デジタルリマスター 2023年3月19日

なにをやっても台なしになる方法(デジタルリマスター)

酔っているかのように頬を赤く塗ると、酔っていなくてもだめな感じになる。

ただ座ったり立っているだけでも、だめな物語がにじみ出てくるのだ。

2008年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:手っ取り早く痩せたい(デジタルリマスター)

> 個人サイト webやぎの目

2007年末、「デイリーポータルZ忘年会」というイベントを開催した。赤いドーランを配布して、出演者、お客さんともに酔っぱらいのように顔を赤くしてもらった。

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この写真は本番直前、控え室での写真である。ライターの藤原くんが箱を作っているのをライター住さんが手伝っている。

しかし、邪魔しているようにしか見えない。

酔っぱらった親戚のおじさんが甥の宿題の邪魔してるようだ。「おじさん、あっち行ってて!」と言いたくなる。

酔っぱらいメイクおそるべし、である。頬が赤らんでいるだけで行動の意味ががらっと変わるのかもしれない。

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立ってるだけで意味が違う

しかしピエロのように顔ぜんたいを塗るわけでもなく、ちょっと頬にドーランを塗るだけである。女性ならばあたりまえのようにチークを塗だろうし、それでそんなに変わるのだろうか。

住さんの写真はイベント前にたまたま撮れただけかもしれない。そう思いつつも撮ってみたが。

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こちら、メーク前です
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ほほを赤く塗っただけで「乗り過ごしたので逆向きの電車を待ってる人」に!

意味が変わった。ぜったいにこの人ここで降りるはずじゃなかったんだろうな、と思わせる写真になった。写真の男はいま自分がどこにいるか分かってるんだろうか? なんでこんな明るいんだ?とか考えてそうである。

なんで僕がこんなに酔っぱらいの心情を察せるのか、それは経験があるからだ。乗り過ごして戻る電車でまた寝過ごす。すごろくの最後みたいになってて、家に永遠に帰れないんじゃないかと思う不安もよく分かる。

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写真がストーリーをもつ

頬を赤く塗るだけで写真の意味が違ってくる。写真の前後が想像できるのだ。おもに酔っぱらいの行動だけど。

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電車を待つサラリーマン
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ベンチで寝始める5秒前
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お茶を買うサラリーマン
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「つり銭ないかにゃー」
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コーヒーブレイクが
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酔いざましに。
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案内板を見るサラリーマン
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「え、ここどごだ?」

写真が雄弁に語り出す。最後の乗り換え表示を見ている酔っぱらいも後ろを向いたらふらふらとそっちに行ってしまいそうで心配だ。

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後ろに気をつけろ

もしくは下を向くと吐くから上を向いているだけかもしれない(坂本九さんの歌はそういう意味ではありません)。

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山手線に乗ったら、何周もしてそうな人になった

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