引き継ぎはしたほうがいい。塩は潤沢にあったほうがいい。
「察してくれるだろう」という思い込みを捨て、きちんと言葉で引き継ぎすること。誰でも知っている当たり前のことが大切だ。
ただ、料理に関して言えば、引き継ぎはなくてもそれなりに食べられるものはできることがわかった。大切なのは潤沢な塩気。ただ、これも大昔から言われていることのような気がする。
答え合わせ
ともかく、手探りでなんとか成し遂げた互いを労いあっていると石川さんが戻ってきた。さて、もともとは何を作る予定だったのだろう?
正解は「麻婆豆腐」「春雨サラダ」「あと、できたらなんか適当に1品」でした。
最初の方針で合ってた!
二人目の予想:麻婆豆腐、中華春雨サラダ、+α
三人目の予想:麻婆春雨、中華春雨サラダ、豆腐の味噌汁
ここで、私が調理し始めてから思いついて準備していた秘蔵の「なんか適当な1品」を出すことにした。書き置きには「3品でもいいよ」とあったので、どうせなら3品作って鼻を明かしてやりたいと思っていたのだ。
多くても3品であろうというところが、なんと4品になった。怪我の功名というところだろうか。しかし実食する段になって、品数を水増しした代償を思い知らされることになるのだった。
不足する塩気
時刻は18時過ぎ。ちょうど夕飯の時間だ。
読者はお気づきのことと思うが、下茹で用のたっぷりの湯に浸かった豆腐は、そのまま味噌汁になって出てきた。全てはタイミングが悪かった。
ただ、いかにハムで旨味を追加しようにも、埋められない不足があった。味噌のほとんどを麻婆春雨に使ってしまったせいで、塩味が足りないのだ。
「調味料を十分用意しないのが悪い!」という思い切りで乗り切ったと月餅さんは言う。
ちなみに、同じ理由で冷奴にかける醤油もない。
品数を増やしたせいで塩気の足りない食事になった。まさに水増しという言葉が相応しい。
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