ハンバーグ特集 2024年12月18日

ステーキのあさくま「学生ハンバーグ」で思い出をやり直す

「肉っ!」って感じのハンバーグ

サラダバーだけで満足しそうになっていたところ、遂にお目当てのハンバーグがきた。

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学生ハンバーグ(180g、サラダバー付き、税込1,705円)

おお、ひき肉をステーキの形に成形したこの見た目。記憶の中にある学生ステーキそのものだ。

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子供の頃からこいつには塩コショウのみ
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切り分けて…
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口に運ぶと…
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これだよ…。懐かしすぎて本当に涙が出てきた。あさくまは何も変わってなかった!

多分つなぎを殆ど使用していない、「肉!」って感じのハンバーグ。昔は学生ステーキという名前だったのも、恐らく「学生達にも肉の美味しさを味わってもらいたい」なんて思いが込められてたんだろう。その思い、学生からおっさんになった私にも、びんびん届きます。

このメニューによって私のハンバーグ観は形成されたので、今でも「ふんわり柔らか!」とか「デミグラスソースたっぷり!」なんていうハンバーグにはまったく興味がない。

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妻は学生ハンバーグより100円だけお高い「あさくまハンバーグ」を頼んだので一切れ貰う

あさくまハンバーグは学生ハンバーグより厚みがあって柔らか。申し分ない美味さだったが、私はやはりミッチミチに肉が詰まった学生ハンバーグ派だ。

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出島としてのあさくま

それにしても肉々しいハンバーグは勿論のこと、サラダバー、コーンポタージュ、他にもたくさんのことをあさくまから教わった。私の町においてあさくまは、最先端の文化が最初に伝わる種子島や出島みたいな場所だった。

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オニオングラタンスープ伝来もあさくま
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ガーリックライス伝来もあさくま

しかし、幼い頃の記憶が鮮明に蘇ってくるうちに、苦い記憶も掘り起こされてしまった。

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悲しい誕生日会

小学校四年生くらいの時だった。母親に誕生日に何が食べたいか問われ、私は迷わず「あさくま!」と答えた。

母と兄と私の3人であさくまディナーを楽しんでいると、なんと単身赴任中で遠くの町にいるはずの父親がひょっこり現れたのだ。「なんで僕達がここにいるって分かったの!」と驚く私。「誕生日に家にいなかったからきっとあさくまだと思ったんだ」と笑う父親。あさくまは我が家にとってそれほど大きな存在だった。

私は嬉しくて大笑いしながら母親の顔をちらっと見た。すると彼女は苦虫を噛み潰したような厳しい表情をしていたのである。なんとなくその理由を聞いてはいけないと察し、私は黙ってうつむいた。

後に分かったのだが、そのころ既に両親の関係は壊れていて、単身赴任という嘘をついて別居中だったのである。

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妻にそんな思い出を語っていたら、また違う種類の涙が出てきそうになった
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ありがとう、あさくま

でも今、私は自分の家庭を築き妻とあさくまを満喫している。

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私は下戸だが妻はお酒も楽しんでいた。「めちゃくちゃ飲める店」とのこと。あの頃気付かなかったけど、親はそういう楽しみ方もしてたんだな

人生が一回りしたような感慨と共に、私は学生ハンバーグを完食した。

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ごちそうさま。鉄板の上の丸いぼっちもあさくまが教えてくれたね

よし。今度は25年も間を開けず、子供を連れてまたすぐ来よう。そして将来、大人になったうちの子が「あの時幸せだったな」と振り返るような、そんな思い出にするのだ。

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ありがとう、あさくま。またすぐ来ます

過去を思い返し、将来を見据える。この日の学生ハンバーグは、まるでタイムマシーンのようであった。

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帰りにミントキャンディー貰う文化もあさくまが初めてだったな

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