特集 2021年1月14日

身近すぎる定番スーパーを紹介する番組が気になった

身近すぎる定番スーパーを紹介する番組が気になった

三重県のテレビ局「三重テレビ」に、スーパーのマックスバリュを実況中継するという「いいね!Max」という番組がある。

マックスバリュといえば、お馴染みの人もいるだろう。全国チェーン店のスーパーだ。あのマックスバリュで売っているものは日本全国どの店舗をとっても同じじゃないのか?毎週生中継する意味は何なのか!?

その謎を知るべく、毎週マックスバリューを実況する番組とはどんな番組なのか、何回かにわたって見てみた。
 

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毎週火曜日朝10時から15分間

いいね!Maxは、毎週火曜日10:00~10:15の間に生中継15分だけ中継する番組だ。

番組は県庁所在地の「津」のライブ映像で今の天気を紹介し、その後マックスバリュの店舗から中継する。津を見るとマックスバリュの時間が始まったぁと思うのだ、きっと。

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いいね!Maxの顔は、三宅アナだ。素敵な笑顔でマックスバリュを歩き回る。(イメージ)

僕が見た回は快晴だった。だが雨が降るときもある。なにせ社会の授業で雨がよく降ると勉強した尾鷲がある三重県だ。雨回や台風回はどうしてるんだろうなあと思う。

ある回では、店長が最初に挨拶。

「リニューアルオープンになりました。前回は中継が雨だったので、雨男扱いされました!」

曇りだろうと雨だろうと中継し、雨が降ると次の回まで雨男扱いされてしまう。天気は残酷だ。

ドキュメントマックスバリュ15分

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こんな感じで、説明中にお客さんが至近距離で入り込むことがある。

番組は店長が三宅リポーターを連れて店内を案内して、店内のお勧め商品を3点紹介し、さらに店員から実施されているキャンペーンを聞くというもの。

店長と三宅リポーターとスタッフがスーパーを移動しながら紹介するが、そこは営業中のスーパーだ。朝にいいモノを買おうとする主婦の方やおじいさんおばあさんが買い物をする。

「こりゃ美味しいのかね」とばかりに映像におばあさんがカメラに突然入ってきて商品を取ることもあれば、テレビに映ろうとずっとカメラの視覚内に入り続けるお兄さんもいる。

また店長さんだけでなく、店員さんも商品説明をさせられる。たまにすごく緊張して棒立ち棒読みで商品を紹介する店員や、逆に好きなバンドをアピールする店員さんがいる。素人参加型番組のよさみだ。

わかりにくい例えだけど、トップだけでなく、スタッフまで駆り出される感じは、ツイッターで話題になる「埼玉政財界人チャリティー歌謡祭」に通じるものがある。

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店員さんらがかなり動員されて、商品説明を行うのだ。

紹介する商品はどうも店長におまかせなのか、毎回決まった法則のようなものはない。

毎回地元三重の商品を推す傾向がある。例えば三重のぶり「伊勢ぶり」がよく推されていた。

さらに三重の地元の和菓子屋や鮮魚店もスーパー内にコーナーを構えていてそれを紹介することがある。三重の隠れた名産品を知ることができる番組なのだ。

ある回ではお歳暮用に松阪牛のセットを紹介していたりして、「おおー!」と唸らされる。三重県民うらやましいぞ。

ところがあるときは三重では牡蠣産業があるのに、広島の牡蠣を推すことがあった。また松阪市のマックスバリュからの実況回で、松坂牛の商品には触れず、いちご商品を推すときもあった。

何が出てくるかわからず、安定していないのが、フリーダムで僕が好きなポイントだ。

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松坂店の回で、ギリシャヨーグルトストロベリーチーズケーキ味が推されていた。

商品でなく、陳列をアピールすることもある。ある回は、「カップ麺を扱うスペースが横にも縦にも増えた」「冷凍食品がとりやすくなった」と店長はアピール。

またある回は店長がジャイアントカプリコを放送中にポケットから取り出し、三宅アナにプレゼントしていた。小さなサプライズもあるのだ。

それにあわせて三宅レポーターが「うんうん、すごいですねー!」「わぁーありがとうございます!」と元気な笑顔で答える。ほっこり。

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サプライズでジャイアントカプリコをプレゼントする回(イメージ)

毎回マックスバリュの空間で何をするか、何がおきるかわからないけれども、何を紹介するんだろう、とわくわくしているとあっという間に放送時間が過ぎていく。

それにしても身近なスーパーの冷凍食品コーナーやカップ麺コーナーをまじまじとテレビで見るのは人生でなかったかもしれない。

しかしよく考えてみれば、ホームセンターをじっくり見る番組は結構あるのだから、スーパーもまた良しだ。

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リニューアルオープンしたマックスバリュの陳列を紹介する回もあった。パワーアップした冷凍食品の陳列も紹介していて、店長のイチオシポイントだった。(イメージ)
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名古屋には番組で紹介された商品がない

この番組を見つけたきっかけは、名古屋のホテルでテレビの番組表だ。マックスバリュを毎週紹介する番組と知って、見たい欲が急上昇してテレビに釘付けとなった。

そこで見終わったあと名古屋のマックスバリュで番組で紹介された商品を買おうと繰り出した。探せど探せど番組で紹介されたばかりの商品はそこには売られてなかったのだ。

名古屋で三重テレビの番組が見れるのに、いいね!MAXで紹介されたものがすべて確実に買えるのは紹介した店舗だけ。

毎回全国各地から中継するラジオ体操やのど自慢とは違い、実はマックスバリュでありながらローカル情報満載なのだ。

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名古屋のマックスバリュに、三重で売られている商品がなかった。ちなみにパンのパスコの商品だ。

そうだ三重に行こう

名古屋のマックスバリュにすら番組で紹介された商品が売られてないなら三重のマックスバリュに行くしかない。

ある見た放送回は川越町のマックスバリュからだった。川越町というのは名古屋に近い三重県の北の方で、桑名と四日市の間にある。名古屋から行きやすい回だ。

そこで番組放送後に、近鉄電車に乗ってマックスバリュに行ってみた。

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番組で紹介されたものを求めて、名古屋から近鉄電車に乗ってマックスバリュに行く。

三重県川越町。

名古屋からの通勤圏だけれど、人々の発音は名古屋では感じられなかった関西のそれで、三重は近畿地方だというのを感じて結構驚かされる。

最寄り駅から歩くこと10分。ロードサイドの駐車場スペースが充実した店々を抜けた先に巨大なマックスバリュがあった。東京のマックスバリュのイメージで行くと驚くほどでかい。むしろイオンやイトーヨーカドークラスだ。

駐車場も驚くほど広く、そこに何十台と車が駐車している。軽自動車も多くとまっていて、おじいさんおばあさんが乗った車が入っては出ていく。

そういえば冒頭の店の外からのシーンでもおばあさんやおじいさんが軽自動車でカメラの前を運転してたなあと思い出す。

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東京・日本橋から388kmのマックスバリュ。
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ロードサイドのユニクロの2倍はあるだろうマックスバリュ。東京都民が想像するマックスバリュとは規模感が違いすぎた。

三重のマックスバリュは想定外の広さだった

広かった。三重のマックスバリュは15分の放送に耐えうるほど広かった。東京のマックスバリュではこうはいくまい。

また駐車場も東京のとは全く違ってすごく広い。番組でも冒頭でおじいさんおばあさんが軽自動車を運転する姿が見られるが、リアルでもたくさんの人が車で買い物に来ていた。東京にいると、この当たり前の感覚が理屈ではわかっていてもなかなか身につかないもので。

川越町のマックスバリュの回で紹介された店長の一押しは

・りんご
・トマト
・鍋のもと
・伊勢ぶり
・ちくわ

だった。そこの商品は確かに結構買われていた。すごいぞ。

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店内はすこぶる広いが入口はひとつ。密ではない買い物ができそうだ。

番組ではりんごが紹介されていたが、青果売り場ではりんごだけが特によく売れていた!番組の効果、アリ!

また、現地に行ってみると、三重のマックスバリュは店内に地元の店が出店していることに気づいた。これが番組のメリハリの秘密かもしれない。

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過去の放送回で紹介されたものも含め、買いました。美味しくいただきました!

予想を超えたマックスバリュだった

スーパーの実況番組はできるのか?そんな疑問というか不安は杞憂に終わった。なにせ

・店が大きい
・地元限定の商品がある
・店員さんが味わいがある
・お客さんを縫うように中継が進む

という要素があるのだ。しかも紹介した分だけお客さんはしっかり買ってくれるのだ。

なんでも毎週実況していると案外面白くなりそうだ。

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