特集 2022年6月17日

ガムの空きボトルをトロフィーとして飾りたい

我が禁煙半年間の偉業を称えて、その証をここに飾る。ガムボトルだけど。

実は昨年末から禁煙を始めたんだけど、おかげさまで半年経った現在、タバコを吸いたい気持ちはミリも残っていない。

我が事ながら、なかなかよくやった、誇らしい、という気持ちでいっぱいである。

なので、これはなにか記念碑的なものを残しておくべきではないだろうか?

ちょうどここに、口寂しさを紛らわすのにやたらと噛んでいるガムの空きボトルが大量に残ってる。

これをかっこよく飾ることで、禁煙達成のトロフィーとしよう。

1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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禁煙よくやったトロフィー、作りたい

トロフィーといっても、一般的な記念カップとかそういうのではない。もっと勇ましい感じで行きたい。例えば、「ハンティング・トロフィー」みたいなのがいいんじゃないだろうか。

金持ちの家の暖炉のそばに、鹿とかクマとかライオンとかの首だけがぶら下がってるアレ。あれは狩猟の獲物を「俺、こんなすごいのを獲ったんだぜ」と見せびらかすためのものである。

個人的には良い趣味であるとは思えないが、とはいえ、見せびらかしたいものを壁に吊して堂々と自慢する、というスピリット自体は嫌いじゃない。

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「趣味としての狩猟」に対しては否定的だけど、見せびらかしたい欲求はまぁ理解できる。

なんでハンティングトロフィーの話をし始めたかというと、単に食べ終わったガムの空きボトルの口をパクパクと開閉させていたら、「なんか動物っぽいなー」と思ったから。

このボトルを生首にしてかっこよく壁に飾れば、禁煙の記念になるんじゃないだろうか。暖炉の前で安楽椅子に腰かけて、ガムボトルのハンティングトロフィーを愛でながらパイプをくゆらす。これは優雅でいいんじゃないか。パイプくゆらしてる時点で禁煙どうなったって話ではあるけど。

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ガッパーッ!って口を開いた感じが猛獣みあるよなー、というのがそもそもの発端です。

ハンティングトロフィーは、ざっくり見る限り、剥製の首+木の台座という構成がほとんど。なんか盾っぽい形の台座から動物の首がにょきっと出ているようなイメージである。

であれば、とにかくなんでもあの盾っぽい台座から生えてれば、ハンティングトロフィーっぽくなると思うんだ。たぶんだけど。

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台座ってこういう形じゃね?ぐらいのザックリ感でAmazonのダンボールを切り出す。意外と正解に近くないか。

とはいえ木の板からあの形を切り出すのはわりと面倒くさい。

こういう場合、工作のしやすさと入手のラクさで考えると、だいたい素材はダンボール一択だろう。Amazonの荷物の底に敷いてあるやつを貯め込んでおけば、材料不足で困るようなことも無いし。

ひとまず盾っぽく切り抜いて、試作してみたんだけど……うーん、なんか見た目が安っぽいなー。

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安っぽいというか、単なるゴミではないか説。

工作のしやすさと入手のラクさがダンボールのメリットだとしたら、デメリットは「ダンボールはダンボールにしか見えない」というところ。なので、どうにも安っぽい。そりゃ粒ガムの空きボトルとダンボールなんだから、その組み合わせで高級に見えるほうがおかしいんだけど。

ハンティングトロフィーっぽさにおいて、木の台座の重厚感の占める割合、思ったよりデカいなという印象である。

木材っぽさが出れば、高級感は演出できる

かといって、今さら「じゃあやっぱり木を切るか」って進路変更は無いだろう。

うーんなにか良い手はないかなーとネットを見ていたら、まさに今欲しいものをピンポイントで見つけてしまった。

簡単に木目風の塗装ができてしまう「ウッドグレイニング・ツール」というものを使えば、ダンボールを木材に偽装できちゃうんじゃないか。

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「ウッドグレイニング」専用のツール。これをスキージー(ゴムべら)のように使うと木目が描けるらしい。

これは曲面に年輪のような同心円が彫り込まれたゴム製のへらで、もともとは芝居のセットや大道具に木目を描き込んで雰囲気を出すように考えられたものなんだとか。

どう使うかというと、まず木目を作りたい場所に塗料をベターッと塗って、それが乾かないうちに ウッドグレイニング・ツールを押し当てる。

あとは曲面とダンボールが当たる角度を変えたり、波打つようにウネウネさせつつ端から端まで動かせば、木目調のできあがり……!

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木材のベースになる色をダンボールに塗って乾かしたら、濃いめの木目色をべたっと重ね塗り。
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そこをウッドグレイニング・ツールで掻き取ると、この通り!
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力を入れすぎたせいでダンボールの波目まで拾っちゃったけど、充分に木目っぽいぞ。これはめちゃ楽しい。

同心円の溝で余剰な塗料を掻き取ることで、この木目っぽさができているらしい。不思議。

塗料の量やツールの動かし方になんらかのコツはあるっぽいけど、とはいえ適当にやってるだけでも、そこそこ木目のような感じになるのは面白い。

たとえ失敗しても、上から塗料を塗り直してしまえば何度でもリトライ可能なので、「こうやったら木目っぽさアップする?」みたいなのを大胆に試せるのも良いのだ。

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最初の方の「ザ・ダンボールそのまま」と比較すると、だいぶ高級感あるんじゃないか。
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側面はダンボールの切り口が丸見えなので、せめて茶色のマーカーで塗っておく。

乾燥したら、あとは試作と同様に台座へと組み上げる。側面からほの見えるダンボール感はちょっと気になるものの、なかなか立派な台座っぷりと言えるんじゃないか。

ここにガムボトルの生首(という表現で正しいのか)をホットボンドで接着してしまえば、存外にきちんとトロフィー風味の出た「俺のハンティング・トロフィー」が完成である。

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まっすぐ筒切りにするんじゃなくて、ちょっと角度をつけたほうが台座と合体したときに格好良い。
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あとはもう台座へがっちり接着するだけ。
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近所にあるスギ薬局のお菓子売り場で狩った、XYLITOLガムボトルです。

さあ、これが!俺が禁煙を成し遂げた!勝利のトロフィーだ!(ジャアアアン)

……という感じになるかと思ったんだけど、えー、これどうなんすかね。

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完成はしたが、困惑する気持ちも否めない。でも満足。

いや、それなりにちゃんとハンティング・トロフィーっぽく作れたとは思うんですよ。

ただ改めてこうやって飾ってみると、「ん?なにこれ?」という疑問の方がやや大きい。

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見せられてる皆さんも分からないと思うんですが、特に考えずに「そんなもんか」で片付けてもらうと助かります。
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「クロレッツ」と「リカルデント」は、メインの口とは別に、ガム一粒ずつを振り出せる小口がある。これも活用したかった。
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小口のフタが、ツノを貼って固定するのにちょうど良かった。おお、立派なトロフィー。

いくつか並べて飾ればもしかして説得力が出るかも……とまとめて作ってみたけど、やっぱり分かんないな。

しかし、やはり台座を木目塗装したおかげで、なんとなく「いいもの」感が出たことには満足している。

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「ミニ額専門店に行くと日々の暮らしがちょい上質になる」より。当時は目薬とか電池を額装してた。やはり分からない。

そして上の画像の何となく既視感あるな?と振り返ってみたら、一昨年にミニ額専門店を取材して額に小物を入れて飾ったのと、ほぼ同じビジュアルだった。

これはどうやら僕個人の嗜好として「しょうもないものを立派に飾ると楽しくなってしまう」というのがあるようだ。

 

ともあれ、あとはこれを飾りつづけて、今後も禁煙を継続していけるように誓うだけである。


無事に禁煙はできたものの、正直なところ、今度はガムが止められなくなって困っている。

もちろんいずれはこのガムかみ癖もきちんとフェードアウトしていくつもりではあるが、おそらくまたなにか代わりのものを口にして禁ガムすることになるだろう。スルメを噛むとか。

その節にはまたトロフィーを作ると思うので、改めてお付き合いいただきたい。

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3週間でこれだけ空きボトルが溜まったので、そこそこ糖分摂り過ぎな気はしている。

 

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