新幹線で置き去られた町に住むことになりました。
ちなみに転居先というのは、さいたま市の大宮(正確にはその隣駅)である。
以前からの読者の方はもしかしたらご記憶かもしれないが、実は4年前に当サイトの年末企画「新幹線の駅でひとりだけ置き去りにされたい」にて、僕は東京から一駅目にあたる大宮で早々に置き去りにされているのだ。
スタート時には「もっと遠くに行きたかった」「よりにもよって大宮かよ」とさんざん文句を垂れておきながら、終わり際には「わー大宮たのしー」と手のひらクルーしていた、あの大宮に。
要するに大宮周辺がわりと気に入っちゃったので、家を探す際に、じゃああの辺で探すか、となった次第。
新居は面積で従来比1.3倍と広さに関しては改善されたんだけど、とは言え、そこに持ち込まれる荷物がちょっとばかり多い。
なんせ引っ越し業者が初手に出してきた見積もりが「荷詰めと移動に3日間、ダンボール300箱を3tトラック5台で運ぶ」というボリュームである(最終的には3t車2台+2tロング車3台にまで緩和された)。金額は言わないけど、ちょっと血の気の引く額だった。
そんなもん注ぎ込んだら、どんな豪邸に住んでてもギチギチになるわという話で。
逆によく収まってたな、前の家。毎日ジェンガみたいな生活してたけど。
ともあれ、3日かけて新居にキュッと詰め詰めしたダンボールは、転居後約1ヶ月経った現在、ようやく3割ほど開梱できたかな?という感じ。
未だにテレビのリモコンが見つからなかったり(面倒なので新しいのを買った)、プリンターの電源ケーブルが見つからなかったり(隣がコンビニなのでネットプリントでもなんとかなる)と、生活が落ち着くまでまだまだ先は長そうだが、とにかく日々ダンボールを開けては片付ける日々である。
引っ越しの荷解きは文房具でなんとかしたい
文房具業界でここ数年で流行ったジャンルのひとつに「開梱ツール」がある。
まず通販需要の拡大があって、届いたダンボール梱包をサクッと簡単に開けられるツールの人気が高まった、という流れ。
開梱作業はダンボールを閉じているガムテープなどを切り裂けばいいんだけど、カッターナイフなどの鋭い刃だとダンボール自体に切り込んでしまって、開ける効率が逆に悪くなる。テープは切れてダンボールは切れない、ぐらいのちょうどいい切れ味を持つ開梱ツールがベストなのだ。
これらは当然ながら、大量にダンボールを開梱することになる引っ越し作業にも便利なわけで……じゃあせっかく良い機会だから、まとめて試してみようじゃないか。
ちなみにこの開梱ツールは、刃の構造でザックリとカッタータイプとノコギリタイプの2種類に分類できる。
どちらも基本的には、刃をダンボールの閉じ目に突き刺してテープを切り開く方式なんだけど、その刃の構造で2択になっているというわけ。
カッタータイプは、刃渡り4~5㎜というのが一般的なぐらいに刃が小さい。これは、ダンボールを切り開くときに中の荷物を傷つけないための安全策である。
梱包用ダンボールはだいたい厚みが3〜4㎜なので、刃渡りがそれぐらいなら荷物に切り込む心配がないというわけ。日常的に使うならこのタイプが安心確実で使いやすいはず。
対してノコギリタイプは文字通りノコ刃になっていて、カッタータイプよりも刃が長いものが多い。
開梱するのにテープを切るだけでなく、ダンボールそのものを廃棄する際にまとめやすいよう、ゴリゴリと切って分割するのに便利なのだ。
ただし安定して開梱するにはちょっと慣れが必要なので、どちらかというと箱開けのベテラン向け。
で、取り揃えた中で今のところ一番使いやすかったのが、カッタータイプのオルファ「カイコーンPRO」。大量の荷物をさばく物流のプロ向けに作られたツールだけあって、とにかく使いやすい。
開梱するには、まずハンドル底部の金属の三角形をテープに突き刺してグイッと切り裂き、箱側面のテープはシュモクザメみたいな先端のカッター刃を差し込んでスパッ。めちゃくちゃ手早いぞ。
このシュモクザメ刃ならストレッチフィルムやPPバンドも切れるので、だいたいの開梱作業はこれ1本で済んじゃう。
これが最強です。
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あと、グッと握れるぐらいのサイズ感というのも意外と重要で。
なんせ「ずさんな人のデスクトップ画面」ぐらいにぐちゃぐちゃな環境なので、小さなカッターを使い終わってポンと置いちゃうと、次の瞬間には見失ってしまう。「あれ、いま汗拭く前に使ってたカッター、どこ?」みたいな事故が常に起きうるのだ。
例えばデザインフィル「ダンボールカッター」は切りやすく安全性も抜群と非常に優秀な開梱ツールなんだけど、コンパクトすぎてマジでやばい。恥を忍んで言うが、今回の転居ですでに4つ紛失した。
日常的な開梱なら絶対的にオススメなんだけど、引っ越しには駄目だ。
ダンボールを分解できるノコギリタイプだと、長谷川刃物「物流くんモドルバ」がとても良かった。
ダンボールノコは刃が常に剥き出しになってる製品が多く、そのまま持ち歩くのがちょっと怖いん。しかし「物流くんモドルバ」は、スライダで押し出した刃がリリースボタン一発でシュルッと戻る。
これならポケットにそのまま放り込んでいても怖くないし、とても使いやすい。
ちょうどいいサイズ。
あと、開梱作業でテープを切りたいなら、粘着材が付きにくいフッ素コートの「物流くんフッ素替刃」に替えておくのがオススメ。
もうひとつ、名前はダイレクトすぎるし、見た目のイロモノ感もすごいしでちょっと侮ってたけど…ナカバヤシから発売されたばかりの「メジャーが付いたギザノコ刃カッター」も、わりと役に立った。
ダンボールノコは元より、隙間家具の幅を測るのに役立つメジャーと、ネギクジ類をくっつけておけるマグネットが「おー、思ってたより便利」って感じ。