教えてあげたい
凧を見終わり長い階段を下りようとしていたら、東南アジア人の方がちょうど階段を上りきり、目の前に広がる遠州灘を見て「ワ~ォ…!」と感動していた。
東側もよーく見て、凧が揚がっているよ!と教えてあげたかったが、この距離で果たして凧と伝わるか急に不安になり、胸の内にしまっておいた。
次に、海沿いルートで交通規制区域ギリギリを攻める作戦を実行する。まずは海を目指し、ひたすら南へ。
砂丘までまだまだ距離はあるが、このあたりでも視力がよければ凧が見えるかもしれない。目を凝らして砂丘方面の空をじっと見つめていたが、あいにく目が悪いのでくもり空以外なにも見えなかった。
険しい表情のまま道を走っていたら、あっという間に交通規制区域手前へ。
実際現地に行ってみると、予想以上に手前から交通規制がかかっていて、会場に近づくことの難しさを改めて実感する。
あとから聞いた話だが、浜松まつり期間中はタクシーの需要が一気に増えるため、市内の車両だけでなく近隣市町からも応援のタクシーが多く集まってくるそう。
京都並みにタクシーが多いと感じたのも納得だ。
大量のタクシーは見かけたが、肝心の凧は空を見上げてもここからは見えず。防風林も壁になっているため、車を降りてどこか開けた場所から見られないかと来た道を戻っていると、『海浜の森』と書かれた看板を見つける。
しかしこの階段が思った以上に段数が多く、希望への階段は上る途中で試練の階段へと姿を変えた。どれだけハードだったか数字で表したく何段か数えながら上っていたが、途中全然関係のないどうでもいいことを思い出して、何段かわからなくなった。
ぜえぜえ言いながらやっとの思いで階段を上り終えると、そこには雄大な遠州灘が広がっていた。
会場にもできる限り近づいたし、これだけ開けていれば凧も見えるはず。
見えん………見えるのは相変わらずどんよりとしたくもり空だけで、凧らしきものは確認できない。
作戦は失敗に終わったかと思われた、次の瞬間…!
めちゃくちゃ小さい、けど見えた時の喜びがすごい!!!凧だとわかった瞬間飛び跳ねるほどうれしかった。
写真では写りきらないが肉眼では色も認識でき、白地に赤の文字、もしくは模様が書かれた凧だというところまではっきりわかる。
ちなみに、先月の健康診断で右目の視力が0.4から0.8に倍よくなっていた。去年の夏にブルーベリー狩りに行ったおかげだと思う。
近くで見たらそれはそれはすごい迫力なんだろうが、遠くから見ると凧がとても優雅に大空を泳いでいるように見えて、風情すら感じられた。距離で見え方や印象が変わるというのは新しい発見だ。
「ちっさ!」という声が聞こえてきそうだが、凧が見られたという事実だけでわたしは大満足である。
混雑を避けながら、交通規制区域ギリギリ手前で凧を見るという作戦は大成功を収めた。
わたしが凧を見に行った日の会場の人出は53万人とのこと。夕方のローカルワイドショーでその様子を見て、テレビの前で震えあがった。
会場は会場のよさ、会場外は会場外のよさがあったという結論に到達した。
来年の凧揚げ合戦はどこから見ようか。今回は西側から攻めたが、東側の未開拓の地もぜひトライしてみたい。
凧を見終わり長い階段を下りようとしていたら、東南アジア人の方がちょうど階段を上りきり、目の前に広がる遠州灘を見て「ワ~ォ…!」と感動していた。
東側もよーく見て、凧が揚がっているよ!と教えてあげたかったが、この距離で果たして凧と伝わるか急に不安になり、胸の内にしまっておいた。
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