まとめ
クリエイティブボックスの杉谷さん、西川さん、本当にありがとうございました。
さてこの「V.former Lab」、来年1月25日に「TOKYO ラヤマパック 具現化工場」にてワークショップ兼頒布会をやるようです。詳細な情報はこちらでキャッチしてください!私も参ります。
https://www.facebook.com/v.former.lab/
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1月14日に「潔癖症を治さNight 第2夜」にゲストで出ます!たいがー・りーの潔癖症は果たして治ったのか?!
今年も「芋づる式」という言葉を、主に社会面ニュースでよく聞いた気がする。
その「芋づる式」、すっかりダークな文脈での使用例が板についてしまったが、それではやっぱり芋がかわいそう。
そこで、「芋づる式」でクリスマスを祝うことにした。
そもそも「芋づる式」の意味とは、「芋が繋がって土中から次々に掘り起こされるがごとく、事実が連関して次々に明るみになる」というようなものだろう。だからもともとそんなにいい意味で使われなさそうな雰囲気なんだが、小学校の頃などに芋掘り体験をした方も多いと思うし、ここはお子さんにも安心して提供できるコンテンツに利用するのがいいと思うのだ。
つまりこんな感じの「芋ケース」を作って、中にプレゼント入れて掘ってもらおうと思うわけです。わかりやすい。
そんなことを目論んでいた折、あるトークイベントの登壇者としてご一緒しお知り合いになったデザイナーさんが、最適なものをプレゼンしていたのだ。
熱したプラ板を型に下ろして網の下から空気を吸い込むと、キュッとその型どおりにプラ板が曲がって中空のケースが一瞬でできる「真空成形機」というものだ。私もここの記事などで何度か自作でチャレンジするも、めちゃくちゃな結果だった。
アレを、手軽にできるキットを開発されたという。もしや、芋ケース作りにピッタリではないか?!
幸いこのイベントで意気投合し、事務所に遊びに行けることになったので芋の件を打診したところ、二つ返事で承諾いただいた。まさに芋づるのように事が運んで行ったわけである。
というわけで、真っ二つに切った芋をカバンに入れて、原宿駅近くのオシャレエリアに建つ「株式会社クリエイティブボックス」さんに、バキュームフォーム機を使わせてもらいにお邪魔した。
実はこの会社、あの日産自動車の関連会社で、お二方も日産で数々の実績を持つすごいデザイナーさんなのだ。
現在はこのクリエイティブボックスを拠点として、コンセプトカーなどの本筋のデザインをしつつ、かいつまんで言えば「何をやってもいい」のだという。しかも会社のリソースを使って。場所や3Dプリンタ、材料、なんでも。ああ、うらやましい。こういう会社員になりたいものです。
車関係に限らず、多方面の面白そうなことに触手を伸ばして活動していらっしゃる。その中のひとつが、この一風変わった「バキュームフォーム」機の製作なのだ。
もともとは、子供たちに車のイラストを描いてもらいデザイナーの手で立派なデザインラフに起こす、というワークショップをしていたのが、2Dから3Dへと具現化の方向を模索したときに行き着いたのが「バキュームフォーム」(製品名「V.former Lab」)だという。
であるから、子供たちにも入って来やすいよう、なんと「手動」での方式を取り入れているのだ。手動?!つまりこういうことです。
熱したプラ板を吸い込むとき掃除機を使うことが多いのだが、ここではあらかじめポンプで空気を吸い出して中のタッパー内を減圧しておくのである。掃除機を使わずに済むし、調節もしやすい。
ただし規定の目盛りまで減圧するのに、けっこう体力使います。これ、買って家でやってたら半年で上半身が立派な格闘家になる。
あまりの早さに、同行した編集・石川さんのシャッターが間に合わなかった。それくらい一瞬の出来事だった。
では改めて、動画でどうぞ。
この「シュッ…」と一瞬でプラ板に減圧が伝わる快感、あなたにも伝えたい。しかも電気的なものでなく、機械的な単純な仕組み。それでこういうモールドがどんどん出来上がるのも、すごい快感だ(開発者曰く、とにかく空気というのは「漏れる」ものなので、商品化にあたりそこをどうクリアするかで骨が折れたとか)。
表面のゴツゴツ、起伏、そっくりそのままにプラ板に写し取られた。これはいいぞ!もっと芋作ろう!日産の材料使って!
最初に「芋づる式考えてるんです」と恐る恐る杉谷さんに伝えたら手ばなしで歓迎されたのが妙だったが、どうも本当に前のめりでこの日を待っていたらしい。数種の芋類を持参されていました。負けた!
まさにブリスターパック。もともとそういった方面に強い会社と手を組んで、来年この「V.former Lab」を商品化する運びとなったのだから、なんでも成形、おちゃのこさいさいである。
だいたいの数をやり終え、狂喜乱舞の真空成形はこれにておひらきに。あぁ、久々に楽しいワークショップという感じ。大人もはまるバキュームフォーム、これきっと来年買っちゃうと思います。明らかになんらかの中空ケースが記事に頻発したら「あいつ買ったな」と思ってください。ではまた!
じゃなくて。
大興奮さめやらぬその夜、大量に持ち帰った芋型を、どうにか芋づるっぽく仕上げるのが私の仕事である。あんなに良くしていただいたんだから、ここで失敗するわけにはいかない。
中身は、クリスマス会のプレゼント交換や福引などの賞品を参考にして封入した。
100円ショップでつる草のガーランド(飾り)を売っていたので、葉の数を調整して芋をくくりつけた。これを持って「芋づる式クリスマスセット」の完成とする。
さっそく掘り起こし会場の、とある公園に向かった。
クリスマスと銘打っておきながらなんて地味な絵なんだ。これも芋の土属性ゆえの宿命か、ってよく知らないのに「土属性」とか言ってみた。
会場は整った。石川さんひとりしかいないけど、芋を芋づる式に引きずり出して景気良く、楽しく祝おう、
「メリー、クリスマス!」
掘っている間中、ずっと隣の公民館か社務所かで、お正月のお神楽の練習をしていた。ドン、ドン、コンチキチと。おかげで妙に厳粛なクリスマス行事となったぞ。
では一人しかいないので、思う存分、芋ケースをオープンしちゃってください!
最後のは、餅撒きの気分で入れてみた。家を建てるときなど、地面に餅仕込んだ芋埋めて近所の人に掘り出してもらう、愉快な芋づる式行事を提案します。
バキュームフォームからの芋づる式クリスマス。怒涛の勢いで来たが、最初の賑わいに比べると芋づる式行事は厳かに終わった。まぁそもそも一人でやるもんじゃないのだ。皆でワイワイやってほしい。何入れようか、これ入れようかと賑々しく楽しんでほしい。
それが、芋からの願いなのです。
クリエイティブボックスの杉谷さん、西川さん、本当にありがとうございました。
さてこの「V.former Lab」、来年1月25日に「TOKYO ラヤマパック 具現化工場」にてワークショップ兼頒布会をやるようです。詳細な情報はこちらでキャッチしてください!私も参ります。
https://www.facebook.com/v.former.lab/
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1月14日に「潔癖症を治さNight 第2夜」にゲストで出ます!たいがー・りーの潔癖症は果たして治ったのか?!
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