「文字もつくった人がいる」と思いつつ見るとたのしい
この会をしてから、いま目に見えてるものはだいたい作った人がいるんだなという気持ちになった。もう文字を打つたびにこの字もだれかに作られたのか!という気分になる。
実際はだれかではなく、徐々にだと思うが、徐々に文字ができてきたこともすごいしおもしろいしちょっと怖い。文字ができている過程に生きてた人はどんな気分だったのだろうか。
最近、友人と「森を最初に思いついた人はほめられたはずだ」という話になった。
もともと「木」という字があったのだろう。それを2つ重ねて「林」を思いついただけでもすごい。さらに3つにして「森」にしたのだ。非の打ち所がない。現場は相当盛り上がったことだろう。
実際に会議で決まったかはわからないが「ある漢字ができた時の会議」を妄想したら楽しいのではないか。クイズ形式にして遊んでみました。
今日は漢字ができた時の会議を妄想してみようという会である。流れとしては
というような流れで予想し、会議を妄想し、答えあわせをしていきます。
最初の漢字は
「嘘だ」「体をこんなに怖く改造するやつは漢字決定会議に選抜されない」と否定が飛び交う。「気」の由来が本当にこんな人体改造のような発想だったら、今後使うときになやんでしまう。
最後はねじふせたが、だいぶそれっぽい予想がたってきた。
きっと昔の会議では「自然現象ではないが、何かエネルギーを感じる何かを表現したい!」「じゃあ目の前に広がる風や火から文字を作ろう!」と話したのだ。なんて素敵な会議だろう。入りたい!
「気」の成り立ちを見る
漢字が会議で決まったのかどうかもすべて妄想だが、いったん決まったところで正解を見ていく。
「気」の成り立ちの正解は
「雲の下に広がる穀物説」「お米から立ち上る湯気説」など調べて見ると諸説でてくるが、予想はどちらもはずれた。悔しい。
でも蒸気などを表現しようとして「お米から湯気でてる様子を文字にしよ!」と言った人がいたかもしれないということだ。かわいすぎる。私もその会議に出たいという思いがつのってくる。
次に予想する漢字は
「くさかんむりあるな」「ちょっと検討もつかない……」
寝るときに見るもの、という発想から枕、目、布団などから離れられない。漢字ができたときもそうだったのだろうか……。
「夢」の成り立ちを見る
では正解をみていきます。
下の部分は「夕方を覆う」などこちらも諸説あるが、布団のふの字も出てこない。足とか体とか言ってたのも恥ずかしい。このセンスでは漢字決定会議には出られない。
2つとも惜しかったがなかなか正解がでない。でもせっかくなので最後は大ボスに挑戦してみる。
もし会議があったら会話としては「つらいときに使う字だから、下はつらいこと詰め合わせにしようぜ!じゃない?」と発案した人がいたということだ。その後、つらいことをみんなで出し合ったりしたのだろう。
「鬱」の成り立ちを見る
では最後、正解を見ていきます。
調べてみたら鬱という字には「気分が下がる」という方向ではなく「盛んなさま」「しげる」などの意味があるらしい。そこから立ち込めるよい香り、香りがふさがっているさまなどに由来するそうだ。聞いてももうわからない。
もう宇宙だ。漢字は宇宙。「鬱」を決める会議が本当にあったなら、5日以上かかっただろう。かなりもめたはずである。
ただ「さじ」が「ヒ」の形で伝わっていたり、髪は「彡」で表したんだな、などわかるところも多い。
「髪の部首きまったとき嬉しかっただろうな〜」と盛り上がった。
この会をしてから、いま目に見えてるものはだいたい作った人がいるんだなという気持ちになった。もう文字を打つたびにこの字もだれかに作られたのか!という気分になる。
実際はだれかではなく、徐々にだと思うが、徐々に文字ができてきたこともすごいしおもしろいしちょっと怖い。文字ができている過程に生きてた人はどんな気分だったのだろうか。
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