特集 2025年4月3日

見る方向で景色が全然ちがう!駅間の「雰囲気の中間地点」をさがす

高架下を抜けるとそこは

実際にさがしてみたところ、見つかった雰囲気の中間地点は3ヶ所。それらはすべて、高速道路や線路の高架下が境目になっているものだった。

新橋→有楽町

たとえば、神田と同じく庶民的な飲食街がひろがる新橋駅前だが、
こちらの首都高のガード下をくぐると、
ここから先ドレスコードあります?

ごちゃごちゃした看板などがなくなり、急に洗練されて背筋がのびる雰囲気に。

いつも普段着で飲みにいってた大学の友だちが、スーツを着て就活をはじめてるのを見たような変化で焦る。

こちらは直近の様子(先ほどの写真は1年前のもの)。右側のガラス張りのビルは解体されてしまったが、スッキリとした印象は変わらない。そして就活をはじめた友人は新聞まで読みはじめていた。
よく見ると、明確に雰囲気が変わる境界線はこの通りのようで、
ガード下にはミスタードーナツや居酒屋の天狗など、まだ庶民的なお店がならんでいる一方、
道の反対側には高級そうな飲食店や小さいクラブの看板がならび、銀座のテリトリーに入った感じがする。
そしてここが港区と中央区の境目にもなっていた。


東京→有楽町

一方、有楽町をはさんだ反対側。

東京駅前は、最初に紹介したようなビジネス色の強い高層ビルや、銀行の中でもなじみがない商工中金など、学校のクラスにいたらあまり関わることなく1年過ぎてしまいそうな雰囲気だが、
こちらも首都高の高架をくぐると、
スギ薬局・GU・プリマハム・ルノアールなどの看板が見え「自分に関係ある街!」という気持ちになる。クラスにいたら毎日一緒に遊びにいきたい。
東京駅側とちがって街路樹に緑があるのも、だいぶ明るい印象に変わる。
ガード下を比べると、完全に表玄関とバックヤード。東京駅前がこういう立ち位置なのが意外。
そして有楽町は、その駅前自体が2つの雰囲気の中間地点になっていた。
あと人型バルーンのダンスフロアでもあった。


五反田→大崎

すごくその街らしいという訳ではないけど、飲食店街やチェーン店など一般的な都内の駅前という感じの五反田の風景。
しかしそのすぐ後ろにあるJRの線路をくぐると、
大崎の高層ビル郡に通じるタワーマンションがニョキニョキっと現れ、驚くとともになんか勝手に入ってすいませんという気持ちになる。

五反田駅からはすこし離れた、目黒川沿いのこの場所です。

高架を中間地点として、あっちを見るかこっちを見るかで雰囲気がガラッと変わるという面白さは東京→神田間と同じ。

さらにそこに、高架下でいちど視界がさえぎられるという要素が加わることで、よりくっきりとした景色のギャップが味わえる。

まるで川端康成の『雪国』のよう。
もし彼が現代の作家だったら「トンネルを抜けるとタワマンの街であった」と書いていたかもしれない。

ちなみに御徒町と上野の間には、看板で分かる中間地点があった。この通りは一見同じような雰囲気のお店がずっと並んでいるように見えるが、
御徒町駅方面は服屋なのに対して、
上野駅方面は居酒屋中心と、ちゃんとここを境に違いがあるのがうれしい。

⏩ 駅前の終わりも面白い

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