世界には甘いお菓子がある
トルコに旅行に行ったことがある。
トルコではよく、スポンジケーキをそのままどっぷりシロップに浸したようなお菓子が売っていた。そりゃもう甘いというよりクソ甘くて、僕の生涯での最甘を確信したものだ。
しかし、世界は広いし、人生は長かった。それを超える、「世界一甘い」お菓子がインドにあるという。そして「激甘」を冠したこの企画で、僕はそのお菓子を食べずにはいられないわけだ。
都内でそのお菓子が食べられるインド料理店を探し、食べさせてもらいました。
見た目からすでに甘い
前置きはこのくらいにして、まずはそのお菓子を見てもらいましょう。こちらです。
名前は「グラブジャムン」という。
写真を一目見て、すべてを理解してもらえたのではないだろうか。
一言で言うと、「ドーナツのシロップ漬け」だ。
シロップの濃厚さが、そのままドーナツの光沢となって見た目にあらわれている。「世界」を前にして、少したじろいだ。
何をしても甘い
当たり前のことを言っていいだろうか。
「甘い!」
シロップごとすくったドーナツを舌の上に乗せた瞬間から、口いっぱいに広がる甘み。そしてひと噛みするとシロップが染み出し、口いっぱい広がる甘み。さらにじっくり味わってみると、もちろん口いっぱいに広がる甘み。
とにかく何をしても口いっぱいに甘いのだ。どのくらいかというと今まで気づかなかった虫歯が見つかるくらい。
料理はちょいヌルくらいの温度にあっためられていて、それがまた相乗効果で、あまったるーいんですよ。
最初はとにかく「甘い」の一言に尽きるのだが、少し慣れてくると、ドーナツの生地がミルク味なことや、ちょっと変わった食感にも気づく。
限界まで吸ったシロップがあまりにジューシーで、最初にかじった時の食感は、ドーナツなのにフルーツみたい。そのあとにくる、ドーナツ生地の感触は、これまたシロップの効果で「キュッ、キュッ」としてる。
作り方はシンプル。牛乳を使った生地を丸くボール状にして、弱火で揚げる。そしてシロップで煮込むと、完成。完成したグラブジャムンはシロップに浸したまま保管するので、中までシロップがしみこみ、こんなに甘ーいことになる。
主に北インドで食べられている料理で、生地がミルク味なのも北インドのお菓子の特徴だそう。
この甘さについて店員さんにきいてみると、「インド人は食事に甘いものを食べないので、その分お菓子は甘いのでは」とのこと。
他にも甘いお菓子が
「ということは他にも甘いお菓子が多いんですか?」
とたずねたところ、もってきてくれたのがこちらのブーンディ・ラッドゥ。こちらは豆の粉を使った揚げ物に、これまたシロップをしみこませたもの。
なみなみ浸ってるグラブジャムンに比べると、こちらはかなり甘さ控えめ。なんて書いてしまうと甘くないみたいだが、お菓子としては十分、激甘。
結果的に、グラブジャムンの甘さがいかに圧倒的か、実感させられる形となった。
おなかいっぱいになりました
ドリンク1杯に、小さめのドーナツ4つ。成人男性の食事としては決して多くないボリュームだけど、たっぷり夜までおなかいっぱいでした。ある意味パワーフードだ。
今回の取材で調べた感じだと、インド料理店でもグラブジャムンを扱ってる店はそんなに多くない。食べてみたい人は神谷町のこのお店に来るか、ネットでお店を調べてから行ってみてください。あとはインド食材の店で缶詰が売ってるとの情報もあり。そこで通販という手もありますね。
取材協力
南インド料理専門店 Nirvanam(ニルワナム)
東京都港区虎ノ門3-19-7 大手ビル 2F