特集 2025年11月12日

「ハブ発祥の地」奄美の無人島でハブ探し


枝手久島をまず歩きまくる

ハブは夜行性なので探索は夜になるが、なにぶん初上陸なので昼間のうちに山に入り、地勢を把握しておく必要がある。

河口から川をさかのぼって行く。小さな堤防?が築かれ、護岸されている。

枝手久島は無人島だが、昔から人が渡り、段々畑などが作られていた。山がすぐ背後に迫る宇検村は耕地が少なく、この島に耕地を求めたのだ。

我が国の動物文学の第一人者、戸川幸夫が1964年に発表した短編「ハブ」には大正末期から戦後にかけての宇検の人たちと枝手久島との関わりが描写されており、「かつて数家族がこの島に居を構えたことがあったが、絶えず家の中に侵入してくるハブの危険に耐えかねてとうとう逃げ出したという古い話も伝えられている」とある。

当時からハブが多い島として認識されていたようだ。

川沿いを行くのは難しく、森を迂回してゆくことに。

 1970年代に東亜燃料工業がこの島の近くに製油所の建設を計画した際、反対運動の一環としてヒッピーのコミューンが島に上陸し、生活していたこともあった。

思いのほか森の密度は低く、歩きやすかった。やはり川沿いから低地にかけて人の手が入っていたのだろう。
初爬虫類はアマミヒメトカゲ。枯れソテツの下に隠れていた。

周囲約13km、面積5.45㎢におよぶこの島の大半は山林となっている。最高標高が322mと起伏も豊かで、北側の海に注ぐ川のほかに谷底に沢が流れ、周囲には農耕地の跡と思われる平地も見られる。

小さな沢に出る。いい雰囲気だ。
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ハブの食物がいてほしいのだが

「クマネズミの気配が見られないですね」(釣谷さん)

イモリや虫にはちょくちょく遭遇するが、ハブの主食のひとつであるクマネズミの痕跡が感じられない。

体長3cmほどの小さなカエル、リュウキュウカジカガエル。成熟したハブはこのサイズのカエルはほぼ食べない。

なんやかんや大事なのは食い物で、ハブが繁栄するには栄養たっぷりラーメン二郎的な存在が必要だ。あそこはハブどころだと言われて行ってみたらエサとなる生き物が見当たらず、ハブもあまりいなかった、なんていうこともあった。

ヤギの頭骨を見つけた。持ち込まれたヤギが野生化したのだろう。ドクロの写真は自粛します。

ここも言われるほどではないのではとちょっしたと不安がよぎる。ハブの食物にはならないが、 リュウキュウイノシシがいることはわかった。なんでわかったかというと、薮から鬼ダッシュで飛び出してきたイノシシに私がひかれそうになったからだ。いちばん弱いやつを狙うんじゃねえよ。

白石さんがアオウミガメの甲羅を見つけた。よく骨を見つける人だ。
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 採れたてキクラゲはソフトコンタクトレンズ

下見を終え、キャンプに戻り夜の探索に備えて休息と食事を取る。

散策中に見つけたキクラゲ。「食いましょう」
昼間のチヌに続いてカンモンハタもゲット。こちらは汁でいただく。

ファミマのパンでいいんじゃねと思っていたが、皆が次々と食材をゲットしてくると気分が高揚する。

チヌを醤油と塩でシンプルに味付けして焼く。んまい!
カンモンハタとキクラゲ汁。キクラゲは新鮮すぎて歯ごたえがすごく、ソフトコンタクトレンズかと思った。
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発祥のハブ発見!そりゃそうだけど普通!

腹ごしらえが済むと日はすっかり暮れて周囲はただただ闇。無人島は無灯島なんですね、とか言いながらハブ探索がはじまる。

灼熱の太陽はジュワッと海の向こうに沈んだが、夜はかなりむし暑い。

開始から1時間ほどで釣谷さんが10mほど向こうにハブを発見した。

私はリュックが木の枝に引っ掛かって森に動きを封じられていたが、「遠くから来た伊藤さんが先に写真どうぞ」と皆がゆずってくれて、大御所の写真家みたいになってしまった。なんか、すいません。

記念すべき枝手久ハブ!

 サイズは1.1mほど、体色も模様も典型的な奄美大島産のハブだが、これが発祥の地のハブかと勝手にみんなでありがたがった。楽しい。

木の根元でとぐろを巻く。発祥っぽい所作だ(てきとうな感想)

⏩ 奄美の森はマイティ

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