特集 2026年6月3日

身の回りの物が発明された年を徹底的に調べる

文房具は日々進化している

続いて、家にあった文房具の発明された年を可視化してみた。

文房具は生命維持からは遠い存在なので、食品系よりは発明が遅い。

文房具は少しずつ進化しているので、「どのタイミングを発明とみなすか」が難しいものも多い。例えば「鉛筆削り」の発明は1908年だが、1828年には大型の鉛筆削り器が発明されていた。写真にあるような小型の鉛筆削りが発明されたのが1908年なのである。

また、修正テープの発明は1989年だが、それより前から修正液(1951年発明)が存在したため、大きく困りはしなかった。いまは擦って消えるフリクションボールペン(2006年発明)があるので、修正テープすら不要な場面も多い。

このように、「書く、消す、切る、貼る」といった基本機能は大昔から存在しているが、その手段は少しずつ便利になっていく。小学生が身近に感じられる分野で、今でも進化し続けているのが面白い。私は小学生の頃にユニ アルファゲルやカドケシが誕生するのを目の当たりにして、わくわくした。

さて、上記画像の中でも特に印象深い発明について解説する。

はさみ
2枚の刃を中心軸でとめ合わせた現在の形は、ローマ人が西暦100年頃発明したものであり、「ローマ型」と呼ばれる。それより昔、紀元前1000年ごろに「ギリシア型」のはさみが発明されており、それは糸切りばさみのような形である。
折る刃式カッターナイフ
1956年、生家が紙の断裁業を営んでいた岡田良男は、ナイフの刃先の切れ味が落ちることについて弟から相談を受け、アメリカ軍の兵隊がかじっていた板チョコを思い出した。板チョコのようにあらかじめ折り筋を入れておき、切れなくなったらポキポキ折れば1枚の刃で何回も新しい刃先が使えることに気が付いた。こうして「折る刃式カッターナイフ」が誕生し、オルファ株式会社の設立に至った。
ふせん
1974年、会社で強力な接着剤の研究をしていたスペンサー・シルバーが、「よく付くけれど、簡単にはがれる」という失敗作を生み出した。それを見た同僚のアート・フライが「讃美歌集のしおりとして使えるのではないか」と思いつき、商品化に踏み出した。
シャープペンシル
1822年、イギリスのジョン・アイザック・ホーキンスとサンプソン・モーダンが繰出式のシャープペンシルを発明した。当時はセルロイド製であり、壊れやすかった。日本では1915年、飾り職人であった早川徳次が金属製の繰出式シャープペンシルを発明。「早川式繰出鉛筆」として実用新案を取得した。のちのシャープ株式会社の創業時に社名の由来にもなった。

オルファの話は定期的に新聞やテレビで取り上げられるので知っていたし、ふせんも「偶然から生まれた発明品」として有名な話だ。

しかし、シャープペンシルについては勘違いをしていた。私はてっきり先に「シャープ株式会社」があって、その会社が発明した商品だから「シャープペンシル」の名が付いたと思っていたが、順番が逆だった。

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キッチンを見てみる

さて、キッチンを見てみよう。 

我が家の調味料コーナー。

やっぱり主食として使われる小麦粉は古いなぁと思って見ていたが、よく見ると唐辛子も同じぐらい古い。 こしょうもなかなか古い。「なるほどね、香辛料は防腐剤の役割があるから古くから栽培のモチベーションが高かったのか」と推測したが、調べたところ他の要因も大きいようで、香辛料が古くからある理由は、

・おいしいから
  辛味がエンドルフィンを出し、快感になる

・食べると体に効くから
  発汗・殺菌・消化促進など、薬として認識された

・食品が傷みにくくなるから
  経験則として腐敗抑制効果に気づいた

 のようだ。他にも宗教・儀礼に使われたとか、植物側の生存戦略とか、いろいろあるけれど。冒頭の「おいしいから」っていうのが良い。やっぱり、野生にある美味しいものは育てたくなる。

おいしいつながりで言うと、1908年に池田菊苗博士がうま味成分(グルタミン酸)を発見し、それがのちの「味の素」につながったという話は有名だが、時を同じくして西洋ではコンソメスープの素であるブイヨンキューブが発売されている。ブイヨンキューブには肉由来の天然のグルタミン酸が含まれており、奇しくも同じ時期に日本と西洋でグルタミン酸を手軽に扱えるようになったのである。

人類の食卓がどんどんおいしくなっていくのがわかっておもしろい。この調子で冷蔵庫も見てみよう。

チューブ調味料のバラツキが大きいのが面白い。からしは古代エジプトで作られ、ゆず胡椒は昭和に大分県の日田で発祥したという説がある。(他の説もある。) 人類の発明した数多の調味料のなかで、多くの人に支持された物がチューブ製品となり、こうして冷蔵庫に並んでいる。冷蔵庫のチューブコーナーには人類の歴史が並んでいると言っても過言ではない。

さて、「調理」という観点でも見ていこう。 

やはり、基本的な調理器具は歴史が古い。食料の保存・加工は生命維持に直結する重要な営みだからだ。ボウルやザルは何千年も昔に発明されているが、当然当時は金属製ではなく、土器だ。

包丁に至っては 250万年前とあるが、これは旧石器時代である。当時の打製石器の最も重要な用途の一つが包丁としての役割であった。その後、金属加工の技術が発展し、今の和包丁の形になったのは江戸中期だ。

計量スプーンの発祥は正確ではないが、17〜18世紀頃にイギリスの料理書でスプーンが計量の目安として使われ始めたのが最初のようだ。いまでは大さじ(テーブルスプーン)が15ml、小さじ(ティースプーン)が5mlという基準は、多くの国で使われている。

まぁでも、他と比べて発明時期が新しいことからも分かる通り、計量せずに料理を作っても死ぬことはない。そう言い聞かせながら、結局私は目分量で作ってしまうのである。 

 土鍋が紀元前1万3000年と古いのは、縄文時代の土器にルーツがあるからだ。世間では「炎舞炊き」や「ご泡火炊き」といった最先端の炊飯器が活躍する中で、我が家では縄文時代から続くオールドスタイルである「土鍋」で米を炊いている。(意外とこれがうまい!)

卵焼き器は江戸中期に発明された。このように、特定の料理に特化した調理器具は発明時期が新しくなりがちだ。

ガスコンロは1826年にイギリスで発明された。日本では1930年頃には東京・大阪などの大都市で、ある程度の世帯にガスコンロが普及したが、地方では1960〜70年代まで薪・炭・練炭が主流であった。インフラの整備には時間がかかる。

⏩ どんどん歯磨きしやすくなってる

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