取材、成立
タンクが落とし蓋構造だというのは知っていた。これが噂に聞く、その落とし蓋か。
詳しくはこのタンク、「浮屋根タンク(フローティングルーフ)」といい、文字通り蓋となる部分が原油の上に浮いている構造だ。他にも、屋根が側壁に固定されている「固定屋根タンク」というものもあるので、全てのタンクが落とし蓋構造というわけではない。
原油やナフサは揮発性が高く、他の油種と比較して引火しやすい。よって一般的には、空気に触れない浮屋根タンクを採用しているという。
さあ目がくらむ前に、ここで注目すべきはこの、蓋の上へと続く階段である。
原油がタンク内に満タンのときは、蓋が一番上まで来ているので、この階段はおのずとゆるい勾配になる。原油が使われてだんだんと蓋が下がっていくと、それに従って階段も下りていき、角度が急になるのだ。
だだだだだが、ここここのときはそそそそこに着目する余裕はああああまりなく、思い切り腰を引けた写真を撮られるがままであった。
なんとか下へと降りて(危険につき写真はナシ!)、次ページでとうとう、ありえない場所に1歩を印す。月面に降り立つ人類のように。