デジタルリマスター 2024年4月6日

『きのこの山』を高級にしてみた (デジタルリマスター)

マツタケの季節ですね。食べたことないけど。
かろうじて永谷園の「お吸いもの」をすすり、その味を遥か夜空の彼方に夢想する私だ。

だが他にも、まだ見ぬマツタケを想うやり方がある。例えばこんな風に。

2010年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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マツタケ人工栽培の夢もかなうか

みんな知ってる「きのこの山」。私は長らく「たけのこの里」派の一員であったが、最近きのこの山の良さもわかってきた。ということはどうでもよく、このきのこの山を「マツタケの山」にしようという試みなのだ。「この山、ぜんぶワシのもんやさかい!」とばかりに、ぜひ君たち庶民にマツタケをご馳走してやろう。

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いつでもどこにでも売ってて、それは大変すごいことだと思う。

きのこの山の良さは、2種類のチョコレートとクラッカー生地の織り成す軽やかなおいしさであろう。って改めて文章にするのもこっ恥ずかしくなってくるが、皆さんも同意に違いない。

だが、申し訳ないが今回はこのチョコレートを剥がし、代わりに高級チョコレートをかぶせ「マツタケ」と言い張ってみたい。

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このままでも食べたい(ので食べた)。
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歯でチョコを引っぺがす。

「代わりに高級チョコをかぶせる」と言っても相手はチョコである。一旦溶かして型に流して…という工程は避けられないのである。

型を作ることにする。まずはオス型からだ。
しかしマツタケ様のお姿を拝見することなどめったにないので、例によって画像検索でそのご尊顔を目に焼きつけ、ちびちびと制作していくしかない。

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クラッカーにラップして粘土かぶせて。
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さっきから頭の中でビートルズの曲がかかっている。

オーブンで粘土を焼いて固め、オス型の完成。次はそれを元にメス型を作る。

ここは、ささっと型取りに使える「おゆまる」でやってみよう。ここにじかにチョコ流していいもんかどうかはわからないが、まあ自分の食べる分ならかまわんだろう。

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型取りに、シリコン持ち出すまでもないときに便利!
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熱湯をかけて数分、くにゃくにゃに。
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さっきのオス型を押し付ける。
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全部埋めてしまうと取り出せないので、最大幅のところまでしか型は取れません、あしからず。
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高級店で素直に言えず

さて、肝心の高級チョコである。このごろは様々な、ラグジュアリーでハイセンスでモードでリュクスなメゾンのチョコレートがセレブに愛されてると聞くが、今回は誰しも知ってるこのブランドをコーディネイトしてみたい。近所にたまたまあったということでもある。

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中でも特に畏れ多い雰囲気のを買ってみた。

こちら、ミルクチョコレート・50%カカオ・72%カカオの3タイプのアソートで、¥1155円なり。動揺して円表記が重複してしまったじゃないか。

お店で「贈り物ですか?」と聞かれ、店員さんの親切さに乗ってあやうく全ての事情を打ち明けてしまいそうになる。

「きのこの山にかぶせるんです」という言葉をグッと飲み込み、「自宅用です」とラグジュアリーな風に微笑む。以後、高いチョコをサッと自宅用に買って帰る人を演じなければならなくなった。これは余談。

あまり値段のことをうるさく言うのも何だが、「きのこの山」はコンビニで¥208であった。この1パック¥208のお菓子の、その頭を、この1ピースあたり¥128のチョコへと替えるわけである。まあ値段のことを細かく言うのは、もういいだろう。

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その前に一枚いただいてみたい。¥128の一枚を。
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思わず微笑むほどのうまさ。
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その中でも、72%モノを使用する。「奥深い苦味」、と来た。
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それでもひるまず湯せんにかけた!

バレンタインチョコを手作りするときのように、私は容赦なくそれらを温め、溶かした。

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型に投入。
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軸を埋め込み、冷蔵庫で冷やす。
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軸に楊枝であの模様を…。

実はこのとき作った型は少々でかすぎ、後からもう一度小さめの型を作るはめになった。

なんとかチョコをかぶせ終わり、軸に多少の模様をチョコペンで施し、小道具も用意して、秋の味覚ができあがった。
きのこの山が「高級御菓子・松茸乃山」に変貌したのだ。

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ゴディバの山。1本あたり、およそ¥100か?

食べてみると、それはまるでゴディバのチョコレートがクラッカーと出会ったような…。いや、確かにチョコレートのせいで、香り高いものとなっていた。どちらがいい、という話ではないが、何か得したようなそうでもないような気分だ。

本当のマツタケを味わう日がいつになるかわからないが、この香り高きマツタケの山でも食べて、その日に備えようと思う。

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