネットはルイ15世45年。
つまり1755年に生まれました。
藤原:
暦がルイ15世だ。家にあった参考書開いてみたんですが、1行しかかいてなかったですよ、ルイ15世。「ルイ14世のひ孫」って。
伊藤:
そこがゼロです。
時代的には日本だと吉宗とかそのへんですかね。
藤原:
大政奉還まで100年はある。
伊藤:
生まれた年でみると家宣とか家継か。やっぱりだいぶ地味ですね。
藤原:
地味世代だ。
愛の井戸、「ピュイ・ダムール」
藤原:
それで、情熱がお菓子作りにたどり着いたのでした。
伊藤:
なんか現代に残してないのかルイ15世はと思ったんですよね。
藤原:
つながりほしいですよね。なにか確かめたい。
伊藤:
実はまず見つけたのはピュイ・ダムールではなくてコーヒーだったんです。
藤原:
コーヒーはなんだったんですか?
伊藤:
UCCが「ルイ15世が愛した幻のコーヒー」っていうのを出していて。
まあルイだけじゃなく王侯貴族とか知識人の間で飲まれていたらしいのですが。
藤原:
ブルボンポワントゥ、いかにもブルボン王朝感のある名前…。
伊藤:
それが12960円!
藤原:
高い!
伊藤:
だけど超人気商品ですぐ品切れになるらしいのと販売時期でなかったのであきらめざるをえなかったんです。
藤原:
それでピュイ・ダムールに行き着いたんですね。
伊藤:
で、さらに調べると記事にあったピュイ・ダムールが。
しかも愛人のポンパドールに捧げた愛の井戸とあって、これは穏やかじゃないなと。
藤原:
こんこんと湧き出る愛の井戸。穏やかじゃない。
伊藤:
都内の有名なパティスリーで食べられるらしくて、緊急事態解除のタイミングで店の前までいったんですけど、まあコロナ的なあれとやはり自分みたいなのが入りづらいなーとすごすご引き返して。
藤原:
それで自作したと。すごくいい感じに出来てましたね!
伊藤:
そう、ジャムまであるらしいのでもう作ってしまうかと。
ただ初めてでびびって薄力粉とかグラニュー糖とかkgで買って今大量に在庫してます。
記事の後にまたピュイ・ダムール作ったのにまだ減らない。
藤原:
お菓子作りの扉が開いた…!
伊藤:
唯一作れるお菓子がピュイ・ダムール。
藤原:
それはプロフィールに入れたほうがいいですよ。
伊藤:
レシピも最初結構専門的なのみちゃってフイタージュを敷き詰めてドリュールをフランポワーズしたら三半規管をキャラリーゼしてねキャラメライザーでみたいなので死にたくなったんですがなんとか初心者でもいけそうなのを見つけました。
藤原:
かんたんなの見つかってよかったです。カスタードクリームにブレストファイヤーで。
伊藤:
ほんとですよ。今までこんなに自分で撮った写真使わない記事初めてだったんでここはぜひ作りたいなと。
パブリックドメイン祭り。
藤原:
たしかにパブリックドメイン祭りでした。こんな記事はなかなかないですよね。
伊藤:
だから後半はそういう不安からも解放されているんです、やほほ。
藤原:
新しい記事の書き方の道が開けたなと思いました。
伊藤:
針のような点を掘り下げてゼロに戻ってくるような記事はまた書きたいですね。
藤原:
今回みたいなちょうどいい題材があらわれることを祈って…。
伊藤:
ですね、そうとう瞬間的に盛り上がるテンションが必要だなーとも思います。
藤原:
記事にも、わっと勢いがありました。
ルイ15世は現代とリンクしていた
伊藤:
最後でさらっと触れてますが、晩年のルイ15世が国民の支持を失っていった要因のひとつとして「高等法院」という王権から独立した司法機関ともめごとを起こして強権を発動したっていうのがあるんですね。なんか冒頭の話とリンクするなーと思いました。
藤原:
おお…、実はつながっていた…!
伊藤:
いつか飲み会とかで話のネタにでもするかと思ってたらインタビューになってしまった笑
藤原:
この場で知れてよかったです、まさかそんな繋がりようがあるとは。
伊藤:
おんち貴族でごまかしました。
伊藤:
ちなみにピュイ・ダムールのジャムは最初注文したサイトで音沙汰なくて締め切りやばくなって焦って他のサイトでもう1個買ったんですよ。そっちがギリで来たのでなんとか作れたのですが。
藤原:
おわ、そうだったんですか
伊藤:
なんと最初に買ったほうのが今だに来てません。
藤原:
いつ来るんだ…!
伊藤:
メールしても音沙汰なし、やられたかなー
藤原:
ピュイ・ダムール詐欺ですかね
伊藤:
なんかパリにあるお店?の日本用サイトみたいで問い合わせフローがよくわかんないんですよね
藤原:
どこかで遭難してるかもしれないです
伊藤:
愛の井戸だからしょうがないか