次は日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」が6/6に
古賀
次の路線図変更の見所タイミングって何かあるんでしょうか。
井上
次は「虎ノ門ヒルズ駅」ですね。日比谷線に新しい駅ができるんですよ。今年6月6日に開業です。
古賀
おおっ。
井上
神谷町と霞ヶ関のあいだにできます。ここも狭い……!
古賀
これは熱いですな!
月に1度の総集編ウィーク。先月人気だったライター二人へのインタビューと、人気記事のランキングをお送りします。
この記事では、井上マサキさんにインタビュー。
鉄道路線図のファンとして、高輪ゲートウェイ駅開業の日に「高輪ゲートウェイ」が路線図にどうおさまったかを見届けレポートしてくれました。
インタビュアーは編集部・古賀です。
古賀
高輪ゲートウェイ駅、なんだかんだで開業から半月たちましたね……。
井上
あっという間ですね。すっかり世間の関心も薄れていますが……。
古賀
駅名に関しては様々な思いがみなさんあると思うのでうかつには言えないことなんですが、驚くほど一瞬で慣れたなという気がしちゃってます。
古賀
高輪ゲートウェイ駅が「ある」そして「そのような名前だ」ということについて、0.5秒くらいで慣れてしまった……。
井上
「そういう駅」という感じに。
古賀
そうそう!そうなんです!
路線図ファンとして鉄道に感心をよせる井上さん的にはどうですか。
井上
ホント単純に、路線図の「図」としての興味なんですけど、あの長さの名前でも、路線図やサインに違和感なくすっと組み込まれると、「そこにある」って感じになるんだなと思いました。居場所ができるというか。
古賀
ああ~~! そうだ! そうなんですよね! 破綻がないのを目の当たりにして。まさに「そういう駅」というのを、井上さんのレポートで見せてもらったんですな。
井上
ありがとうございます! 開業当日に行きましたもんね。もうどうなってるんだろうと思って。
古賀
井上さん、駅名の発表当日の2018年の12月に「ええっ? 大丈夫なの?」っていう記事をnoteに書いてた(「『高輪ゲートウェイ駅』を路線図にどうやって入れるか」)んですよね。で、開業当日に「あ! 大丈夫だった!」っていうのを見届けた。
編集部では「井上さんが職務をまっとうした」と話していました。
井上
1年以上宿題を抱えている自覚がありました。これはちゃんと見届けないとダメだろうと。
古賀
「うっかり開業日を忘れたらどうしよう……」みたいな1年でしたね。覚えていてよかった!
井上
開業が2020年3月14日決まったときにGoogleカレンダーに入れてましたからね。「高輪ゲートウェイ駅開業」と。自分が開けるみたいになってました。
古賀
開業させる人目線のスケジュール。
井上
テープカットでもするのかな? と。
古賀
完全に自分ごとですね。ファンならではの心境です。
井上
誤算だったのは、2019年10月の消費税増税の影響があったことなんですよ。
JR東日本の運賃が値上がりして、運賃表がそのタイミングで更新されたんです。記事にも書いたんですが、「高輪ゲートウェイ」が入りそうなスペースを空けてリニューアルされてて。
井上
「あ!開業前にもう入れる準備はじまってる!」って
古賀
途中でちょっと答えのチラ見せが入ったんですね。やっぱりそこは一気に変わったのが見たかったなみたいな気持ちですか??
井上
うーん、一気にババーン!ってのも見たかったですが、「段取り」を追って見ることができたのはそれはそれでよかったなと。何度も運賃表を書き換えるわけにいかないから、最初に隙間を空けておいて……とか。
古賀
路線図の機微ですね。
井上
そうですね。徐々に浸透させていくぞ~みたいなのも感じました。
井上
記事には載せてなかった写真もあったんですけど、これ、開業日に山手線の車内に貼ってあった「路線ネットワーク」なんです。この日まで「高輪ゲートウェイ」の部分はシールで隠されていたんですよ。
井上
満を持して「オープン!」ってしたら、ちょっとシールの跡がついちゃってるっていう。
古賀
ああっ!本当だ。細かいところを見ているな~~!
井上
これも昨年10月に変わったので、半年間シール貼りっぱなしだったんです。
古賀
なるほど、ずっとくっついてたから!
井上
そうそう!
古賀
風情~~。
井上
子供がカラーボックスに貼ったシールが剥がせないのと同じ!
古賀
車内だけど事情が家とおなじだ。観察しているとそういうところが見えちゃうの、たまらないですね。
井上
追っていた甲斐がありました。
古賀
シールのはがし残しに甲斐を感じるの、もう完全にわびさびの世界ですね。
井上
これに「跡が残っているから拭き取ろう」とかまた人の手が入ったりするとたまんないですね。気にするんだ!って。
古賀
井上さんってわりとこう、路線図の後ろにいつも「人」を見ていますよね。
井上
あぁ確かにそうですね!
古賀
デザイナーさんの苦労については記事でも触れてましたが、シールをはがす人、はがし残しを気にする人を見ているんですよね。
井上
路線図そのものが「これはお客さんにどう見えるだろう」と考えて作られてるものなので、裏に人を見るコミュニケーションが気になるのかもしれません。
古賀
そうか! 無機的なのに対話があるのが熱いみたいな感じですか?
井上
そうですね。「ここにこういう意図があったのか~!」みたいな。
古賀
こまごま改定が入るから「路線図は生き物だ」って書いてましたもんね。むしろ有機なんですね
井上
無機であり有機であるという。
古賀
いまさらですが路線図のたまらなさが分かってきた気がします……
古賀
ところでところで、「東京近郊路線図」各路線に黒い縁取りがつきましたね!
井上
つきましたつきました。
井上
カラーユニバーサルデザインですね。色の区別がつきにくい方が、路線が交わる部分でもそれぞれを認識できるように、黒い縁取りがついてるんです。よーく見ると細かい網目模様も入っていたりします。
古賀
あっ、ほんとうだ。すごい。
井上
メインの東京近郊路線図にカラーユニバーサルデザインを入れるのって、結構大きな出来事で震えました。
古賀
そんなに大変なことだったんですか。
井上
ただでさえ路線数が多いのでフルリニューアルになるのと、JR東日本が路線図をバリアフリー対応することで業界にも影響があるだろうというのと、両方ですね。
古賀
あの黒い縁どりが大変な大ごとだったとは……。
何も知らないものだから、イエローサブマリンみたいなデザインになったな~~くらいしか思ってませんでした……!
古賀
デザインの考えられた変更も、路線図好きの眼鏡をかけると見えることですね。
井上
さりげなく変わってるのがまたいいんですよね……。英語版も変わっていたりして。
井上
「気づいてあげないと」という気持ちになっちゃいます。
古賀
おーいおまえら! カラーユニバーサルデザイン入れた路線図作っといたから! 全員刮目~~! とかでかい声で駅で叫ばないですもんね……鉄道会社は……。淡々と良くしていってるんですよね。
井上
「やっときましたんで」と。
古賀
「スッ」
井上
惚れるところですね。
古賀
応援上映したいくらいです
井上
路線図応援上映! 路線図ナイトでやりましょう。
古賀
高輪ゲートウェイのビフォアとアフターを応援!
井上
「神田はもっと上に行って~!」
古賀
「大﨑詰めて~~! でも存在感はそのままで!」
井上
「泉岳寺はそのまま! いいよ~!」
古賀
「新橋、こらえどころ!」
井上
これはやりましょう(2回目)
古賀
やるっきゃねえですね。
井上
「日本の路線図」も出たので、ぜひやりたいんですよ。なんですけどこのご時世なので……。
古賀
そうだ! ご本が! 大好評ですね!
落ち着いたらやるべきお楽しみTODOが増えました……。
井上
これはやりましょう(3回目)
古賀
では最後にご本のお知らせを……よかったらどうぞ!
井上
三才ブックスから『日本の路線図』発売中です!デイリーの西村さん、宮田珠己さんの共著で、全国149社の路線図の「図鑑」になってます。
井上
一家に一冊……!なにとぞお願いします……!
古賀
各地に行かずとも路線図が見られる、ありがたい本です!
古賀
次の路線図変更の見所タイミングって何かあるんでしょうか。
井上
次は「虎ノ門ヒルズ駅」ですね。日比谷線に新しい駅ができるんですよ。今年6月6日に開業です。
古賀
おおっ。
井上
神谷町と霞ヶ関のあいだにできます。ここも狭い……!
古賀
これは熱いですな!
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