トルコからの刺客
さて今回は海外からも参戦チームがいた。トルコから人気YoutuberのTolga Özuygur氏が来日したのだ。
右のアームの先とキャタピラの脇についているのがArduinoという電子工作用マイコンで、それを刀と盾として使用する。電子部品としてではなく単なる固い板として使っているのだ。
さらにこのマシン、電池の代わりに3つの手回し式発電機を使って人力で動くというかなり冗談に振ったマシンなのだが、これが意外なほどの戦いぶりを見せた。
最終的に準決勝まで残ったが、ここでは2回戦の4体バトルロイヤルの試合の様子をご覧いただこう。対戦相手はこの3体。
パンダンドラム(かーねるおいさん)
かわいいパンダが風船で爆破することで攻撃を行う。一見、機構が見えないが、ギアボックスを内蔵しておりちゃんと自走する。
メロンメロン(りんご)
カゴが傾くことでメロンをばらまいて攻撃するロボット。製作段階ではメロンが転がり出てくれず、ただのメロンみこしになってしまったという逸話を持つ。
ぼーん(でゅお)
棒を伸ばすところでベロを連想してこうなったそうだが、肝心の「これは何の動物(?)なのか」の質問に対しては終始、要領を得ない回答しか得られなかった。
この3体に「妖刀Arduinoの達人」を加えた4体でのバトルロイヤル。試合の様子は動画で見ていただこう。
ヘボコンの出場者はとにかく操作練習をしない傾向がある。ロボットを作って動いた時点で満足してしまうという満足閾値の低さのせいもあるし、くわえてロボットの耐久性がないために下手に動かして練習すると壊れてしまうというやむにやまれぬ理由もある。
「妖刀Arduinoの達人」のような素早いコントロールや見事な立ち回りはなかなか見られないもので、白熱した試合となった。
エキシビジョンマッチ
そして今回はもう一人ゲストがいた。小学生ロボコン優勝チームのリーダー、金田理史さんである。今回のイベントスポンサーであるセメダイン株式会社が、小学生ロボコンのスポンサーでもあったことから実現した。
その金田さん参加で行われたのが、エキシビジョンマッチ。競技は、玉入れ対決。
金田さんには小学生ロボコンで使ったロボット(複数のうちの一台)を持参してもらい、ロボットで玉入れ。ヘボコンサイドは1回戦敗退チームのうち何人かに登壇してもらい、手でピンポン玉を投げて玉入れをしてもらった。
これがまた見事だったので、動画で見てみてほしい。
結果、ヘボコンチームは1個、金田さんは12個入った。
この機構も説明されればあーなるほどねと思うが、自分で作れと言われたら絶対できないやつである。
他にも金田さんは審査員としても、
「どういうロボットかは機構を見ればまあだいたい予想できますが、実際動くのか動かないのか全く予想できない」
「普通のロボコンと違って手に汗握らない戦いも印象的でした」
など数々の名言を残してくれた。
栄えある受賞ロボットたち
ではここで、各賞に輝いたロボットたちをご紹介しよう。
まずはヘボいものを良しとするヘボコンでは無価値とされる、トーナメント上位から。
優勝:DUCK GUN マーベリック(おもちゃドクター)
準優勝: あひるちゃん(チャーリー浜岡GP)
そしてここからはちゃんと名誉ある賞。審査員賞です。
セメダイン賞:Gごろう(さとう)
ギャル電賞:フォーチュン・トラック(ギャンブラーズ)
デイリーポータルZ賞: パーティーモンスター(ゆりぴよ)
そして最後に、最もヘボかったものに与えられる栄誉ある賞。会場投票で選ばれました。
もっとも技術力の低かった人賞:パパンパー(チームもさもさ)
受賞者のみなさん、おめでとうございます!次は出場ロボットの全機紹介です。
次のページは出場ロボットの全機紹介です!
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