7/25 ツノゴマの実ができた
7月下旬、畑の中で日に日に存在感を増しているツノゴマは、往年の名悪役レスラーであるアブドーラ・ザ・ブッチャーが履いていた靴のように、クルンと先が丸まった実をつけた。
いただいた実は角が二本に分かれていたが、この時点ではまだ一本。




ツノゴマの実を食べてみる
畑の土との相性が良かったのか、モサモサと茂ったツノゴマはたくさんの実をつけている。こうなると気になるのはその味だ。
食用に育てているわけではないのだが、これだけオクラに似ているのだから、食べられないということはないだろう。まだ柔らかいやつを選んで茹でてみよう。


しっかりと茹でたツノゴマの実を少しだけ齧ってみると、青臭さがすごかった。うっすらと甘味を感じるのだが、どうにも舌がピリピリするし、歯がギシギシしてくる。このアクの強さは食べたら駄目なやつである。やっぱり悪魔は食べられないのか。
でも悔しいので調べてみたら、現地ではピクルスにして食べるという情報を発見。早速甘酢を作って茹でたツノゴマを漬けてみた。

何日漬けたら良いのかが謎だったが、なんとなく二十日ほど経ったところで食べてみると、多少えぐみが残っているけれど、あくまで個性の範疇と言える程度。
ワラビのアクが灰や重曹で抜けるように、ツノゴマの刺激はお酢でどうにかなるようだ。
悪魔の爪はピクルスにするとおいしい。おそらくこの記事を読んだすべての人にとって、今後の生活で役に立つことはない知見であるが、だからこそ尊いのである。


9/13 見覚えのあるツノゴマの実になって満足
そんなこんなで季節は秋。ツノゴマはまだまだ元気に花を咲かせているが、最初にできた実はもうすっかり枯れて、あの種を取ったときの姿になっていた。
ツノゴマの実は完熟するとパカっと割れて、その中から硬い殻を出現させ、そして尖った先端を二つに割いて、あの形になるのである。
ツノゴマの実がおいしくなかったのは、まだ柔らかいうちに動物や昆虫に食べられないようにすることで、種を抱く中の部分を守るためなのだろう。おそらくクルミなどと同じ作戦だ。









いただいた不思議な形の実から種を取り出し、それを植えて育てることで、しっかりと起承転結のあるツノゴマの物語を読み終えることができた。
大変満足である。