お伝えしたかった!
写真がないなら記事にしなければいいという考え方もある。しかし、そうではないのだ。美味しかったからお伝えしたいのだ。最前線からお伝えしたいのだ。ちなみに途中でシェフが挨拶にもきてくれた。最高なのだ、全てが。
夢中という状態がある。心が奪われて他のことを忘れてしまう状態のことだ。それはたとえば、いや、たとえばではなく今回の件なのだけれど、食事に行ったら美味しくて夢中になって写真を撮るのを忘れたとかだ。
そう、群馬でブラジル料理を食べた。そしたらこれが美味しくて、写真をほぼ撮らずに食べ終わってしまったのだ。食べ終わってからこんなに美味しいなら記事にしようとなった。だから写真があまりないけれど伝えたいのだ、美味しいということを。
今回は群馬県の大泉町にある「Delicias by Vera Goto」というブラジル料理のお店のことを書く。結論から言うと、めちゃくちゃ美味しかった。しかも安かった。行ったことはないけれど、ブラジルで食べるより美味しい気がする。
「Delicias by Vera Goto」について書く前に、そもそもなぜ群馬でブラジル料理なのかを少し記したいと思う。理由は簡単で群馬の大泉町には多くのブラジル人が住んでいるからだ。ざっくりだけれど、10人に1人はブラジル人ということになる。
大泉町は群馬で一番小さな町だけれど、北関東屈指の製造品出荷額を誇る街でもある。大手企業の工場があり、バブル期に人手不足が深刻となりブラジル人などの外国の方が定住するようになった。そのために街全体がブラジルのようになっている。
街を歩いていてもブラジル人とよくすれ違う。大泉町は日本だけれど、もはやブラジルなのだ。看板の注意書きなども日本語とポルトガル語で書いてある。ブラジルなのだ。そんな街のブラジル料理、絶対に美味しいに決まっているのだ。
ここまでに載せた写真は全て先に書いたお店で食事をしてから撮影したものだ。こんなにも美味しいなら記事にしなければ、と撮影したのだ。本当は記事にする予定はなくて、ただ食事に行っただけ。でも、美味しかったから記事にします。
当サイトの編集部の林さん、橋田さん、ライターの井上さんと私の4人で「Delicias by Vera Goto」に行った。自宅の一階部分がお店になっている。人の家なので靴を脱いだ方がいいのか悩む感じだ。でも、土足でよかった。
ビュッフェ形式か、量り売りかを選べる。量り売りは100グラムが300円ほどで、食べ放題は約3000円なので1キロ食べる計算になっている。ただ食べ放題は飲み物も飲み放題。ファミレスなどとは異なり、缶やペットボトルで置いてあり自由に持って行き飲んでいい。向こうの飲み物もあった。写真はないけど。
いくつかの写真はある。食べる前に撮ったものだ。食べ始めると4人中4人が食べることに夢中になり写真を撮らなかった。逆を言えばそれが美味しい証拠でもあるのだ。仕事柄、撮影でなくても写真を撮ることは多いけれど、そんなことを忘れて食べることに夢中になったのだ。
みんな別角度から同じような写真を撮っている。肉料理があり、カレーのようなものがあり、サラダも豊富にある。ブラジルの方が作っているそうだ。それは美味しいに決まっている。しかも、食事が並んでいるところにないやつです、とテーブルに料理を持ってきてもくれた。サービスも最高だ。
肉は肉の味がした。臭みがあるとかではなく、素材の味が生かされた味だ。私は中南米に行ったことがあるのだけど、向こうで食べた味に似ている。ブラジルには行ったことがないから、一緒とは言えないのだけれど、向こうの味に似ている。ただ向こうで食べるより美味しい。
スイーツはプリン(たぶんフランだと思う)やココナッツを使った何か、いちごをふんだんに使った何かがあった。基本的には何かとしかわからない。明確にわかるのは美味しいということだ。お願いすると切り分けてお皿に盛ってくれる。
以上です。写真は以上になります。食べ始めてからは「美味しいよね」「めちゃくちゃ美味しいよね」「これでこの値段は安いよね」という感想を言い合いながら夢中で食べた。料理の種類も豊富だし、それが美味しい。最高のお店だと思う。
写真は尽きたけれど、美味しかったことをもう少し伝えたい。肉料理には豚と牛があって料理名も教えてくれたけれど、カタカナで耳馴染みがなくて忘れてしまった。ただ忘れていないこともある。美味しかったことだ。
サラダも豊富だった。おそらくサルサソースだと思うものもあり手作りだった。野菜の臭さのようなものはなく、どれも美味しかった。作り手の腕がいいのだろう。肉と野菜なら肉を選びがちな私だけれど、同じくらいの量の野菜を食べたくらい本当に美味しかったのだ。
飲み物はガラナやコーラがあった。どれも缶やペットボトルだった。コーヒーは頼めば淹れてくれた。満足度が高いお店だった。近所にあったら間違いなく通うことになるお店だし、誰かを連れて行きたいとすら思った。それほどに美味しいのだ。
「美味しい」とばかり書くのは語彙力がないようにも思える。実際そうだろう。どう美味しかったのかなどを書くべきだ。しかし、本当に美味しいものの前では語彙力が失われ「美味しい」という言葉しか出なくなる。今回はそれだ。写真を撮らずに夢中に食べるくらいなのだ。ぜひ行った方がいい。
写真がないなら記事にしなければいいという考え方もある。しかし、そうではないのだ。美味しかったからお伝えしたいのだ。最前線からお伝えしたいのだ。ちなみに途中でシェフが挨拶にもきてくれた。最高なのだ、全てが。
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