インディーズ土産がおもしろい
お土産にはちょっとしたおもしろ情報が添えられると渡したときにぐっと価値が増すと思う。そういう点で、今回とりあげた5つのインディーズ土産たちは、どれも個性的で、人にあげてももらっても、どちらもうれしいだろうなと思う。
1位になった因幡の白うさぎにはメジャーデビューの道が開かれた。それは素直にうれしいことだけど、今回とりあげなかった他のインディーズ土産にも、とにかく地元愛と魅力が充満しているので、ぜひチャンスをミツケテ体感してほしいものです。
次は宮城県から、個性的な逸品が登場。
ーーもなかの中にメレンゲクッキーという意外性が話題ですが、開発秘話などあれば教えてください。
当店は明治19年創業なんですが、昭和30年ごろの古い店舗写真を見ると「はまぐり最中本舗 コヤマ菓子店」と書いてありました。
当時から、はまぐり最中が名物菓子だったみたいです。(コヤマ菓子店小山さん)
ところが、当時、最中はあまり売れていませんでした。最中の皮はたくさん在庫があるので、焼菓子にアレンジして「はまぐりもなかくっきー」として販売してみました。すると、たちまち新しい食感で美味しいと人気商品になりました。
震災を受け、テナントを借り商売を再開する時に、はまぐりもなかくっきーを“当店のマスコットキャラのうみねこ”のパッケージにしました。パッケージも可愛いと、ジャケ買いする人も増えました。
2011年の震災の後、おかげさまで2019年11月に店舗再建できました。地域の皆様、お客様、全国の応援してくれる皆様、本当にたくさんの方にお世話になりました。残りの人生かけてご恩返しすることを誓いました。
まだまだ言いたいことはたくさんあるんですが、めちゃめちゃ長いので時間のあるときにでもこちらを読んでいたければと思います。
まさに地元への愛の深さが産んだ逸品である。
最後に、岐阜県から変わり種をひとつ。
下剋上鮎はTwitterでほかのエントリー土産に毎日かみつく、という戦略を実施。これはものをむかずに食べている僕にとって、かなり共感できるプロモーションだった。
ーー下剋上鮎のコンセプトと推しポイントを教えてください。
推しポイントは鵜の表情です。鮎に下剋上され、喰らいつかれている鵜ですが、「あれ、もしかして食べられてる?」というようなすっとぼけた表情をしています。一つずつ手作りなので同じ表情の鵜はいなく、微妙に個体差があるのもポイントです。
箱の中には鮎がなぜ鵜に喰らいついているのか、下剋上鮎が産まれた秘密が記されたストーリーシートが入っています。このような取り組みは和菓子業界としては珍しく、SNSでこのシートをアップしてくださるユーザーさんも多いです。
下剋上鮎はコンセプトの面白さに加え、味も個性的だった。クッキーでもサブレでもない、いままで食べたことがないお菓子である。
お土産にはちょっとしたおもしろ情報が添えられると渡したときにぐっと価値が増すと思う。そういう点で、今回とりあげた5つのインディーズ土産たちは、どれも個性的で、人にあげてももらっても、どちらもうれしいだろうなと思う。
1位になった因幡の白うさぎにはメジャーデビューの道が開かれた。それは素直にうれしいことだけど、今回とりあげなかった他のインディーズ土産にも、とにかく地元愛と魅力が充満しているので、ぜひチャンスをミツケテ体感してほしいものです。
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