憧れの荒川遊園へ
子ども時代、2人とも知ってはいたものの行ったことがなかった場所がある。あらかわ遊園だ。
大人になった今、今度こそ行ってみようということになった。
実は唐沢さんと私が仲良くしていたグループでは、一度子どもたちだけであらかわ遊園に行く計画を立てたことがある。でも大雨で急遽行けなくなってしまったのだ。
やっとあの時のリベンジをする日がやってきた。
橋を渡りながら、環境学習で私たちのクラスに川について教えに来てくれた「河北さん」の話をした。当時「カワキタがキタ!」と冗談めかして言って先生に怒られている同級生がいたなぁ。河北さん、まだお元気かな。
ここは来たことがないため思い出の地ではないはずだが、めちゃくちゃはしゃいでしまった。もう脳が唐沢さんを幼馴染として認識している。
乗り物の待ち時間に同級生「ニラ」と3人で回していた交換日記の話になった。唐沢さんは折込チラシの写真を、わたしはフリーのイラスト素材を日記に切り貼りしていたのだ。
んちゅ:私が2週間くらい回すの止めてた時期あったよね。あのときはごめんね…
唐沢:すぐ回さないと!ってなってたな、別に止めたってええのになぁ笑
私たちと同じクラスで仲良くしていた「田代さん」や「ニラ」あたりの同級生はまだこのあたりに住んでいるらしい。
あとであらかわ遊園に2人で行ってきたよとツーショットを送ろう!「なんで呼んでくれなかったの」って言われるだろうなぁ…と話した。
存在しないから呼びようがないはずなのに、もうすっかり同級生たちに会いたくなってしまっている。
実家から出てきた手紙を見せる
夜ご飯を食べに園内のレストランへ。
んちゅ:実家からこんなものが出てきてさ、見せようと思って…
当時唐沢さんからもらった手紙を用意していたのだ。
しかしここで一つ痛恨のミスが。
今までの話の中では、唐沢さんと私が高校生の時に地元を離れたことになっていた。でもこの手紙は小学生の時に引っ越した唐沢さんからもらったもの。
まずい、時空が歪んでしまう…
心配無用だった。めちゃくちゃ笑ってしまった。
しっかり幼馴染になれた
帰路につく頃にはもうすっかり地元で遊んだ気分になっていた。お互いしっかり世界に入り込めば、歴史を塗り替えることすらできてしまうのだ。
ちなみに四半世紀の人生でこんな知り合い方をしたのは唐沢さんが初めてなので、帰りの電車の中で今後は普通に敬語に戻すべきか否か少し悩んでしまった(今も若干悩んでいる)。
初対面の緊張と幼馴染の安心感、楽しさと葛藤がぐるぐる混ざり合った、とっても充実した一日でした。
3回読んでほしい名作です。ニラ、セミ、ゴリラなどあだ名のセンスが最高。ときどきフィクションであるのを忘れて読み入ってしまいますが、全部嘘であることに気づいてハッとします。「地元サイコー!!!」じゃなくてさ!(林)
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